ペンギン・ハイウェイ
ジャンルSF(サイエンス・ファンタジー)
小説
著者森見登美彦
イラストくまおり純(単行本、角川文庫)
ぶーた(角川つばさ文庫)
出版社角川書店、KADOKAWA
レーベル角川文庫
角川つばさ文庫
発行日2010年5月29日(単行本)
2012年11月25日(角川文庫)
2018年6月15日(角川つばさ文庫)
発売日2010年5月29日(単行本)
2012年11月22日(角川文庫)
2018年6月15日(角川つばさ文庫)
オーディオブック
制作KADOKAWA
販売元アマゾンジャパン
レーベルAudible
発売日2017年3月3日
収録時間9時間30分
その他ナレーション:安國愛菜
映画
原作森見登美彦
監督石田祐康
脚本上田誠(ヨーロッパ企画)
キャラクターデザイン新井陽次郎
音楽阿部海太郎
『ペンギン・ハイウェイ』は、森見登美彦の小説。2010年5月、角川書店から刊行。第31回日本SF大賞受賞作[1]。2018年にアニメ映画化[2]。 小学4年生の男子・アオヤマの住む街で、ある日突然、ペンギンの群れが出現する怪事が起こり始めた。ペンギンの正体と彼らの目指す先について「ペンギン・ハイウェイ研究」を始めたアオヤマは、顔なじみの歯科医院のお姉さんがペンギンを出現させる瞬間を目撃する。だが、なぜペンギンを出せるのかは、お姉さん自身にも分かっていなかった。 ペンギンの出現法則を解明しようとお姉さんと実験する一方、アオヤマは友人の男子・ウチダ、同じクラスの女子・ハマモトとの3人で、ハマモトが発見した森の奥の草原に浮かぶ謎の球体〈海〉についての共同研究を始める。やがてアオヤマは、〈海〉とペンギンとお姉さんの奇妙な関連性に気づく。 舞台は、筆者の出身地である生駒市の北東部(北大和・真弓周辺)であり、映画版においては小学校や歯科医院など実際の建物と酷似する建物の描写がある。
あらすじ
主な登場人物
アオヤマ
本作の主人公。小学4年生の男子。何でも実験しないと気がすまない(熱が出てもお構い無しに研究を続けようとするほどの)研究者気質で、「スズキ君帝国」「プロジェクト・アマゾン」「お姉さん」「妹わがまま記録」などの研究をノートにまとめている。常に冷静で大人びているが強情で見栄っ張り。女性の胸に多大な関心を持ち、本人曰く「毎日ほんの30分ぐらい」胸のことを考えている。頭の良さを過信することはない。恋愛に関してはにぶい。踊るとロボットみたいになる。両親と妹と4人暮らし。街に突然現れるようになったペンギンたちの謎に興味を持ち、「ペンギン・ハイウェイ研究」を始める。
お姉さん
アオヤマが通う歯科医院で歯科助手として働く、気さくでどこかミステリアスな女性。普段から男性語を多用している(「○○だな」「○○だぞ」など)。海辺の町出身で1人暮らし。歯科医院の近くにある「海辺のカフェ」で、週に1回アオヤマにチェスを教えているほか、様々な場面においてアオヤマに助言するが、時にアオヤマの見栄っ張りに呆れることもある。ペンギンを出す能力のほかに街から離れると体調を崩したり食事を一切とらなかったりするなど謎めいた面が多いが、その理由は終盤で判明する。
ウチダ
アオヤマの男子クラスメイト。眼鏡をかけている。アオヤマと探検隊を組織し、2人で街の秘密地図を作ったり、水路の水源をたどる「プロジェクト・アマゾン」を実施したりしている。内気でアオヤマほど口達者ではないが、宇宙や死に関してはアオヤマを超える知識や独自の知見を持つ。時に大胆な言動をすることもある。運動神経はあまり良くないが逃げ足は速い。
ハマモト
アオヤマの女子クラスメイト。明るい栗毛。頭が良く自信家で、チェスが好き。冷静に物事を判断するが、感情的になる場面もある。物語開始時点ではアオヤマとほとんど話したことがなかった。森の奥にある草原で謎の球体を発見し、誰も近づかないようにこわい噂を流した上で、〈海〉と名付けて1人で研究するなど、アオヤマたちに負けず劣らずの研究者気質を持っている。
スズキ
アオヤマの男子クラスメイト。声が大きく、乱暴な言葉遣いをするクラスのガキ大将。クラスの男子を絶対服従させており、アオヤマはその様子を「スズキ君帝国」と名付けている。そのわんぱくぶりにはクラスメイトも呆れている。実はハマモトのことが好きだが、素直になれずちょっかいを出すことで接点を作ろうとするツンデレな一面もある。
コバヤシ
アオヤマの男子クラスメイト。スズキの配下。スズキに振り回されることも多い。
ナガサキ
アオヤマの男子クラスメイト。スズキの配下。スズキに振り回されることも多い。
アオヤマの父
会社員。アオヤマにノートの書き方を教えた。息子の研究を温かく見守り、ときに思考のヒントを与える。アオヤマが素直になれる数少ない人物。
アオヤマの母
専業主婦。アオヤマの実験を見守っているが、無謀な実験には反対している。
アオヤマの妹
小学生(学年は不明)。わがままな性格。
ハマモトの父
大学の先生。大気の研究をしている。甘い物が好きでアオヤマと同じ歯科医院に通っており、お姉さんとは知り合い。
刊行情報
単行本 - 角川書店、2010年5月、ISBN 978-4-04-874063-0
文庫本
角川文庫、2012年11月、ISBN 978-4-04-100561-3