ホットスパー_(コンビニエンスストア)
[Wikipedia|▼Menu]
ホットスパーコンビニエンスネットワークスの店舗(ココストアイーストに転換)

ホットスパー(HOT SPAR)は、日本でかつてチェーン展開していたコンビニエンスストア

スパーは世界最大の食品小売チェーンであり、日本においても全国各地の卸売・小売業者により地区本部が設立され、食品スーパーマーケットなどが加盟店となり「SPAR」の看板を掲げた。

1985年(昭和60年)3月に関東地域スパー本部(現:ココストアイースト)がコンビニエンスストア業態の店舗名として「ホットスパー」の名を使い始め、他の地区本部もホットスパー店舗の運営に乗り出した。「ホットスパー」は日本独自のブランドで、日本以外のスパーは、日本のコンビニエンスストアに近い業態の店舗を「SPAR Express」などの店名で展開している。

なお、サッカーイングランド・プレミアリーグトッテナム・ホットスパーFCとの関係はない。
歴史
ホットスパーの誕生と展開

1977年(昭和52年)に発足した全日本スパーグループは、当初はボランタリー・チェーンとして、生鮮食料品を中心に扱う小型スーパーマーケット形態の店舗を展開していた[1]。一方、サニーマート1982年(昭和57年)に四国スパー本部としてスパー1号店を開店)[2]、寿屋(同年に全日本スパー本部に加盟)[3]平和堂は、展開当初からスパーをコンビニエンスストアとして出店していた[4]

1985年(昭和60年)3月、関東地域スパー本部(後のココストアイースト)がコンビニエンスストア業態のホットスパー1号店を開業させ[5]、同年11月に北陸スパー本部(現在のアルビス)が日本海酒販と共に北陸ホットスパーを設立して[6]から、コンビニエンスストア業態の店舗はホットスパーブランドとして展開された。

1986年(昭和61年)8月に、沖縄スパー本部株式会社がコンビニエンスストア・ホットスパーの1号店を開業[7]1984年(昭和59年)6月に株式会社ベルセンター(ジョイスの関連会社)によって設立された東北スパー株式会社[8][9]もコンビニエンスストア業態を中心に展開し[10]、宮城地区スパー本部株式会社も同様にコンビニエンスストア業態で展開したほか、東海地域スパー本部もスーパーマーケット業態と並行してコンビニエンスストアも出店した[11]

1993年(平成5年)4月1日にはコンビニエンスストア47店で加盟店売上高60億円を上げた[11]1996年(平成8年)6月に、従来スーパーマーケット業態のみを展開してきた甲信越地域スパー本部が新たにコンビニエンスストア事業部を設け、長野県長野市に1号店を開業した[12]。コンビニエンスストア業態で日本国内でのスパーの出店の中心的業態となり、1996年(平成8年)6月期の時点で、コンビニエンスストアは12地域本部合計2,236店(期中250店増)の78.3%を占めていた[10]
3大都市圏での弱さから店舗数の減少へ

首都圏スパー本部をカスミが買収して傘下に収めたものの、一部を除く東京圏では店舗展開があまり進まず、東京では低知名度に留まった。

中京圏でもトーカンが、ユニーやその子会社のサークルケイ・ジャパンが展開する大手コンビニエンスストアサークルKとの取引をメインとしており[13][14]、その子会社を通じてつくった関係から、1993年(平成5年)9月期末時点で48店舗に留まっていた[15]

大阪地区スパー本部は、ホットスパーの展開を行わなかった[16]。以上が要因となり3大都市圏の店舗展開で、ファミリーマートセブン-イレブンなどの大手チェーンに大きく差をつけられた。
カスミコンビニエンスネットワークの訴訟問題から店舗数の減少へ

中核企業であったカスミコンビニエンスネットワークが加盟店オーナーから起こされた訴訟の影響で、1996年(平成8年)当時上場していたコンビニエンスストア4社中唯一、上期の店舗の増加数が前年実績を下回った[17]1995年(平成7年)時点で約770店舗のうち約500店舗と店舗数の大半を占めていた[18]旧ボランタリーチェーン契約店を中心とした既存店に多大な影響を及ぼし、同期のチェーン全店の売上利益は共に微増に留まることになった[19]1998年(平成10年)2月期決算で既存店売上が約2.7%の減少[20]。閉店数が新規出店を上回る事態となり、店舗数も844店舗へ純減。約1.52億円の最終損失となって設立以来初の赤字に転じる状況に陥った[20]

翌年度1999年(平成11年)2月期も大手コンビニエンスストアチェーンの店舗開発が、カスミコンビニエンスネットワークの地盤である茨城県を含む北関東へ広がってきた影響を受け[21]、不採算店153店舗の閉鎖に追い込まれるなど、店舗数の純減が続いた[22]。そのため約70.71億円の最終損失という大幅な赤字で2期連続の赤字となった[23]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:92 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef