ホンダ・フォルツァ
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第五世代(MF13)を囲む各世代のフォルツァ。

フォルツァ(: Forza)は、本田技研工業が製造販売しているスクーターである。欧州ではJazz、北米ではReflexの呼称で販売された時期もあった[1][2]

日本国では、20世紀末にヤマハ発動機MAJESTY250(4HC)を発売したのをきっかけに、数年で市場規模が3倍にもなる「軽二輪[注 1]スクーター・ブーム」が起こった[4]。その覇権争いから本田技研工業が開発したのがフォルツァだった[4]。2004年発売の第二世代(MF08)で市場を制することはできたが、ブームは急速に終息し、市場規模は2010年にはピーク時の四分の1となってしまった[5]。また、競争の過程で開発されたギミックの数々と、日本市場に特化し過ぎたコンセプトは、価格面でも実用面でも輸出にも適さないものとなっていた[6][7]。一方、ヤマハ発動機は2005年、早々に欧州向けをXMAX 250(SG16)に切り替え、とりわけ2006年に発売したXMAX 125(SE32)は、フランスのScooter GT市場で確固たる地位を築いていった[8][9]。競争の場は欧州市場に移ったが、本田技研工業がXMAXに対抗し得る機種に恵まれるには時間が掛かった[10]。2015年に投入したForza 125(JF60)が、ようやくXMAX 125(SE68)を凌駕する存在となると、フォルツァの新たなコンセプトが明確となった[11]。これにより、2018年のForza 300(NF08)、2020年のForza 750(RH11)が開発されることになる[11]
フォルツァ(250)
第一世代(MF06)

フォルツァMF06・2000年型(NSS250Y)
Jazzと名付けられた欧州仕様。
基本情報
車体型式MF06
エンジンMF04E型 249 cm3 4ストローク水冷OHC単気筒
内径×行程 / 圧縮比72.7 mm × 60.0 mm / 10.5:1
最高出力16 kW(22 PS)/ 7,000 rpm
最大トルク24 N・m(2.4 kg・m)/ 5,500 rpm
乾燥重量159 kg
車両重量172 kg

      詳細情報
製造国 日本国
製造期間
タイプ スクーター
設計統括
デザイン
フレーム バックボーン
全長×全幅×全高 2,210 mm × 760 mm × 1,360 mm
ホイールベース 1,545 mm
最低地上高 130 mm
シート高 720 mm
燃料供給装置 キャブレター
始動方式 セルフ式
潤滑方式 圧送飛沫併用式
駆動方式
変速機 無段変速式(Vマチック)
サスペンション テレスコピック式 φ33 mm
ユニットスイング式
キャスター / トレール 27.3° / 95 mm
ブレーキ 前油圧式ディスク φ240 mm
後油圧式ディスク φ220 mm
タイヤサイズ 前110/90-13 M/C 55P
後130/70-12 56L
最高速度
乗車定員 2人
燃料タンク容量 12 L
燃費 41.0 km/L
カラーバリエーション フォースシルバーメタリック
パールシーシェルホワイト
キャンディグローリーレッド
本体価格 税込 565,950 JPY[12]
備考 燃費は60 km/h定地走行テスト値
先代
後継 フォルツァ(MF08)[13]
姉妹車 / OEM
同クラスの車 ホンダ・フォーサイト(MF04)[14]
ヤマハ・MAJESTY(5GM)[14]
スズキ・スカイウェイブ(CJ42A)[14]
カワサキ・EPSILON250(CJ42B)[14]

各諸元の出典
註記なき場合は、本田技研工業の報道発表資料[15]より引用した。

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1995年8月に発売されたヤマハ発動機のMAJESTY250(4HC)は、翌1996年には日本国内市場で年間約1万台を売り上げ、「軽二輪」のトップ・セラーとなった[13]。本田技研工業は、1997年にフォーサイト(MF04)を発売して対抗を試みたが歯が立たなかった[14]。調査をしてみると、MAJESTY250の購買層はフォーサイトを全く評価していなことがわかった[15]。そこで、二の矢とされたのがフォルツァ(MF06)である[14]。優れた運動性能と、それを象徴する意匠を備え、市場の拡大を牽引している若年層の支持を得るべく開発された[15]。楔形の外装に、大径の前輪、後輪のディスク式制動装置などが装着され、1999年10月開催の東京モーターショーにNSS250の呼称で「参考出品車(市販予定車)」として展示した[15][16]。しかし、その約1か月前に開催されたミラノショー(EICMA)[注 2]で公開された第二世代MAJESTY(5GM)の進化は更に先を行っており、日本のみならず欧州においても、商業的な成功は収めることができなかった[18]。販売呼称は、日本はフォルツァ、欧州はJazz、北米はReflexで、欧州及び北米へは2001年から輸出された[1][19]
2000年型


