ハリー・ポッターシリーズの地理では、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズおよび、その派生作品の舞台となる場所について記述する。
ホグワーツ魔法魔術学校ユニバーサル・オーランド・リゾートのウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッターにおける映画『ハリー・ポッター』シリーズのホグワーツを模したアトラクションの外観
アニック・カースル(左)とダラム大聖堂(右)。映画シリーズにおけるホグワーツのおもなロケーション撮影地。
主人公のハリー・ポッターが入ることになる、7年制・全寮制の魔法学校。生徒数はおよそ1000人[1]。ゴドリック・グリフィンドール、ヘルガ・ハッフルパフ、ロウェナ・レイブンクロー、サラザール・スリザリンの4人の魔法使いによって、993年ごろに創設された。場所はイギリスのスコットランドとされる[2][3]。最寄駅はホグズミード駅。城の敷地には、マグルが近づくと廃墟に見える魔法が掛けられている。世界一安全と評される古代魔法の牙城でもあり、作中ではヴォルデモートですらホグワーツへの侵攻には時間を要する。
敷地内には、校舎兼生活施設であるホグワーツ城、禁じられた森、広大な面積を有する湖などがある。ホグワーツ城の内部は、勝手に動いたり特定の曜日に行き先がかわる階段、隠し通路、隠し部屋、合言葉が必要な寮の談話室などの特殊な仕掛けが満載されている。また、教職員も知らない通路などがある。加えてそもそもレイブンクローが設計したホグワーツの間取りは常に変化しており、部屋はどこからともなく現れ、どこからともなく消える。あらゆることが魔法で管理されているため、17世紀に施工された水道をのぞけば、各種マグルのライフライン(電気・ガスなど)は通っていない。またホグワーツの空間自体に多くの魔法が掛かっているため、城内で電気で駆動する精密機械を正常に使用することはできない。城内の案内図については、学校公認のものが存在するような描写はないが、4名の生徒が魔法を駆使して私的に作った一点物の魔法道具「忍びの地図」がある。この「忍びの地図」には、教職員も知らない隠し通路も詳細に描かれている。
運営形態はイギリスのパブリックスクールやグラマースクールをモチーフにしていると推測されており[4]、随所に類似点、共通点が見られる。パブリックスクールに存在するような特別行事も設けられており、各寮の2年生以上の選抜対象生徒によるクィディッチの寮対抗トーナメント、生徒の成績や態度などによって得点が加減される寮対抗杯、3年生以上のホグズミードへの週末外出などが存在する。朝・昼・晩の食事は大広間内の寮別(職員は職員用)のテーブルで、それぞれ食事をとる。形式はテーブル上の皿に盛られた各料理を、取り皿に自分で自由に取って食べる食べ放題式。食事を大広間の外に持ち出したり、寮や医務室などに菓子などを持ち込んだりするのは、とくに注意を受ける描写はない。
制服としては、基本的には黒無地のローブと黒無地の三角帽の着用が義務付けられている。原作者の直筆イラストでは、ローブは踝丈のワンピースのような形状で、帽子は頭の2倍ほどの長さがある[5]。映画版では、三角帽のフチがなくなり、生徒はローブの下に英国のパブリック・スクールの制服に類似した衣服を着用しているが、このような服も制服であるとは原作で言及されたことは一度もなく、映画内においても明確に言及されていない。
寮4寮それぞれのシンボル
創立者名が由来の「グリフィンドール」「ハッフルパフ」「レイブンクロー」「スリザリン」の4つの寮が存在する。入る寮は、4人の創立者が魔法によって知恵を吹き込んだ「組分け帽子」が決定する。生徒が組分け帽子を被ると、生徒の重視する徳目、資質、希望などを組分け帽子が考慮し、最適の寮への組分けを行う。生徒はそれぞれの寮に分かれて生活し、同学年で同寮の生徒たちをひとつのクラスとして授業を行なう。1クラス36人では人数が少なすぎるため、授業の大半は他寮の同級生との合同授業となる。なお、「男は女より信用できない」という時代に建てられた建物のため、女子は男子部屋には行ける(一応規則では禁じられている)が、男子が女子部屋には侵入できないようセキュリティが掛けられている。作中ではグリフィンドール寮のみこのことが描写されたが、ゲーム「ホグワーツ・レガシー」では他3寮でも同様であることが判明。グリフィンドール・スリザリン・ハッフルパフでは男子が女子部屋へと続く階段を上ろうとすると階段のステップが閉じて斜面と化し、上まで登れなくなる。レイブンクローでは階段入口の騎士像が通せんぼしてくる。
グリフィンドール寮
創設:ゴドリック・グリフィンドール
場所:東塔