ホスファチジルコリン
識別情報
J-GLOBAL ID200907058535849623
ホスファチジルコリン(英: phosphatidylcholine, PC)とは、グリセロリン脂質の親水部としてコリンがリン酸エステル結合しており、疎水部としてグリセロール骨格に2つの脂肪酸がエステル結合した構造をしている、リン脂質の総称である。脂肪酸の組み合わせが多数あることからホスファチジルコリンに属するリン脂質は複数存在している。なお、かつてレシチンとホスファチジルコリンとが同一のものを指していた時期もあった。 脂肪酸1脂肪酸2リン脂質名 ホスファチジルコリンは、以下の経路(Kennedy pathway)で生合成される。コリン ⟶ {\displaystyle {\ce {->}}} ホスホコリン ⟶ {\displaystyle {\ce {->}}} CDP-コリン ⟶ {\displaystyle {\ce {->}}} ホスファチジルコリン ケネディ回路の詳細はWikipedia英語版en:CDP-choline pathway
構造ホスファチジルコリンの構造
ホスファチジルコリンの例
パルミチン酸オレイン酸POホスファチジルコリン
リノール酸リノール酸DLホスファチジルコリン
パルミチン酸パルミチン酸ジパルミトイルホスファチジルコリン
生合成経路
また、ホスファチジルコリンはホスファチジルエタノールアミンのメチル化によっても生合成される。エタノールアミン ⟶ {\displaystyle {\ce {->}}} ホスホエタノールアミン ⟶ {\displaystyle {\ce {->}}} CDP-エタノールアミン ⟶ {\displaystyle {\ce {->}}} ホスファチジルエタノールアミン ⟶ {\displaystyle {\ce {->}}} ホスファチジルコリン
ホスファチジルエタノールアミンのメチル化反応はホスファチジルエタノールアミン-N-メチルトランスフェラーゼによって触媒され、ホスファチジルエタノールアミン1分子とS-アデノシル-L-メチオニン3分子から、S-アデノシル-L-ホモシステイン3分子とホスファチジルコリン1分子を生成する。 ホスファチジルコリン含有量(USDAデータベース)より抜粋[1]食品名ホスファチジルコリン
摂取食品中のホスファチジルコリン含有量
含有量(mg/100g)
たまご
(全卵、生)240.0
パセリ
(スパイス、乾燥)72.0
鶏
(ブロイラ、肉、ロースト)54.0
鶏
(肝臓、ゆで)210.0
鶏
(肝臓、生)120.0
豚
(ベーコン、生)32.0
豚
(ベーコン、レンジ)89.0
豚
(挽き肉、生)45.0
豚
(挽き肉、調理済)59.0
えだまめ
(冷凍)43.0-46.0
アーモンド40.0
牛
(挽き肉、95%赤身、生)59.0
牛
(挽き肉、95%赤身、ゆで)72.0
牛
(肝臓、95%赤身、生)170.0
牛
(肝臓、95%赤身、調理)250.0
たら(北大西洋、調理済)33.0
サーモン
(北大西洋、養殖、生)22.0
サーモン
(北大西洋、養殖、調理済)37.0
ビーナッツバター
(スムースタイプ)38.0
ビーナッツ
(生)32.0
大豆(完熟種子、生)65.0
関連項目
リゾホスファチジルコリン(LPC) - 脂肪酸が1つしか結合していないホスファチジルコリン。
クリルオイル
リン脂質脂肪酸(PLFA) - Phospholipid-derived fatty acids
アスタキサンチン
ω-3脂肪酸
脚注^ “USDA Database for the Choline Content of Common Foods, Release 2 (2008)”. 2018年9月19日閲覧。
表
話
編
歴
脂質: リン脂質
グリセロリン脂質
(Glycerophospholipid)
極性基:ホスホコリン
(Phosphocholine)
グリセロホスホコリン(GPC)
リゾホスファチジルコリン(LPC)(英語版)
ホスファチジルコリン(PC)
エーテル型脂質
血小板活性化因子(PAF)
プラズマローゲン(PlsCho)
(KEGG C00958, 英語版)
極性基:ホスホエタノールアミン
(Phosphoethanolamine)
プラズマローゲン(PlsEtn)
(KEGG C04756, 英語版)
リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)(英語版)
ホスファチジルエタノールアミン(PE)英語版
極性基:イノシトールリン酸
(Phosphoinositol)
リゾホスファチジルイノシトール(LPI)(英語版)
ホスファチジルイノシトール(PI)
グリコシルホスファチジルイノシトール (GPI)
ホスホイノシタイド
Phosphoinositide
PIP
PIP2
PIP3
極性基:ホスホセリン
(Phosphoserine)
リゾホスファチジルセリン(英語版)
ホスファチジルセリン(PS)
極性基:ホスホグリセロール
(Phosphoglycerols)
リゾホスファチジルグリセロール(LPG)(Lysophosphatidylglycerol)
ホスファチジルグリセロール(PG)(英語版)
カルジオリピン(KEGG C05980, 英語版)
スフィンゴリン脂質
(Sphingophospholipid)
スフィンゴミエリン(SM)
関連物質
コリン (栄養素)
エタノールアミン
イノシトール
セリン
グリセロール
ホスホグリセロール
リゾホスファチジン酸 (LPA)
ホスファチジン酸 (PA)(英語版)
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