離陸するタイフーン Mk.IB RB402号機
(カナダ空軍439飛行隊所属、1945年撮影)
用途:戦闘爆撃機、戦闘機
分類:戦闘機
設計者:シドニー・カム
タイフーン(Hawker Typhoon )は、イギリス空軍 (RAF) で第二次世界大戦期に使用された戦闘機。1941年にホーカー・シドレー社で生産が開始され、後にはグロスター社でも生産された。邀撃戦闘機であったハリケーン戦闘機の代替が目的だったが、戦闘機としては性能面に問題があった。しかし、使用法を戦闘爆撃機としたことで、第二次世界大戦で最も成功した戦闘爆撃機のひとつと数えられるまでに発展した。 1937年3月に新型のハリケーンが生産される以前に、シドニー・カム技師は後継機の設計に移った。これは大型機で同様に大型のネイピア製セイバーエンジン (Napier Sabre engine) を搭載して設計された。これらはホーカー社が1938年1月に航空省 (Air Ministry) から仕様F.18/37を出された際に役立ち、ネイピア セイバーエンジンか、またはロールス・ロイス製ヴァルチャーエンジン (Rolls-Royce Vulture engine) を搭載した戦闘機として要求された。双方のエンジンが2,000馬力以上を叩き出せるように設計されており、セイバーのH-ブロックとヴァルチャーのX-ブロックはシリンダーの配置が異なるという点を除けば、同じ24気筒のエンジンであった。これらはアメリカから送られてくる、ハイオクガソリンの使用が前提となっていた。 その結果、ロールス・ロイス (Rolls-Royce) とネイピア (Napier) 、それぞれのメーカーの頭文字をとったRとNのモデルが製造された。いずれも単葉低翼機でよく似ていたが、ヴァルチャーエンジンを搭載したR型の機首は丸みをおびており、外気に触れて熱を放出するラジエーターは胴体下部にあったのに対して、セイバーエンジンを搭載したN型の機首は平坦で、ラジエーターはアゴにあたる機首の下部に搭載されていた。どちらも基本的な設計はホーカー社の伝統である「古風な」構造を受け継いでいた。つまりハリケーンと同様、前部胴体は鋼管溶接フレーム構造であり、翼幅が12メートル (40 ft) もある主翼の翼厚はスピットファイアのものよりもずいぶんと大きかった。しかしながら、カム技師も他の箇所のうちの多くでは時代の流れに抗えなかった。コクピットから後方でのセミモノコック構造の採用・フラッシュリベット(沈頭鋲)の使用・広くとった脚間隔といった改良が加えられた。後方へのスライド式キャノピーでも上方へ開くタイプでもなく、胴体に横開きのドアが設けられた。 R型は1939年10月に初飛行し、非常に感銘を受けたRAFはトーネード
経緯