ホワイトリカー
[Wikipedia|▼Menu]

ホワイトリカーとは、製糖残渣の廃糖蜜発酵させ、連続式蒸留器で得たエタノールに加水し、アルコール度数36度未満とした日本の酒税法における焼酎(主に焼酎甲類)を指す。無色透明で香りやクセもなく、純粋なエタノール水溶液に近い。

和製英語であり、英語の"White liquor"は別の意味(製紙業におけるパルプ材料の白液)になる("white distilled liquor"という言い方であれば無色の蒸留酒という意味)。ウイスキーブランデーなどの熟成蒸留酒を「ブラウンリカー」と呼び、これに対比させた呼称とみられる。

梅酒などの果実酒(リキュール)や、チューハイなど風味付けアルコール飲料の原材料として利用される。「ホワイトリカー」として販売される甲類焼酎の場合、いずれの用途においても高いアルコール度数が有利なことから(果実酒のエキス分浸出にはアルコール濃度が高い方が有利であり、またチューハイなど単純飲用ベースならアルコール度数は高い方がコストが安い)、市場では、法律上の上限一杯のアルコール度数35度で販売される製品が多い。

日本の税法上では「連続式蒸留焼酎(焼酎甲類)」を「ホワイトリカー(1)」と表示してもよい[1]。また税法上では製法等がやや異なる、原料にコーンスターチなど精製された穀類由来物質を用いた「単式蒸留焼酎(焼酎乙類)」(アルコール度数45度以下)も「ホワイトリカー(2)」と表記してもよい[1]。ホワイトリカー(2)も果実酒用・各種混和用として市販されている[要出典]。ホワイトリカー(2)は癖が少ないとされる[要出典]。

なお、消毒用アルコールには、上述のような発酵により製造されたものと、ナフサから化学合成されたものがどちらも使用されている[2](合成エタノールは酒や食品添加物などには利用できない)。
無色の蒸留酒ウォッカ

1970年代アメリカ市場でウォッカの販売量がウイスキーを抜き「白色革命[3]」と称されるなど、近年の蒸留酒市場では無色透明で樽香やピート香などのないもののシェアが大きい。

無色の蒸留酒のうちでアクアビット、ウォッカ、ソジュおよびラム酒のうちホワイトラムは、日本の「ホワイトリカー」(焼酎甲類)同様に無色でエタノール以外の香りは少ない。

いっぽう、キルシュヴァッサーテキーラ茅台酒などの白酒 (中国酒)カシャッサピスコ、オードヴィー(フランス語版)、焼酎乙類、泡盛等は、エタノール以外の香りも強く、日本の「ホワイトリカー」とは少々異なる。
注釈^ a b “酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律施行規則”. e-Gov (2020年3月31日). 2020年9月12日閲覧。
^ 新型コロナ拡大 合成アルコール需要増 化学工業日報、2020年4月10日(2020年5月5日閲覧)。
^ “玄地 昭八,「甲類焼酎は日本の〈白色革命〉の担い手」,『日本釀造協會雜誌』79巻7号, pp.462-466, 1984”. 2022年5月5日閲覧。 →この論文のp.463左下に、アメリカの'74年の〈白色革命〉について記載されている。










アルコール飲料
アルコール

エタノール

酔い

二日酔い

急性アルコール中毒

アルコール乱用

アルコール依存症

醸造

密造酒

飲酒の化学

醸造酒

ビール

ラガー

エール

白ビール

ランビック

生ビール

発泡酒

第三のビール(発泡酒A)

その他の醸造酒



ワイン

純米酒

米酒

シードル

蜂蜜酒

ペリー

マッコリ

タンスル

黄酒


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:23 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef