ペプチド合成
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ペプチド合成(ペプチドごうせい、: peptide synthesis)とは、ヒトが設計した通りのアミノ酸配列を持つペプチドを合成する手法のことである。 ペプチド合成の方法論

ペプチド合成の手法の1つとして、まず純粋に有機合成化学の手法によって合成する方法がある。この方法では天然には存在しないアミノ酸等の構成ユニットを持つペプチドを合成することが可能である。

また、生体内ではDNARNA転写され、さらにRNAが翻訳されることによって、設計図であるDNAに記録されている通りのアミノ酸配列を持つペプチドが生合成されている。そのため、望みのアミノ酸配列に対応するDNAを細胞に導入してやれば、この生体内のペプチド合成機構を利用して、望みのアミノ酸配列を持つペプチドを合成させることができる。この方法は遺伝子工学を利用して行なわれる。望むペプチドを産生する細胞を増殖させることができるため、この方法はペプチドの量産化に向いている。
目次

1 歴史

2 有機合成化学的ペプチド合成

2.1 アミノ酸の保護

2.1.1 アミノ基の保護基

2.1.2 カルボキシ基の保護

2.1.3 その他の官能基の保護


2.2 カルボキシ基の活性化とペプチド結合の形成

2.2.1 縮合剤によるペプチド形成

2.2.2 活性エステルによるペプチド形成

2.2.3 混合酸無水物法

2.2.4 環状ペプチドの形成

2.2.5 ライゲーション

2.2.6 歴史的なペプチド結合の生成法

2.2.6.1 フィッシャーのペプチド合成

2.2.6.2 N-カルボキシアミノ酸無水物の重合

2.2.6.3 アジド法



2.3 固相ペプチド合成


3 遺伝子工学的ペプチド合成

3.1 DNA断片の調製

3.2 ベクターの組み換え

3.3 ベクターの取り込み

3.4 取り込んだ細胞の選別

3.5 ペプチドの回収


4 註・出典

歴史

古くは、1870年代にSchallらが行ったアスパラギン酸の熱重合によるポリペプチド様物質の合成が知られている。1907年エミール・フィッシャーらはグリシンとロイシンから成るオクタペプチドを合成している。後述のように単に遊離アミノ酸を縮合しても二量体であるジケトピペラジン体が生成するだけなのでペプチドを合成したというのは一つの成果である。しかしこの頃の合成ではペプチドの一次配列の長さや順序はランダムでありオリゴペプチドを生成したという以上の意味を持たなかった。

一次配列の確定したペプチドを合成するには後述のように保護基を用いた逐次的ペプチド鎖延長する合成手法が必要である。1932年にBergmannはアミノ基保護基としてベンジルオキシカルボニル基(Cbz基、Z基)を開発することで一定配列のペプチドを合成した。Bergmannらは後にこの一次配列が確定したリジン合成ペプチドを用いて酵素トリプシンの基質特異性の研究で成果をあげることになる。

1950年代以降から1980年代まではペプチド液相法が発展を続け1953年にdu Vignwuadによりペプチドホルモンのオキシトシン合成から1980年の酵素RNase Aの合成など各種生体ペプチドの配列決定からペプチドを合成することで生体機能を解析が発展した時代でもあった。

液相法とは別に1963年にロバート・メリフィールドらがペプチド固相合成法を開発し全く新しいペプチド合成法も確立している。メリフィールドはこの業績によりノーベル化学賞を授与された(1984年)。固相合成法は機械化が容易な手法な為、今日では配列情報から自動的にペプチドを合成するペプチド合成装置も開発されている[1][2]

今日ではサンプル量が必要であったり、簡単な設備で単純なペプチドを合成する場面では液相法が用いられるが、分子生物学研究の為にある程度の配列長を持つ任意のペプチドを合成する場合にはもっぱら固相合成法とペプチド合成装置が利用される。さらに、多様なオリゴペプチドが試薬として市販されたり、ペプチドの各種委合成サービスが提供されたりしているので、必ずしも現場でペプチド合成を行う必要もなくなってきている。

また、後述のように、固相合成法では合成が困難な長さのペプチドを合成したい場合やペプチド鎖に糖鎖修飾などが必要な場合は細菌線虫あるいは昆虫細胞に遺伝子導入するバイオテクノロジーを応用してペプチド合成がなされるようにもなった。
有機合成化学的ペプチド合成


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