ホールデン・コモドア
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VHコモドア(リア)

コモドア(Commodore )は、オーストラリアの自動車メーカーで、GM子会社であるホールデンがかつて生産(4代目まで)と販売を行っていた乗用車である。
歴史
初代(1978年-1988年)
VB

ホールデン・VBコモドア

概要
販売期間1978年 - 1980年
ボディ
乗車定員5人
ボディタイプ4ドアセダン/5ドアワゴン
駆動方式FR
パワートレイン
エンジン直6 2.85L 64kW(86hp) レッド
直6 3.3L 66kW(89hp) レッド
V8 4.2L 87kW(117hp) レッド
V8 4.2L 96kW(129hp) レッド
V8 5L 114kW(153hp) レッド
変速機3AT/4MT
車両寸法
ホイールベース2,668mm
全長4,705 - 4,729mm
全幅1,772mm
全高1,371mm
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ホールデン・HZキングスウッドの後継車。なお、HZキングスウッドは1980年3月30日にフェイスリフトされたVCコモドアの生産開始まで販売された。

プラットフォームはGM・Vプラットフォームが用いられ、ボディシェルはオペル・レコルトをベースとしたが、より大型のホールデン製直6あるいはV8エンジンを搭載するため、フロント周りはオペル・セネターの物が移植されており、見た目はオペル・コモドーレと似た物となった。またオーストラリア奥地の厳しい路面状況等に適応するため、ボディ剛性の強化が図られ、その開発費用は1億1,000万オーストラリア・ドル以上であったと報告されている[1]

OHVエンジンは主にキングスウッドのものがキャリーオーバーされ、直6 2.85L、直6 3.3L、V8 4.2L、V8 5Lのエンジンが搭載された。なお、これらのエンジンはカバー部分が赤く塗られていたため、レッドモーターと呼ばれる。トランスミッションには4速MTと3速ATが用意され、V8 5Lエンジンにはターボハイドラマティック350/400(3AT)が用意された。

総計で95,906台が生産され、1979年にはオーストラリアで最も売れた車となった。また、リーズナブルな価格設定と、優秀なエンジンによって、1979年にホイールズマガジン誌のカーオブザイヤーに選ばれた。

グレード構成は、コモドア、コモドアSL、コモドアSL/Eの3種類が用意された。ただし、ワゴンにはSL/Eグレードは用意されなかった。

1978年10月26日 - 発売。

1979年7月24日 - ワゴン発売。

1980年3月 - 生産終了した。

VC

ホールデン・VCコモドア

概要
販売期間1980年 - 1981年
ボディ
乗車定員5人
ボディタイプ4ドアセダン/5ドアワゴン
駆動方式FR
パワートレイン
エンジン直4 1.9L 58kW(78hp) Starfire
直6 2.85L 76kW(102hp) ブルー
直6 3.3L 83kW(111hp) ブルー
V8 4.2L 100kW(134hp) ブルー
V8 4.2L 115kW(154hp) ブルー
V8 5L 115kW(154hp) ブルー
V8 5L 126kW(169hp) ブルー
変速機3AT/4MT
車両寸法
ホイールベース2,668mm
全長4,706 - 4,730mm
全幅1,722 - 1,736mm
全高1,379 - 1,375mm
車両重量1,158kg - 1,348kg
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VBコモドアのマイナーチェンジモデル。特徴としては、エッグクレート格子型のフロントグリルが挙げられる。

VBコモドアに改良が加えられ、コモドアのオーストラリアのベストセラー車としての地位を保守した。

最大の変更として、シリンダーヘッドやカムシャフト、ピストン、キャブレターなどを一新した新型のXT5型エンジンを搭載し15%-25%燃費を向上した。新型のエンジンカバーは青色で塗装されており、VBコモドアのレッドモーターと対比させてブルーモーターとも呼ばれていた。また、新たに1.9L 4気筒エンジンが搭載された。なお、このエンジンはスターファイア4と呼ばれ、2.85L 6気筒ブルーエンジンから2気筒が取り外されたものであった。トランスミッションについてはコモドアVBと同一であった。

そのほか、ハンドリングやドライブフィールを向上させるためにサスペンションの変更を行い、クルーズコントロールなどのオプションが追加された。また、エクステリアデザインの小変更も行われた。

