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ペダル(Pedal )は、人間の足で踏み自転車の動力源となる部品である。ペダルの軸はクランクアームの末端近くについており、その回転によって足の上下運動をクランクの回転運動へと変換する。登場以来、一般的な自転車のペダル形状には本質的な変化はないため、本項目は主としてスポーツ自転車用のものについて説明する。 ペダルが当初の形態から姿を変えてゆくのは安全型自転車からロードバイクの進化へと時期をほぼ同じくする。ベロシペードではペダルにまで改良が進まず、乗るだけで不安定なペニー・ファージング型では足を固定するのはあまりにも危険すぎた。安全型自転車になってからもペダルに足を固定することによって速度を上げるという発想はまだなかった。 クリップ・アンド・ストラップとは、ペダルプレートにネジで止めたトウクリップにシューズの爪先を入れ、ペダルとクリップに通した皮革製や樹脂製のトウストラップと呼ばれるベルトでシューズをペダルに縛り付ける方法である。後にシューズ自体が進化してレーサーシューズと呼ばれるようになる。レーサーシューズの材質は皮や合成皮革、靴底は木や強化プラスチックで、ペダルと噛み合わせるためのシュープレートを付けるというまさにペダルを踏むことだけに特化されたシューズであった。踏み込む力を直接ペダルに伝えるために靴底は絶対にたわまず、またかかともないので歩行は困難であるばかりか、長時間歩くと靴自体を台なしにしかねなかった。各種手引書でも「シュープレートの溝を潰す原因になるのでレーサーシューズのまま歩き回らないこと」と警告されていた(プロは歩くときサンダルに履きかえていた)。このような欠点もあったが、競技用としては長らくトウクリップとストラップの組み合わせが標準的であった。 1970年、チネリが史上初のビンディングペダル(クリップレスペダル)を開発[1]。レーサーにはスタートダッシュでいちいちストラップを締め上げなくていい簡便さが、メカニックには選手の足の大きさによってトウクリップを替えなくて済む点が喜ばれた。しかし、使い勝手は悪く、数年で姿を消してしまった。その後、1984年にスキー用ビンディングの製造メーカー、ルック(LOOK)が新しいタイプのビンディングペダルを開発した。以前のものと違い足を捻るだけで外れるために、クリップアンドストラップや以前のビンディングペダルでは足が即座に外せないことに恐怖感を覚える初心者にも受け入れられ、市場を席巻した。これをきっかけにその後シマノ、タイム、カンパニョーロと続々と独自の脱着機能を持ったビンディングペダルを発表し、現在ではさまざまなメーカーが参入している。フィット感、脱着のよさ、シューズの互換性、泥詰まりにしにくさ、力の伝達具合といった多種多様な判断基準が存在する。 ストリートスポーツ用ピスト向けに開発された「ストラップ」と呼ばれる固定方法は、ペダルの穴に布製のストラップをシューズに巻き付けて固定する。トゥクリップのように完全固定されずに、後方に足を抜けば外すことが出来る。ただし、ビンディングペダルとは外す方法が違うため慣れていないと外せない危険性がある。色々な靴に対応できるためファッション性を重視するストリート用途で使いやすい特長がある。 ビンディングペダルはスキーのビンディングとほぼ同じ機構で、靴底にビス止めされた「クリート」と呼ばれる樹脂製あるいは金属製の止め具を金具で固定して、人間の脚力を直接ペダルに伝える。
歴史
ビンディングペダル