東洋水産株式会社
Toyo Suisan Kaisha,Ltd.
東洋水産本社
種類株式会社
機関設計監査役会設置会社[1]
市場情報東証プライム 2875
東洋水産株式会社(とうようすいさん、英: Toyo Suisan Kaisha,Ltd.[3])は、日本の食品会社。
「マルちゃん」のブランドで親しまれている。モットーは「やる気」と「誠意」。2009年(平成21年)3月に「Smiles for All. すべては、笑顔のために。」のコーポレートスローガンを制定していた。 当初は、水産物の取引および輸出と加工食品(魚肉ハム・魚肉ソーセージなど)の製造・販売が主体であったが、1962年(昭和37年)から「マルちゃん」ブランドにてインスタントラーメンの製造・販売を開始。即席麺業界では日清食品に次いでシェア第2位である。 以降、インスタントの冷やしラーメン(中華)や天ぷらそば(カップ・袋麺ともに)、カレーうどん(カップ・袋麺ともに)、即席ワンタンなど個性的な商品も登場させ、チルド・レトルト食品なども製造・販売している。ラーメン・うどん・そばなどの即席麺の寡占率に関しては、西日本では低く[注 1]、東日本、特に北日本(北海道・東北6県・新潟県)で高い[注 2]。 1972年(昭和47年)にアメリカで現地法人のMaruchan Inc
概要
1986年(昭和61年)頃からはメキシコにもMaruchan Inc.から即席麺の輸出を開始し、1994年(平成6年)に発生したメキシコ・ペソの大暴落でライバル企業が撤退する中で販売を継続して大きなシェアを獲得した[7]。2006年(平成18年)現在、メキシコでの即席麺に占める同社のシェアは約85%となり、即席めんの通称名となるに留まらず、「『マルちゃん』が『早くに?する』と言った動詞とまでなっている」とロサンゼルス・タイムズが一面で伝えるほど、現地では知名度の高いブランドとなっている[8][9]。
水産・加工食品以外では、創業当初から続く冷蔵倉庫業務も引き続き手がけており、2012年現在約36万トン弱の冷蔵設備を保有しシェアでは業界5位につけている[10]。
1950年代後半から60年代にかけて一時三井物産の子会社だった時期がある関係で、三井物産から橋本晃明が社長として招聘されたこともあり、現在も三井物産との取引が多い。三井物産食品グループの構成メンバーでもある。
東洋水産における味付けや商品展開の東西日本の境界線は関ヶ原であるとされている[11]。静岡県内に製造拠点を持っていたこともあり、静岡県限定で発売された商品もいくつか存在する。
2011年(平成23年)11月7日に全国にて発売を開始した即席袋麺の「マルちゃん正麺」は高めの価格設定にもかかわらずネット上の口コミなどでその味が消費者の間で評価され、2013年3月までの1年半弱で累計3億食、希望小売価格を元に計算した合計販売金額は300億円を超えるなど大ヒットを記録している[12][13]。 グループの名称は「TSグループ」(ティーエスグループ)。 その他のグループ会社は、ウェブサイト事業所・グループ一覧
沿革
1953年(昭和28年)3月 - 横須賀水産株式会社として築地市場で創業。
1956年(昭和31年)7月 - 現在の商号に変更。
製造拠点
北海道工場(小樽市)
関東工場(館林市)
埼玉工場(日高市)
相模工場(伊勢原市)
関西工場(神戸市西区)
福岡工場(福岡市東区箱崎ふ頭六丁目10-15)
主なグループ会社
八戸東洋株式会社(青森県八戸市)
宮城東洋株式会社(宮城県石巻市)
フクシマフーズ株式会社(福島県伊達郡桑折町)
埼北東洋株式会社(埼玉県加須市)
銚子東洋株式会社(千葉県銚子市)
株式会社フレッシュダイナー(千葉県船橋市)
株式会社酒悦(東京都港区、福神漬で有名)
東和エステート株式会社(東京都港区)
株式会社東京商社(東京都港区)
新東物産株式会社(東京都港区)
湘南東洋株式会社(神奈川県足柄上郡中井町)
甲府東洋株式会社(山梨県中央市)
スルガ東洋株式会社(静岡県焼津市)
ヤイズ新東株式会社(静岡県焼津市)
株式会社いらご研究所(愛知県田原市)
ユタカフーズ株式会社(愛知県知多郡武豊町、東京証券取引所第2部上場)
ミツワデイリー株式会社(兵庫県神戸市東灘区)
株式会社シマヤ(山口県周南市、だしの素で有名)
伊万里東洋株式会社(佐賀県伊万里市)
マルちゃん誕生の経緯海外でのマルちゃんのロゴ
(このロゴマークは日本市場では1992年発売の「ホットヌードル〈初代〉」に唯一、採用された)
創業時は築地市場の屋号として、丸の中に社名の読みの頭文字“と”と 日の丸をモノグラム化したマークを使用した。数年間はこれを社章・商標としたが、幅広い層から親しみを得るため、現在の「マルちゃん」マークを考案した。マルちゃんは最初の屋号に由来する。最初期の 丸と、から マルト、マルトちゃん、マルちゃん、と変遷した[4]。
1986年3月にCIを導入して「マルちゃん」マークに加えてランドーアソシエイツに制作を依頼したTSマークを採用し、6月に「マルちゃん」マークの意匠を小変更した。TSマークは1986年1月からテレビCMで使用された。 (現在・一部抜粋・過去のものを含む)
主な食品
カップ麺
赤いきつね・緑のたぬきシリーズ(前者は1978年(昭和53年)8月に発売、後者は1980年(昭和55年)8月に発売。発売当初からCMに武田鉄矢を起用し、現在も出演中)
赤いきつね うどん
赤いきつね うどん でか盛(1989年(平成元年)発売。当初の商品名は「赤い大きつねうどん」だった)
赤いきつね 焼うどん(2017年6月12日発売。「赤いきつね」の風味はそのままに、焼うどんにアレンジしたもの)
赤いまめきつね うどん
赤いたぬき 天うどん (赤緑合戦 和解記念商品)
緑のたぬき 天そば
緑のたぬき 天そば でか盛(1989年発売。当初の商品名は「緑の大たぬき天そば」だった)
緑のまめたぬき 天そば
緑のきつね そば (赤緑合戦 和解記念商品)
黄色い博多ラーメン
黄色いまめとんこつ博多ラーメン
黒い豚カレーうどん
黒い豚カレー焼そば(2009年(平成21年)度から夏季限定商品として発売。赤いきつね・緑のたぬきシリーズ唯一のカップ焼そば)
白い力もちうどん
あつあつ豚汁うどん
あつあつ豚汁うどん でか盛(2015年11月16日発売)
あつあつ牛すきうどん
あつあつ牛すきうどん 大盛り縦型カップ(コンビニ専売)
紺のきつねそば
讃岐風天ぷらうどん
山菜乱切りそば
あつあつけんちん風うどん(2009年11月2日発売)
ほくほくのコロッケそば(2011年(平成23年)11月14日発売)
田舎風なめこおろしそば(2012年(平成24年)10月1日発売)
おそば屋さんのにしんそば(2014年(平成26年)10月20日発売)
濃厚ごま担々うどん(2014年(平成26年)10月20日発売)
青いちゃんぽん(2015年度期間限定商品)
旨みふぐだしうどん(2015年10月19日発売予定)
博多水炊き風鶏だしうどん(2015年10月19日発売)
クリーム色のもちカレーうどん(2016年度期間限定商品)
「和庵(なごみあん)」シリーズ(2008年(平成20年)1月発売。マルちゃん赤いきつねと緑のたぬきの廉価版にあたる商品で両者共にオープン価格となっており、当初は100円ショップでの販売が可能となっていた)
和庵 きつねうどん
和庵 天ぷらそば
和庵 肉うどん(2010年(平成22年)1月発売)
「麺之助(めんのすけ)」シリーズ(2023年(令和5年)9月4日発売。従来の「和庵」シリーズと「つるっとワンタン麺」シリーズ、「焼そば名人」シリーズなどの各種廉価版カップ麺シリーズをそれぞれ統合したシリーズ)
麺之助 きつねうどん
麺之助 小えび天そば
麺之助 すき焼き風うどん
麺之助 縦型 天ぷらうどん
麺之助 縦型 肉そば
麺之助 縦型 鴨だしそば
麺之助 ワンタン麺 中華そば
麺之助 ワンタン麺 鶏だし塩そば
麺之助 ワンタン麺 旨辛麺
麺之助 ソース焼そば(競合商品となる明星食品の「焼そばでっせ ソース味」同様、ふりかけのあおさを除くキャベツなどのかやくが一切入っていないのが特徴)
ホットヌードル(1992年(平成4年)発売。1991年(平成3年)以前の商品名は「L.Lヌードル」シリーズだった。