VFR(ヴイエフアール)は、本田技研工業が製造販売していたV型4気筒エンジンを搭載したオートバイ(大型自動二輪車)のシリーズ商標でありシリーズ全体で399cc/748cc/781cc/1236ccの排気量を持つ車種が存在した。 1982年から製造販売されていたロードスポーツモデルのVFシリーズが、1986年4月に実施したフルモデルチェンジに併せて車名も変更したのが本シリーズであり、以下のコンセプトが提案された。 この結果として当初は、排気量399ccの普通自動二輪車ではネイキッドタイプのVFR400ZとブームだったレーサーレプリカモデルとしてVFR400R、同じく750ccのVFR750Fが製造販売された。後に数度のモデルチェンジで399ccモデルは廃止。大型自動二輪車モデルでは高速ツアラー的ポジションへ移行したが、本シリーズの共通事項として以下の4点がある。 なおRC46・RC79・RC80・RC60・SC63の日本国内正規モデルは型式名の最初に「BC」「EBL」が含まれる。含まれていないモデルは逆輸入車(輸出モデル)となる。 2015年以降はVFR800F/XならびにVFR1200F/Xがシリーズ車種として製造販売されていたが、VFR1200F/Xは2016年に日本国内向け仕様の生産終了が公表された[4]。なおVFR800F/Xも2022年10月生産分をもって生産終了がアナウンスされた[5]。これによりVFシリーズから始まったホンダの市販車のV型4気筒エンジン搭載車が1982年から2022年の間の40年の歴史に幕を下ろした。 VFR400RNC30型[6] 詳細情報 VF400Fからのフルモデルチェンジ車。エンジン型式はキャリーオーバーとなったため最高出力59ps/12,500rpm・最大トルク3.7kgm/11,000rpmのスペックを持つNC13E型[注 3]を搭載する。バリエーションはVFR400R・VFR400Zの2車種がラインナップされた。 1986年3月20日発表、同年4月1日発売[1]。 ワークスレーサーRVF400の市販車モデル的位置付がされたフルカウルを装備するモデル。エンジンは先代モデルのVF400Fに搭載されていたNC13E型がキャリーオーバーされたが、以下の変更点を持つ。 同年7月18日、同月19日より1,500台限定でワークスマシンRVF400同様にシャスタホワイト×ウィスタリアブルー×ローザンヌブルー×ファイティングレッドのカラーリングを採用した特別仕様車VFR400Rスペシャルエディションを追加発売することが発表された[7]。 NC21型からのフルモデルチェンジ。以下の変更を実施。 なお同年6月18日発表、7月1日発売でWGPワークスチームの「ロスマンズ・ホンダ」カラーの特別仕様車が追加された[9]。 NC24型からのフルモデルチェンジ。以下の変更を実施。 1990年1月18日発表、同年2月1日発売でマイナーチェンジを実施[10]。
概要
当時競技専用車両であったRVFシリーズ[注 1]からレースで培われ実証された数々の最新技術のフィードバック[1]
走行性能ならびに「ライダーの快適性と人車一体感を追求したスーパーエアロフォルム[2]」が目指す快適性とクオリティを高次元で調和[2]
111件の新技術・新機構の特許出願[注 2]
上述したVFR400Z、教習車仕様のVFR400K・VFR750K、2010年代になって設定されたアドベンチャータイプのVFR800X・VFR1200Xを除いてフルカウルを装備
水冷4ストロークシリンダーバンク角90度V型4気筒DOHCエンジンを搭載
ただしVFR1200F/Xのみバンク角76度ユニカムSOHCエンジン
ツインチューブ構造採用のアルミ合金製フレーム
フロント:ダブル・リア:シングルのディスクブレーキ
400ccモデル
VFR400R
ホンダコレクションホール保存車
基本情報
排気量クラス普通自動二輪車
車体型式NC30
エンジンNC13E型 399 cm3 4ストローク水冷DOHC4バルブV型4気筒
内径×行程 / 圧縮比55.0 mm × 42.0 mm / 11.3:1
最高出力43kW (59PS)/12,500rpm
最大トルク4.0kgf・m/10,000rpm
乾燥重量164 kg
車両重量182 kg
製造国 日本
製造期間 1989年-1994年
タイプ レーサーレプリカ
設計統括
デザイン
フレーム ツインチューブ
全長×全幅×全高 1,985 mm × 705 mm × 1,075 mm
ホイールベース 1,345 mm
最低地上高 125 mm
シート高 755 mm
燃料供給装置 キャブレター
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ウェットサンプ
駆動方式 チェーンドライブ
変速機 常時噛合式6段リターン
サスペンション 前 テレスコピック式
後 スイングアーム式
キャスター / トレール
ブレーキ 前油圧式ダブルディスク
後油圧式シングルディスク
タイヤサイズ 前120/60 R17(55H)
後150/60 R18(67H)
最高速度
乗車定員 2人
燃料タンク容量 15 L
燃費 37.0 km/L
カラーバリエーション
本体価格 749,000円
備考
先代 VFR400R(NC24)
後継 RVF(NC35)
姉妹車 / OEM
同クラスの車
テンプレートを表示
NC21型NC21型VFR400R
クランクシャフト角を360度から180度に変更[注 4]
バルブ駆動方式をカムギアトレーンに変更
マフラーを4into2の左右2本出しから4into1右側1本出しへ変更
NC24型
スイングアームを片持ち式プロアームに変更
クラッチ操作を油圧式からワイヤー式に変更
カムパルスセンサーを廃止
キャブレター口径を30→32mmへ大型化
吸排気系をリファインさせマフラーをセミアップタイプに変更
このためエンジン型式はNC13E型のまま最大トルクが4.0kgm/11,000rpmに向上
NC30型
クランクシャフトを180度から360度に再変更
ホイールベースを1,375→1,345mmへ短縮
動弁系をアジャスト式ロッカーアーム式からダイレクトロッカーアーム式へ変更
直径8mmの小径点火プラグを採用することで吸排気バルブを大径化
バックトルクリミッター機構内蔵クラッチを搭載
リヤホイール固定方式をRVFと同構造のセンターロックナット式に変更
フロントホイールを17インチ化
トランスミッションのクロスレシオ化
マフラーをステンレス製左出し4-2-1へ変更
大容量化による冷却性向上と前面投影面積を小さく抑えると共に空力特性の観点からラジエーターを上下2基配置へ変更
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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