ホルムアルデヒド
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ホルムアルデヒド

IUPAC名

メタナール(系統名)
ホルムアルデヒド(許容慣用名)
別称酸化メチレン
識別情報
CAS登録番号50-00-0
E番号E240 (防腐剤)
KEGGD00017 (医薬品)
C00067
SMILES

C=O

特性
化学式CH2O
またはCOH2
モル質量30.03
示性式HCHO
外観無色気体
密度0.8153 g/mL 液体
相対蒸気密度1.08
融点

−92 °C, 181 K, -134 °F
沸点

−19.3 °C, 254 K, -3 °F
への溶解度非常によく溶ける
危険性
安全データシート(外部リンク)ICSC 0275
安全データシート
EU分類 T
EU Index605-001-00-5
NFPA 704430
RフレーズR23/24/25 R34 R40 R43
Sフレーズ(S1/2) S26 S36/37/39 S45 S51
引火点64 °C (147 °F)
発火点430 °C (806 °F)
爆発限界7?73%
半数致死量 LD50100 mg/kg (oral, rat)
関連する物質
関連する官能基アルデヒド基
(ホルミル基)
出典
ICSC
NIST webbook
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ホルムアルデヒド(: formaldehyde)は有機化合物の一種で、最も簡単なアルデヒド。酸化メチレンとも。IUPAC命名法で メタナール (methanal) と表される。本物質の水溶液はホルマリンフェノール樹脂メラミン樹脂尿素樹脂などの原料としても広く用いられる。毒性が強く、建築基準法に制限値があるなど、規制対象でもある。
製法・性質

刺激臭を持つ無色の気体である。触媒存在下にメタノールを空気酸化して得られる。さらに酸化が進むとギ酸となる。またギ酸カルシウムを乾留しても得られる。

などの極性溶媒に可溶で、37%以上の水溶液はホルマリンと呼ばれる。ホルムアルデヒド及びホルマリンを含むホルムアルデヒド水溶液は、毒物及び劇物取締法により医薬用外劇物に指定されている。簡単に重合し、無水のものはトリオキサン(CH2O)3、水溶液からはパラホルムアルデヒドHO(CH2O)nH を生ずる。

ホルマリンの2016年度日本国内生産量は98万6893トン、工業消費量は56万2782トンである[1]



生体

ホルムアルデヒドはアミノ酸や生体異物を代謝する際、内因的に生成され、ホルムアルデヒドに暴露されていない人でも、血液中ホルムアルデヒド濃度が2.61 ± 0.14 μg/g(ほぼ2.6ppm)との報告がある[2]
生成の例

ジメチルグリシンデヒドロゲナーゼは、葉酸なしでの反応ではホルムアルデヒドを生成する。[3]

一炭素代謝(one carbon metabolism)と呼ばれる代謝回路で葉酸の酸化的分解によりホルムアルデヒドが生成されると2017年に研究結果が発表された。[4][5][6][7] とりわけ、5,10-メチレン-THFTHFDHFが酸化的分解を受けやすいとしている。

防御機構

ホルムアルデヒドは有毒であり、生体防御機構が存在する。
DNA修復
ホルムアルデヒドによるDNA損傷を修復する機構がある。詳細は「
DNA修復」を参照
解毒
生成したホルムアルデヒドは、グルタチオンと反応しHM-GSHとなり、酵素のADH5によりF-GSH、さらに別酵素のFGHによりギ酸となり、再び一炭素代謝の原料になると発表された。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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