日本 - 2000年(平成12年)3月17日に翌18日から発売すると発表した[12]。車体塗色は「フォースシルバーメタリック」、「パールシーシェルホワイト」及び「キャンディグローリーレッド」の3色[20]。メーカー希望小売価格は税込565,950JPYで、年間販売計画台数は5,000台とした[12]。同年8月1日には、車体塗色に「ピュアブラック」を追加するとともに、「アイドリングストップ・システム」及び「軽二輪」初となるコンバインド・アンチロック・ブレーキ・システムを装備したフォルツァ Sを発売し、年間販売計画台数を10,000台に改めた[21]。メーカー希望小売価格は税込618,450JPY[21]。また、2001年(平成13年)2月27日にも、フォルツァ及びフォルツァ Sにトップ・ボックスを装着したフォルツァ T及びフォルツァ STを同年3月10日から発売すると発表した[22]。車体塗色は「キャンディグローリーレッド」を廃し、新たにフォルツァ S及びフォルツァSTに「サイバーゴールド」を追加した[22]。フォルツァ Sの「サイバーゴールド」は同年2月27日から発売する[22]。メーカー希望小売価格は、フォルツァ Tが税込586,950JPY、フォルツァ STが税込639,450JPY。あわせて、「カラーオーダープラン」の受注を同年3月30日に開始する[22]。「カラーオーダープラン」で選択できる車体塗色は「クロームオレンジ」、「クリッパーイエロー」、「バイスブルー」及び「ラピスブルーメタリック」の4色で、追加費用は税込21,000円となる[22]。同年4月1日には、セコムが同日から開始した屋外用セキュリティ専用端末による位置検索・駆け付けサービス「ココセコム」の、本田技研工業の自動二輪車とした最初の推奨車種となり、車載型充電キットが用意された[23]。2000年度のグッドデザイン賞を受賞した[24]

2001年型


欧州 - アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)装備の有無で2種ある[25][26]。車体塗色は4色あり、イタリアでのABS非装着車の価格は11,495,000ITL[1]

北米 - アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)装備の有無で2種ある[19]。ABSを装備したスクーターは北米初の例となった[19]。車体塗色はForce Silver Metallic及びCandy Glory Redの2色[19]

2002年型


日本 - 2002年(平成14年)3月30日に、座席下の収納容量を5.5L増やすなどの一部変更を施し発売した[27]。メーカー希望小売価格はフォルツァ税込576,450JPY、フォルツァ Sが税込628,950JPY、フォルツァ Tが税込597,450JPY、フォルツァ STが税込649,950JPYで、年間販売計画台数は5,000台とした[27]。同年5月31日には、フォルツァ スペシャル及びフォルツァ S スペシャルを1,000台限定で発売した[28]。「ピュアブラック」の車体塗色に座席等を「モカベージュ」に着色した[28]。メーカー希望小売価格は、フォルツァ スペシャルが税込589,950JPY、フォルツァ S スペシャルが税込639,450JPY[28]

北米 - 車体塗色はMetallic Red、Metallic Silver、Gold及びCandy Dark Redの4色だった[19]

2003年型


日本 - 2003年(平成15年)2月28日に、フォルツァ T及びフォルツァ STを廃し、フォルツァ Type X及びフォルツァ Type X カラーオーダープランを追加し販売すると発表した[29]。フォルツァ Type X及びフォルツァ Type X カラーオーダープランは、短いウインドシールドやハンドルバー・キャップなどを装着している[4]。車体塗色は「サイバーゴールド」が廃され、フォルツァ Type X専用に「クリッパーイエロー」が追加された、「カラーオーダープラン」はフォルツァ Type X カラーオーダープランでしか選択できなくなった[29]。メーカー希望小売価格は、フォルツァ Type Xが税込597,450JPYで、フォルツァ Type X カラーオーダープランが税込618,450JPY[29]。年間販売計画台数は8,000台とした[29]。同年8月8日には、フォルツァ・TYPE X スペシャルを1,000台限定で発売した[30]。車体塗色は「ピュアブラック」で、「マルチグラデーションストライプ」が施された。メーカー希望小売価格は税込618,450JPY[30]

北米 - 車体塗色はClipper Yellowのみだった[19]

2004年型


北米 - オルタネーターを改良した[19]。短いウインドシールドやハンドルバー・キャップなどを装着したReflex Sportが設定された[31]。車体塗色はReflexがRedで、Reflex SportはBlack[32]。価格は、Reflexが5,199.00USD、Reflex ABSが5,699.00USD、Reflex Sportが5,199.00USD、Reflex Sport ABSが5,699.00USD[32]

2005年型


北米 - 車体塗色はReflexがCandy Dark Redで、Reflex SportはMetallic Silver[33]


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