ペラン数
[Wikipedia|▼Menu]

ペラン数(: Perrin number)とは、以下の漸化式で定義される数である。

P ( 0 ) = 3 , P ( 1 ) = 0 , P ( 2 ) = 2 , P ( n ) = P ( n − 2 ) + P ( n − 3 ) , n > 2 {\displaystyle {\begin{aligned}&P(0)=3,P(1)=0,P(2)=2,\\&P(n)=P(n-2)+P(n-3),n>2\end{aligned}}}

また、これによって得られる以下の数列をペラン数列と呼ぶ。3, 0, 2, 3, 2, 5, 5, 7, 10, 12, 17, 22, 29, 39 ... (オンライン整数列大辞典の数列 A001608)

n-頂点の閉路グラフにおける異なる極大独立集合の個数はn番目のペラン数となる[1]
歴史

1878年にはエドゥアール・リュカ[2]、1899年にはR. Perrin が[3]この数列について言及している。1982年にはAdamsとShanksがこの数列について詳しく調べ、ペラン数列と名付けた[4]



母関数

ペラン数列の母関数は以下のようになる。 G ( P ( n ) ; x ) = 3 − x 2 1 − x 2 − x 3 {\displaystyle G(P(n);x)={\frac {3-x^{2}}{1-x^{2}-x^{3}}}}
行列形式 ( 0 1 1 1 0 0 0 1 0 ) n ( 2 0 3 ) = ( P ( n + 2 ) P ( n + 1 ) P ( n ) ) {\displaystyle {\begin{pmatrix}0&1&1\\1&0&0\\0&1&0\end{pmatrix}}^{n}{\begin{pmatrix}2\\0\\3\end{pmatrix}}={\begin{pmatrix}P\left(n+2\right)\\P\left(n+1\right)\\P\left(n\right)\end{pmatrix}}}
Binetの公式

ペラン数は、以下の方程式の解の累乗を用いて表すことが出来る。 x 3 − x − 1 = 0 {\displaystyle x^{3}-x-1=0}

この方程式は3つの解を持ち、1つは実数解(p とする、プラスチック数と呼ばれる)、2つは複素共役な解(q, r とする)である。これらを用いて、フィボナッチ数列におけるBinetの公式と同様の公式を得ることが出来る。 P ( n ) = p n + q n + r n {\displaystyle P\left(n\right)={p^{n}}+{q^{n}}+{r^{n}}}

複素解 q, r の絶対値は1より小さいので、 n を大きくすれば q^n, r^n は0に近づく。従って、十分大きな n に対しては、公式は以下のように簡略化出来る。 P ( n ) ≈ p n {\displaystyle P\left(n\right)\approx {p^{n}}}

この公式は、大きな n に対してペラン数を高速に計算するのに用いられる。ペラン数列の連続する項の比は p 、つまりプラスチック数に近づき、その値はおおよそ 1.324718 である。ペラン数列・パドヴァン数列におけるプラスチック数は、フィボナッチ数列における黄金比や、ペル数における白銀比に対応するものとなっている。
乗法公式

Binetの公式を用いて、 G(kn) を G(n?1), G(n) , G(n+1) で表すことが出来る。 G ( n − 1 ) = p − 1 p n + q − 1 q n + r − 1 r n G ( n ) = p n + q n + r n G ( n + 1 ) = p p n + q q n + r r n {\displaystyle {\begin{matrix}G(n-1)&=&p^{-1}p^{n}+&q^{-1}q^{n}+&r^{-1}r^{n}\\G(n)&=&p^{n}+&q^{n}+&r^{n}\\G(n+1)&=&pp^{n}+&qq^{n}+&rr^{n}\end{matrix}}}


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:27 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef