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季節の正しい移り変わりを司る3柱のホーライと人間社会の秩序を司る3柱のホーライ (エドワード・ポインター/画、1896)
ホーラー(?ρα, H?r?)とは、ギリシア神話に登場する時間の女神で、季節と秩序を司る。
なお、ホーラーは単数形で、複数形ではホーライ(?ραι, H?rai)という。いずれも時間の意味。また、季節女神とも意訳される。 ゼウスとテミスの三人の娘で、運命の三女神モイライの姉妹とされる[1][2][3]。古くは気象的性格を持つ女神たちで、雨を降らせることで花を開花させ、果実を実らせたので、春と夏の季節を象徴した[4]。やがてホーラーたちは季節の規則正しい巡りと自然の秩序を司る女神と見なされるようになったが、季節そのものと混同された[5][4]。ホメーロスにおいては天界と地上を結ぶ雲の門の番人であり、ヘーラーの戦車から馬を外したりと、神々がオリュンポスから戦車に乗って外出する際、天界の門の雲を掻き分ける[6]。アプロディーテーがキュプロス島に上陸するとホーラーたちが彼女を着飾らせ、オリュンポス山に連れて行った[7]。ゼウスが人間を破滅させるため、パンドーラーを地上へ送った時、ホーラーたちは彼女の頭を花飾りのついた冠で縁どりした[8]。神々の宴会でホーラーたちはカリスたちの仲間になって踊る[9]。ホーラーたちは生まれたばかりのヘルメースの保護者であり[10][11]、ディオニューソスがゼウスの太股から生れた時、彼を引きうけた[12]。また、ヘーラーを養育したのは彼女たちであった[9][13]。ヘーラーあるいはアプロディーテーの侍女であり、ディオニューソス、ペルセポネー、デーメーテール、アポローンなどにも従う。それゆえ彼女達は、花あるいは植物を手にした優雅な三人の美しい乙女の姿で表される[5]。 ホーラーたちはアテーナイ、アルゴリス、オリュムピア、そして特にコリントスで敬われた[4]。 3姉妹の名前については諸説ある。 ヘーシオドスの『神統記』やアポロドーロスによれば、エウノミアー、ディケー、エイレーネーという[14][2]。 #ホーライ希羅紹介 古代のギリシア人は一年を春分から秋分に至る半年と残余の秋冬の半年に分ち、アテーナイで二つの季節のホーライ(タローとカルポー)を置いたが、後には春夏秋の三季節に分ち、アッティカではタロー(芽生え)、アウクソー(生長)、カルポー(結実)という三柱のホーライになっている[15]。主に自然と季節を司り、植物の芽生え、生長、結実の3階段を象徴する。春夏秋の三季節と結びついている。 #ホーライ希羅紹介 ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスの『ギリシャ神話集』(Fabulae 183)に登場する大地の豊饒を象徴する3柱のホーライ。 #ホーライ希羅紹介
概説
名前一覧
1エウノミアーΕ?νομ?αEunomia秩序の女神とされる。
2ディケーΔ?κηDice正義の女神とされる。
人類を見守り、人類が不正を働いた時にはこれをゼウスに訴えるという。
後世の神話の女神アストライアーやローマ神話のユースティティアと同一視される。
3エイレーネー Ε?ρ?νηIrene平和を司り、ローマ神話のパークスと同一視される。
1タローΘαλλ?Thallo春の女神とされる。開花・芽生えを象徴する。
2アウクソーΑ?ξ?Auxo夏の女神とされる。生長を象徴する。
3カルポーΚαρπ?Carpo秋の女神とされる。結実・収穫を象徴する。
1エウポリアーΕυπορ?αEuporia潤沢・豊饒の女神とされる。
2オルトシアーΟρθωσ?αOrthosia繁栄の女神とされる。