ホオズキ
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藍坊主の楽曲については「ココーノ」をご覧ください。

桑田佳祐の楽曲については「ごはん味噌汁海苔お漬物卵焼き feat. 梅干し」をご覧ください。

神山羊の楽曲については「鬼灯 (神山羊の曲)」をご覧ください。

ホオズキ
ホオズキの実
分類

:植物界 Plantae
:被子植物門 Magnoliophyta
:双子葉植物綱 Magnoliopsida
:ナス目 Solanales
:ナス科 Solanaceae
:ホオズキ属 Alkekengi
:ホオズキ(母種) Alkekengi officinarum

学名
Alkekengi officinarum Moench var. franchetii (Mast.) R.J.Wang (2014)[1]
シノニム


Physalis alkekengi L. var. franchetii (Mast.) Makino (1907)[2]

Physalis glabripes Pojark. (1954)[3]

Physalis angulata L. var. glabripes (Pojark.) Grubov (1970)[4]

Physalis alkekengi L. var. bunyardii Makino (1926)[5]

和名
ホオズキ(鬼灯、酸漿)
タンバホオズキ[1]、カガチ、ヌカヅキ
英名
Chinese lantern plant

ホオズキ(鬼灯、鬼燈、酸漿)は、ナス科ホオズキ属の一年草または多年草[6]。またはその果実。カガチ、ヌカヅキともいう。丹波ホオズキなどともよばれる[7]
概要

従来のホオズキ属(Physalis)はアメリカ大陸アジアヨーロッパに100種あまりが存在する[6]。2016年、遺伝子分析からホオズキは Physalis属から独立し、従来の種小名を属名とした新たな学名が与えられた[8]。これに伴い、ホオズキ属はホオズキのみの単型となった。

ホオズキ (Alkekengi officinarum var. franchetii) は日本の北海道、本州、四国などを原産地とする一年草または多年草である[6]。草丈は60センチメートル (cm) から80 cm位になる。淡い黄色の花を6月から7月ごろに咲かせる。この開花時期に合わせて日本各地で「ほおずき市」が開催されている。開花と果実の見頃を含めると6 - 9月。花の咲いた後に六角状の萼(がく)の部分が発達して果実を包み袋状になり、熟すとオレンジ色になる。 この際、ホオズキは萼が赤くなる[7]

本種を含む日本在来種のホオズキは観賞用として栽培され、普通は食用にされることはない[7]第二次世界大戦前の東京ではホオズキは青物類として青果市場で販売されていたが、1941年にホオズキに公定価格が設定された際に花卉類に分類された[9]

一般的に栽培されているホオズキには毒性があり、食用にしてはならない。特に妊娠中の女性が摂取すると子宮収縮作用で流産を誘発するおそれがある。

近縁種のPhysalis属には食用に適した種があり、ショクヨウホオズキ(英語版)やブドウホオズキ[7](シマホオズキ等の名で呼ばれる)、オオブドウホオズキ(トマティーヨ)などは口にしても問題ない。

ホオズキは、鉢植えやドライフラワーなどに用いられ、その愛好家も多い。通常は観賞用だが、果実はホオズキ人形にしたり、中身を取り除いて口に含んで音を鳴らす、風船のように膨らませる[10]など子供の遊びに使われていた[6]

ニジュウヤホシテントウの寄主植物の一つで、葉にはルテオリン7?O?グルコシドという摂食刺激物質を含んでいる[11]
名称

「ほほづき」の名は、その実の赤くふっくらした様子からを連想したもの(「づき」は「顔つき」「目つき」の「つき」か)という[12]。同じく赤い果実から「ほほ」は「火々」であり「つき」は染まる意味であるともいう[6]。また果実を鳴らして遊ぶ子供たちの様子から「頬突き」の意であるともいう[6][12]。ほかにはホホ(?、カメムシの類)という虫がつくことを指すとする説もある[12]。ちなみに、ホオズキにしばしば群生するヘリカメムシ科のカメムシは、今日ホオズキカメムシとの和名を与えられている。

漢字では「酸漿」のほか「鬼灯」「鬼燈」とも書く。中国の方言では酸漿の名のほかに「天泡」(四川)「錦燈籠」(広東、陝西)「泡々草」(江西)「紅姑娘」(東北、河北)などとも言い、英語では Chinese lantern plant ともよばれている。

古語では「赤加賀智(アカガチ)[6]」「輝血(カガチ)」「赤輝血(アカカガチ)」とも呼ばれていた。八岐大蛇のホオズキのように赤かった目が由来とされている。
栽培

種や株分けで増やすことができるが、ナス科植物との連作障害があり、連作障害は不完全菌のバーティシリウム ダーリエ(Verticillium dahliae)[13]によって生じる。
薬効・毒性

地下茎および根は酸漿根(さんしょうこん)という生薬名でよばれている。

ナス科植物の例に漏れず、全草に微量のアルカロイドソラニンが含まれている。特に酸漿根の部分には子宮の緊縮作用があるヒストニンが含まれており、妊娠中の女性が服用した場合、流産の恐れがある。

平安時代より鎮静剤として利用されており、江戸時代には堕胎剤として利用されていた。現在も、解熱、冷え性などに効果がある民間薬として、全草を干して煎じて飲む風習がある地方が存在する。 
文化
鬼灯

日本の仏教習俗であるお盆では、ガクに包まれたホオズキの果実を死者のを導く提灯に見立て、枝付きで精霊棚(盆棚)に飾る。ほおずきに「鬼灯」の字を当てるのは、盆に先祖が帰ってくるとき目印となる提灯の代わりとして飾られたことに由来する[6]
ほおずき市

歴史的には「ほおずき市」は東京都港区愛宕神社の縁日に由来するといわれている[6]。愛宕神社の縁日では「ほおずきを水で鵜呑みにすると、大人は癪(しゃく)を切り、子供は虫の気を去る」と言われていた[6]

東京都台東区浅草寺の「ほおずき市」は特に有名になっている[6]


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