ペリェシャツ橋
[Wikipedia|▼Menu]

ペリェシャツ橋
Pelje?ki most

通行対象自動車専用道路(2車線)
交差ネレトヴァ海峡 / マリ・ストン湾
所在地 クロアチアドゥブロヴニク=ネレトヴァ郡
特性
形式斜張橋
全長2,404メートル (7,887 ft)
幅23.6メートル (77 ft)
高さ98メートル (322 ft)
最大支間長5 x 285メートル (935 ft)
桁下高55メートル (180 ft)
設計寿命100年
歴史
設計者マルヤン・ピペンバハー
施工者中国路橋建設
建設開始2018年7月30日
完成2022年7月26日
建設費42億300万?
開通2022年7月26日[1][2]
橋の位置
テンプレートを表示

ペリェシャツ橋(ペリェシャツばし、クロアチア語: Pelje?ki most, 発音: [p??e?ki? mo?st])[3][4]は、クロアチアドゥブロヴニク=ネレトヴァ郡にある斜張橋である。

ボスニア・ヘルツェゴビナ領の短い海岸部であるネウムを迂回し、クロアチア南東部の飛び地であるドゥブロヴニク地方と本土とを結ぶ役割を果たす。橋は本土側のコマルナとペリェシャツ半島とを隔てる海峡上に架けられており、これによりボスニア・ヘルツェゴビナ領を通らず、クロアチア国内で完結した移動が可能となった。2018年7月30日着工、2021年7月28日竣工[5][6]、翌年7月26日に開通した[7][8][9][10][11][12]。ただし、ストンを迂回する道路が完成する2023年まで、大型トラックや危険物を積んだトラックは通れない状態である[13]
構造

2007年当初の設計では、主径間は568mであったが[14]、後に修正され、複数径間で全長2,404mの斜張橋として建設されることとなった。全部で13の径間からなり、そのうち7つが斜張橋、中央の5径間が各285m、外側の2径間が各203.5mである。幅200m、高さ55mで設定された航路を挟む2本の主塔は、海面からの高さ98m、海底からの高さ222mである[15][16][17]。設計は、スロベニアのマルヤン・ピペンバハーによる。

橋の両側にはアクセス道路が整備されており、ペリェシャツ半島側には2本のトンネル(全長2,467m、499m)と2本の橋(全長420m、131m)が存在する。

最後の桁の取り付け(2021年7月)

桁とケーブル(2021年7月)

経緯
背景クロアチアの海岸線を分断するボスニア・ヘルツェゴビナ領のネウム(赤)

クロアチアの海岸線は、ボスニア・ヘルツェゴビナ領唯一のアドリア海の出口となる町、ネウムによって分断されており、したがってダルマチア地方最南部の飛び地とクロアチア本土との地理的な隣接は、クロアチア領海に限定される。1996年、ボスニア・ヘルツェゴビナとクロアチアの両国は、ネウムの自由な通行を認めるネウム協定に署名したが[18]、これが批准されることはなかった。そのため、ネウム回廊を通過する場合、入国や税関のチェックが必要となり、ドゥブロヴニク側の飛び地からクロアチア本土に向かう場合、わずか9kmの間で2つの国境検問を受けなければならない。

また、クロアチアはEU加盟を果たしており、2023年にはシェンゲン圏への編入が予定された。[19]。何も対策せずに施行された場合、シェンゲン国境法により、入国だけでなく出国時にも審査を要求されるため、より通過に時間がかかることが予想された。すなわち、ドゥブロヴニクからクロアチア本土へネウム経由で行く場合、クロアチア(シェンゲン圏)出国審査、ボスニア・ヘルツェゴビナ入国審査、クロアチア(シェンゲン圏)入国審査と、3つの検問を通過する必要が出てくるのである。
最初の着工と中断2020年6月における建設地橋とアクセス道路

橋の建設は、1997年、ドゥブロヴニク=ネレトヴァ郡の知事であった、クロアチア社会民主党(SDP)のイワン・シュプリェが公式に提案した。当時の与党であるクロアチア民主同盟(HDZ)は当初この案を否定したが、1998年にはHDZの国会議員、ルカ・ベビッチが支持を表明した。2000年、郡の将来計画にも橋の構想が取り入れられ、建築計画が作成された[20]

プロジェクトは、2005年11月に開始され、当時の首相イーヴォ・サナデルが起工式を行った[20]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:63 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef