ホウネンエビ
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ホウネンエビ
ホウネンエビ
分類

:動物界 Animalia
:節足動物門 Arthropoda
亜門:甲殻亜門 Crustacea
:鰓脚綱 Branchiopoda
亜綱:サルソストラカ亜綱
Sarsostraca
:無甲目(ホウネンエビ目)
Anostraca
:ホウネンエビ科
Chirocephalidae
:ホウネンエビ属 Branchinella
:ホウネンエビ
B. kugenumaensis

学名
Branchinella kugenumaensis
(Ishikawa, 1895)
和名
ホウネンエビ
英名
Fairy shrimp

ホウネンエビ(豊年蝦)は、水田などに発生する小型の甲殻類である。タキンギョ、オバケエビなどとも呼ばれる。
特徴

ホウネンエビは、節足動物門 甲殻亜門 鰓脚綱(ミジンコ綱)サルソストラカ亜綱 無甲目(ホウネンエビ目)に属する小型の動物である。日本では初夏の水田で仰向けに泳いでいるのがよく見かけられる。

体は全体的に細長く、体長は15 - 20ミリメートル程度。身体を支えるような歩脚をもたず、分類名が示すように鰓脚と呼ばれる呼吸器を備えた遊泳脚のみをもつ。体色は透明感のある白色だが、緑を帯びた個体、青みを帯びた個体も見られる。頭部には左右に突き出した1対の複眼と触角、口器をもつ。第一触角は糸状で頭部の前方へ短く伸びる。第二触角は雌では小さく、雄では繁殖時に雌と連結するための把握器として大きく発達している。雄の頭部の大きさの半分程もあるので、雌雄の区別は一目で分かる。

頭部に続く体は多数の鰓脚をもつ胸部と、鰓脚のない腹部に分かれる。胸部は10節以上あり、各節に1対ずつほぼ同じような形状の鰓脚がつく。雌では胸部の最後部にの入る保育のうがあり、腹部に沿って突出する。腹部は細長く、最後に一対の尾叉がある。尾叉は木の葉型で平たく、鮮やかな朱色をしている。

通常は腹面を上に向けた仰向けの姿勢で、水面近くや中ほどの位置でその姿勢を保ってあまり動かないか、ゆっくりと移動しているのがみられる。常に鰓脚を動かし、餌は鰓脚を動かした水流で、腹面の体軸沿いに植物プランクトンなどの有機物を含む水中の懸濁物を口元に集めて摂食している。外敵が近づいた時などには瞬間的に体を捻って、跳躍するように水中を移動することがある。その行動は素早く、また体色が周囲に紛れやすいことから、捕獲は意外と難しいが、走光性があるので、夜に照明を当てると比較的容易に捕獲できる。
生活史

水田の土中で休眠していた卵は春、水が張られた後水温が上昇すると一斉に孵化する。最初の幼生はノープリウスと呼ばれる形態で体長1ミリメートルたらず、やや赤みを帯びた体色で、三対の付属肢をもつ。その後幼生は脱皮を繰り返し、次第に体節と鰓脚を増やし細長く成長すると同時に、遊泳に用いられた第二触角は小さく目立たなくなって、成体と同じ姿となる。

繁殖時には、雄は雌の後方から追尾し、把握器を伸ばして雌と連結する。把握器の先端は枝状に分かれた複雑な形状になっており、雌の身体に雄の身体をしっかりと固定することができる。雌を把握した雄は体を曲げて交接し、その後もしばらく連結したままで生活する。受精卵は保育のうに保持された後水底にばら撒かれ、成体はその後死亡する。卵はすぐに孵化することはなく、土中で卵の状態のまま翌年春の孵化に好都合な環境になるまで休眠し、秋冬季の乾燥と低温に耐える。この卵はそのような悪条件下でも長期生存が可能であり、このような特徴を「クリプトビオシス」とよぶ。この性質は、クマムシネムリユスリカなどと同様に二糖類のトレハロースを含有することが深く関与している。
名称など

和名のホウネンエビは豊年蝦の意味で、これがよく発生する年は豊年になるとの伝承に基づく。ホウネンウオ、ホウネンムシの名も伝えられる。ホウネンエビの名は、上野益三が本種を図鑑に収録する際に、ホウネンウオの名を元にして、ではないからと蝦に変えたものらしい(参考文献の上野(1973)にその旨の記述がある)。地域によってはタキンギョ(田金魚)という呼び名もあるようである。尾が赤いのを金魚にたとえたことによるらしい。

近年[いつ?]では子供たちからオバケエビ(お化け蝦)と呼ばれていることもある。これは、その姿からの連想と共に、子供向けの科学雑誌が、アルテミアの飼育セットを販売する際にこれを「オバケエビ」と呼んだことに基づくようである。英名のFairy shrimpもこれに通ずるものがある。兵庫の地方では、メロンスイスイ、レモンスイスイ、エビフライとも呼ばれている。

ホウネンエビの学名は「Branchinella kugenumaensis (Ishikawa, 1895) 」といい、農科大学(帝大農学部の前身)の石川千代松博士が命名した。明治25年(1892年)7月から8月にかけて神奈川県高座郡鵠沼村(現藤沢市鵠沼地区)の海岸の砂地に、雨で一時的に出来た水溜まりで、同じ鰓脚綱のミスジヒメカイエビと一緒に発見され、『動物学雑誌』第7巻(1895年)に英文で報告されている。石川が記載した学名は最初「Branchipus kugenumaensis」だったが、その後「Branchinella kugenumaensis」と属名が変更された。属名の「Branchinella」は「鰓脚(さいきゃく)類の」という意味で、このホウネンエビが「鰓(えら)状の脚」をもっていることを示している。なお、中国ではこの学名から「鵠沼枝額蟲」とも呼ばれている。
利用、生活との関わり

水産上の利用はなく、同所的に生息する同じ鰓脚綱カブトエビ類が水田の除草役とされる事があるのとはちがい、農業に有用な動物として利用されることもないが、人やイネに害を与えることもない無害な生物である。

このように、人間との関わりのほとんどない小動物であるが、水田に多数発生しその姿が興味を引いたためか、前述のように各地に呼び名が残るなど古くから存在は知られていた。江戸時代には観賞用に取引されたこともあったようだが、寿命が短いので採集して水槽にいれても長くは観賞できない。ただし現代では、卵が乾燥に耐える性質を利用して、前述のアルテミアやカブトエビ同様、乾燥卵を梱包した飼育キットが玩具として販売されることがある。
無甲目(ホウネンエビ目)について

ホウネンエビ(Branchinella kugenumaensis)は無甲目ホウネンエビ科に属する。この目には、他にアルテミアなども含まれる。日本にはホウネンエビが最も広く分布しており、他にキタホウネンエビ Circephalopsis uchidai Kikuchiが北海道から知られている。海外では温帯を中心に多くの種があり、アメリカでは、分布域の狭い種などに絶滅を危惧されているものがある。

共通する性質として、魚類の生息しない、時折干上がるような浅い池や一時的な水たまりに生息する。中には数年に一度しか雨が降らない場所で見られる種もあり、有名な生息場所として、オーストラリアにあるウルル(エアーズロック)頂部の窪みで、水たまりができて、干上がるまでの間に、孵化から産卵までを済ませてしまうものが挙げられる。

ほとんどの種は日本のホウネンエビ同様に水中の懸濁物を摂食する小型の濾過食者だが、北アメリカに住むBranchinecta gigasは体長が10cmにも達し、同所的に生息する他種のホウネンエビ類や小型の無脊椎動物を食べる捕食者である。
参考文献

岡田要『新日本動物図鑑』図鑑の北隆館、1976年。 

上野益三『日本淡水生物学』図鑑の北隆館、1973年。 

関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、無甲目に関連するカテゴリがあります。

アルテミア

ザ!鉄腕!DASH!!(2020/7/26)

外部リンク

ホウネンエビ類 農林水産省

奥田隆、渡邊匡彦、黄川田隆洋「クリプトビオシス : 驚異的な乾燥耐性をもつ生き物たち」『生物物理』第44巻第4号、日本生物物理学会、2004年7月25日、172-175頁、doi:10.2142/biophys.44.172、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}NAID 110001158646。


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