ホモシステイン
IUPAC名
2-アミノ-4-メルカプトブタン酸
識別情報
CAS登録番号6027-13-0
ホモシステイン (homocysteine) は、必須アミノ酸のひとつであるメチオニンの代謝における中間生成物である。ホモシステインの代謝には、葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12が関与している[1]。 メチオニンシンターゼ(MTR、EC 2.1.1.13 トランススルフレーション経路とは、ホモシステインがシステインにまで変換される代謝経路のこと。 基質生成物酵素補因子 先天性ホモシステイン尿症において、患者はシスタチオニンβシンターゼ遺伝子の欠損により、高ホモシステイン血症を来す。結果として尿中にホモシステインが排泄されるようになる。患者は若年にもかかわらず(場合によっては10代から20代であっても)、心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞)の原因となる動脈硬化を来すことがある[2]。 先天性ホモシステイン尿症は新生児スクリーニング検査の対象疾患である。 上記の事柄からホモシステインと動脈硬化性疾患の関連が示唆され、フラミンガムスタディや、日本での前向きコホート研究が進められている。ホモシステインの基準値については血液検査の参考基準値#アミノ酸を参照のこと。 高ホモシステイン血症は認知症ならびアルツハイマー病との関連性を指摘する研究がある[1][3]ほか、脳梗塞の危険因子として示唆されている[2][4]。テトラヒドロ葉酸(THF)による代謝とビタミンB12によるTHFの再生産、de:Folsaure
代謝
葉酸によるメチオニンの再生
ベタインによるメチオニンの再生)は、ベタインを用いてホモシステインをメチオニンへと変換する。ベタインはジメチルグリシンになる。
トランススルフレーション経路
ホモシステイン + セリンシスタチオニン + 水(H2O)シスタチオニンβシンターゼ
シスタチオニン + 水(H2O)システイン + α-ケト酪酸 + NH4シスタチオニン γ-リアーゼ(英語版)同上
医学における意義
関連する研究
脚注[脚注の使い方]^ a b 叶内宏明、ビタミンB6の抗腫瘍作用およびホモシステインの神経傷害の作用機序,食品摂取頻度と血漿ホモシステイン濃度に関する研究
^ a b 荒木厚、福島豊ほか、脳梗塞患者における血漿ホモシステイン濃度-Case-control study- 脳卒中 Vol.12 (1990) No.2 P111-115, doi:10.3995/jstroke.12.111
^ “アルツハイマー病や大病を引き起こす高ホモシステインとは?”. ダイヤモンド・オンライン. (2021年4月25日). https://diamond.jp/articles/-/268729 2021年4月25日閲覧。
^ 小林祥泰、凝固系異常と脳血管障害 日本内科学会雑誌 Vol.88 (1999) No.5 P838-844, doi:10.2169/naika.88.838
関連項目
メチオニン
アミノ酸の代謝分解#メチオニン
テトラヒドロ葉酸
5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ
外部リンク
⇒ホモシステイン研究データ cas-msds
典拠管理データベース: 国立図書館
フランス
BnF data
ドイツ
⇒イスラエル
アメリカ
チェコ
表
話
編
歴
アミノ酸代謝の代謝中間体
ケト原性アミノ酸(K)
→アセチルCoA
リシン→
サッカロピン - アリシン - α-アミノアジピン酸 - グルタリルCoA - グルタコニルCoA - クロトニルCoA - β-ヒドロキシブチリルCoA