グレード構成は、新グレードのLが加えられ、L、SL、SL/Eの4種類が用意された。

1980年3月30日 - 販売開始。

1981年10月 - 生産終了、総計で121,807台が生産された。


セダン

インパネ

VH

ホールデン・VHコモドア

概要
販売期間1981年 - 1984年
ボディ
乗車定員5人
ボディタイプ4ドアセダン/5ドアワゴン
駆動方式FR
パワートレイン
エンジン直4 1.9L 54kW(72hp) Starfire
直6 2.85L 73kW(98hp) ブルー
直6 3.3L 83kW(111hp) ブルー
V8 4.2L 100kW(134hp) ブルー
V8 4.2L 115kW(154hp) ブルー
V8 5L 117kW(157hp) ブルー
V8 5L 126kW(169hp) ブルー
変速機3AT/4MT/5MT
車両寸法
ホイールベース2,668mm
車両重量1,152kg - 1,326kg
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VCコモドアのマイナーチェンジモデル。車高を低く、車幅を広く見せるためにホライゾンタルフラットグリルを用いてフェイスリフトされた。

エンジンはVCコモドアと同一のものを用いたが、1.9Lおよび2.85Lエンジンは燃費向上のため改善され、それぞれ12.5%と14%燃費の向上がなされた。

さらに、4気筒1.9Lと6気筒2.85Lエンジン搭載車にはオプションでトランスミッションを5速MTにすることができるようになった。

グレード構成は、SL、SL/X、SL/Eの3種類となった。SL/Eには初めてクルーズコントロールと平均燃費、平均速度を測定するトリップコンピュータが標準装備となり、また、トリップコンピュータについてはSL/Xにもオプションで装備できた。また、ワゴンにはSL/Eグレードは用意されず、SLとSL/Xのみが用意された。

1979年に第二次オイルショックが解決し、フォード・ファルコンにベストセラー車としての地位を譲った。

1981年10月5日 - 販売開始。

1982年 - スポーツモデルのSSが発売され、それ以来コモドアの中心的なモデルとなった。SSはV8 4.2Lエンジン搭載車では標準で、さらにスペック向上版のステージ1、ステージ2、ステージ3が用意された。なお、ステージ3については5L V8エンジン搭載モデルに適用された。生産はピーター・ブロック ホールデンディーラーチーム工場で行われた。

1983年 - SLグレードにエクゼクティブパックが追加された。さらに、1981年、1982年、1983年それぞれクリスマス頃に特別仕様車のバケーショナーが発表された。

1984年2月 - 生産終了。

VK

ホールデン・VKコモドア

概要
販売期間1984年 - 1986年
ボディ
乗車定員5人
ボディタイプ4ドアセダン/5ドアワゴン
駆動方式FR
パワートレイン
エンジン直4 1.9L 54kW Starfire
直6 3.3L 86kW ブラック
直6 3.3L 106kW EFI ブラック
V8 5L 126-177kW ブラック
変速機3AT/4MT/5MT
車両寸法
ホイールベース2,668mm
車両重量1,220kg - 1,366kg
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VHコモドアのマイナーチェンジモデル。プラスチックバンパーや、6ウインドウデザインが初めて用いられた。またテールライトやフロントグリルのデザインが変更され、LEDなどを用いたダッシュボード内の小変更が行われた。

エンジンは2.85Lと4.2Lエンジンは廃止され、5L V8エンジン(ただし後の1985年にオーストラリアの規制により4.9Lエンジンに変更される)と、ブルーエンジンより少し出力および燃費が向上された、2種類の直4 3.3Lブルーエンジンが搭載された。また、ニュージーランド市場においては引き続き1.9Lエンジンが搭載された。

ベースグレードがSLの代わりに、エクゼクティブ (Exective) となり、オートマチックトランスミッションやパワーステアリングなどが装備された。また、SL/Xはベルリーナ (Berlina) に、SL/Eはカレー (Calais) となった。ワゴンモデルはエクゼクティブとベルリーナのみのグレード構成となった。ただし、特別仕様車のバケーショナーの名前は再び用いられた。また、SSシリーズも存在し、V8 4.9Lエンジン搭載車の性能向上版と、限定車のLM5000とSSグループ3、およびSSグループAと、カレーディレクターセダンが用意された。

モータースポーツについては、バサースト1000において、1984年のグループCと、1986年のグループAで優勝し、ホールデン車で初めて、モータースポーツで活躍をした車であった。

組み立てはニュージーランドウェリントン近くのGMトレンサム組立工場でも行われ、現地でも販売された。オーストラリア国内仕様とは若干異なるテールランプやホイール・デザインが採用され、1.9Lエンジンも搭載された。


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