ホームライナー
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ライナー列車(ライナーれっしゃ)とは、日本国有鉄道(国鉄)及びそれを継承したJR各社において運行されている、快速列車(広義の普通列車)の一種であり、一般に乗車にあたっては乗車整理料金(乗車整理券)を要求する列車を指す[1][2]

本項では、国鉄・JR各社のライナー列車のほか、私鉄各社の有料座席指定制列車全般(特急列車を除く)についても述べる。.mw-parser-output .toclimit-2 .toclevel-1 ul,.mw-parser-output .toclimit-3 .toclevel-2 ul,.mw-parser-output .toclimit-4 .toclevel-3 ul,.mw-parser-output .toclimit-5 .toclevel-4 ul,.mw-parser-output .toclimit-6 .toclevel-5 ul,.mw-parser-output .toclimit-7 .toclevel-6 ul{display:none}
概要

快速列車と同様に主要駅のみ停車する列車が多い。列車愛称は路線や運転時間帯によって「ホームライナー」、「ホームライナー○○」や「○○ライナー」などのバリエーションが存在する。

日中帯に運転された「セントラルライナー」のようなごく一部の例外を除けば、主として通勤時間帯に設定されることが大半で、基本的に朝ラッシュ時は郊外のベッドタウンから企業の集中する都心に向かって、帰宅時間帯となる夜間は逆に都心から郊外に向かって運行されることがほとんどであるが、地方都市圏においては静岡地区やかつての新潟地区のように、都市間で比較的長距離にわたって運行される列車もある。
国鉄及びJR各社におけるライナー列車

JRグループにおける種別としては普通列車となるが、国鉄時代には団体専用列車として運転された列車も存在する。
登場の経緯と現状

都心に到着した優等列車を郊外の車両基地まで回送する代わりに営業列車とした早い例としては、1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正で設定された総武本線気動車による快速列車がある。新宿駅に到着した房総方面からの急行列車の折り返しで、御茶ノ水駅発20時台に千葉駅行(停車駅は秋葉原駅船橋駅の2駅)として2本運行された。ただし特別料金は徴収せず、回送列車のダイヤを踏襲したため所要時間も各駅停車と変わりなかった[3]

「ホームライナー」の名称で運行されたものの初出は、1984年昭和59年)6月1日、当時の国鉄旅客局長だった須田ェの考案により、東北線上野駅 - 大宮駅間で回送する特急用電車を活用したものとされる。これは、当時私鉄各社で運行されていた通勤時の特急列車をヒントとして生まれたものであった。同列車は同年7月23日に「ホームライナー大宮」と命名され、次いで同日には総武快速線で「ホームライナー津田沼」が、同年9月からは阪和線で「ホームライナーいずみ」の運行が開始された[4][5]

運転開始当時は1編成のうちの数両あるグリーン車のみで客扱いを行っており、この際には普通車扱いとしていた。しかし運転開始当初より人気が高く常に満席となり、積み残し客の方が多くなることもあったことから、運転開始数日で急遽グリーン車の前後に連結している普通車も客扱いを開始することに変更したが、それでもまだ積み残しが出る状況だったため、そのわずか数ヵ月後には1編成すべてを開放して客扱いをするようになった。

1986年(昭和61年)11月1日に運行を開始した東海道線の「湘南ライナー」、阪和線の「はんわライナー」では、回送ダイヤの流用ではなく単独の列車運用を持つようになった。また、当初は回送列車扱いのため省略されていた車内整備も行われるようになった。

その後、特急列車快速列車普通列車への置き換え、首都圏ではこれに加えて一般の快速・普通列車へのグリーン車連結による利用者の減少などによって、数を減らしていくこととなる。西日本旅客鉄道(JR西日本)や九州旅客鉄道(JR九州)では2011年(平成23年)3月までに全廃され、東日本旅客鉄道(JR東日本)でも2021年(令和3年)3月で全廃となり[6]北海道旅客鉄道(JR北海道)も2023年(令和5年)に「ホームライナー」の愛称のまま全席指定制の普通列車(快速列車)の扱いへ転換したため、現在は東海旅客鉄道(JR東海)に残るのみとなっている。このほか四国旅客鉄道(JR四国)では徳島地区で一時試験的に運行されていた。
乗車制度ホーム上に設置されているライナー券専用自動券売機。上部に各乗車口の残席数が表示されている。
後ろの列車は発券中のホームライナー13号で、乗車案内中であるが、ライナー券の検札を行う乗車口以外は締切となっている。(東京駅)「乗車整理券」も参照

扱いとしては広義の普通列車であるため、乗車券定期券を含む)に乗車整理券を追加で購入することで乗車が可能となる[2][注 1]。一般には座席分の枚数しか発売されないため、着席が保証されるいわゆる座席定員制であるが、かつての札幌地区のように、事実上乗車整理券の発売枚数に制限がなく、着席保証がない場合もあった[7][8]。また、運行区間末端方においては、停車駅を「降車専用駅」の扱いとして乗車を認めないクローズドドア制で運転したり、通常の快速列車の扱いとして運転する列車も存在した。
グリーン座席の扱い

使用車両にグリーン座席の設定がある場合、現存するJR東海においては、乗車整理券に代わって普通・快速列車に準じる自由席グリーン料金券を要求している[2]

かつては、列車により普通車扱いとして乗車整理券のみで乗車可能とする例や、車両そのものを締め切りとして開放しないケースもあった[9]
使用車両

車両基地まで回送される特急形車両の有効活用を目的としたという登場経緯から、一般に特急形車両で運転されるが、JR東海ではライナー列車向けに新造した専用車両313系8000番台を充当したケースがあったほか、JR東日本では本来近郊形車両に分類される215系電車を用いる列車もあった。

また、基本的には自社の車両が運用されることが多いが、JR東海の東海道線名古屋地区のホームライナーでは、同地区へ直通するJR西日本の「しらさぎ」用の車両が間合い運用で用いられている。過去にはJR東日本の「ホームライナー古河」「ホームライナー鴻巣」でJR西日本の車両が、逆にJR西日本の「びわこライナー」でJR東日本の車両が用いられていたケースがる[4][5]
運行概況

詳細な運行状況は各運行路線・個別記事で記載されているため、本節では運行される線区での概要のみを記載するにとどめる。
JR北海道キハ261系
「ホームライナー」「ホームライナー (JR北海道)」も参照

札幌駅を中心とした札幌地区の函館本線では、札幌運転所の入出庫列車を活用し、1985年8月12日に手稲駅 - 札幌駅間で「ホームライナー」の運行が開始された。国鉄では4例目であり、平日運転の乗車整理券制列車であった。

その後、小樽駅→札幌駅間の列車の追加(1988年)と廃止(2015年)[10][11]、夕方の札幌発列車の廃止(2017年)などを経て、2023年(令和5年)3月18日からは形態を毎日運転の全席座席指定制列車に改めたうえで、朝に手稲駅から札幌行きの3本が運転されている[12]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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