ホジキンリンパ腫
ホジキンリンパ腫の顕微鏡写真。
概要
診療科腫瘍学
分類および外部参照情報
ICD-10C81
ホジキンリンパ腫(ホジキンリンパしゅ、英: Hodgkin lymphoma、略称:HL)は、悪性リンパ腫の一分類で、病理組織学的にはホジキン細胞 (Hodgkin cell) あるいはリード=シュテルンベルク細胞(英語版)などを認める事が特徴的である[1]。
従来、ホジキン病 (Hodgkin’s disease、略称:HD) と呼ばれてきた病気である。名前は1832年にこの病気を発見したイギリスの医師トーマス・ホジキンにちなむ[2][3]。
症状には発熱、盗汗、体重減少がある。しばしば、首、脇の下、鼠径部に無痛性の肥大したリンパ節(英語版)を認める。この病気の患者は、疲労感や痒みを感じる[4]。
ホジキンリンパ腫のおよそ半分がエプスタイン・バール・ウイルス (EBV) を原因とするものである[5]。その他の危険因子としてはこの病気の家族歴やHIV/AIDSを有していることがあげられる[4][5]。ホジキンリンパ腫には古典的ホジキンリンパ腫と結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫(英語版)の2つの主要な種類がある[6]。診断はリンパ節中の多核化したリード=シュテルンベルク細胞といったホジキン細胞の確認による[4]。
ホジキンリンパ腫は化学療法、放射線療法、幹細胞移植によって治療される。治療の選択はしばしばがんの進行度合いと、治療に好ましい特徴を有しているかどうかに依存する[7]。病気の初期では、治癒がしばしば可能である[2]。米国における5年生存率は86%である[6]。20歳未満の患者では生存率は97%である[8]。しかしながら、放射線照射と一部の抗がん剤は、その後数十年に渡って、他のがんや心臓病、肺病の危険性を増大させる[2]。
疫学2004年におけるリンパ腫及び多発性骨髄腫による人口10万人あたりの年齢調整死亡率[9].mw-parser-output .refbegin{margin-bottom:0.5em}.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents>ul{margin-left:0}.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents>ul>li{margin-left:0;padding-left:3.2em;text-indent:-3.2em}.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents ul,.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents ul li{list-style:none}@media(max-width:720px){.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents>ul>li{padding-left:1.6em;text-indent:-1.6em}}.mw-parser-output .refbegin-100{font-size:100%}.mw-parser-output .refbegin-columns{margin-top:0.3em}.mw-parser-output .refbegin-columns ul{margin-top:0}.mw-parser-output .refbegin-columns li{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column} .mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{} データなし 1.8以下 1.8から3.6 3.6から5.4 5.4から7.2 7.2から9 9から10.8 10.8から12.6 12.6から14.4 14.4から16.2 16.2から18 18から19.8 19.8以上
発生率が年齢とともに増加する非ホジキンリンパ腫とは異なり、ホジキンリンパ腫では国籍により若干の差異はあるものの、15歳から35歳までの青年層と55歳以上の2つの年齢層でピークがある。女性の方がわずかに多い結節硬化型を除き、全体的に男性の方が多く罹患する。ホジキンリンパ腫の年間発生率は人口10万人あたり2.7人であり、すべての癌のわずか1%未満である。
ホジキンリンパ腫の発生率はHIVに感染した患者で増加する。HIVの感染に関連する他の多くのリンパ腫とは対照的に、CD4陽性T細胞の数が多い患者で最も発生しやすい。
2013年には、約72万5千人がホジキンリンパ腫を患っており、2万4千人が死亡した[10][11] 。米国では、人口の0.2%が生涯のどこかの時期にホジキンリンパ腫を患う。日本は全悪性リンパ腫の約10%で、世界全体としては少ない。
症状