ペガスス座51番星b
[Wikipedia|▼Menu]

ペガスス座51番星b
51 Pegasi b

ペガスス座51番星bのイメージ画像
星座ペガスス座
発見
発見日1995年10月6日
発見者M・マイヨール
ディディエ・ケロー
発見場所 オート=プロヴァンス天文台
発見方法ドップラー偏移法(ELODIE
現況公表
軌道要素と性質
軌道長半径 (a)0.0527 ± 0.0030 au(7.89 Gm
近点距離 (q)0.0520 au(7.79 Gm)
遠点距離 (Q)0.0534 au(7.99 Gm)
離心率 (e)0.013 ± 0.012
公転周期 (P)4.230785 ± 0.000036(日)
101.5388(h
近日点引数 (ω)58 °
前回近点通過JD 2,450,001.51 ± 0.61
準振幅 (K)55.94 ± 0.69 (m/s)
ペガスス座51番星の惑星
主星
視等級5.49
スペクトル分類G2.5IVa or G4-5Va
質量1.06 M☉
半径1.237 ± 0.047 R☉
表面温度5571 ± 102 K
金属量 [Fe/H]0.20 ± 0.07
年齢6.1 - 8.1 Gyr
位置
赤経 (RA, α) 22h 57m 28.0s
赤緯 (Dec, δ)+20° 46′ 08″

距離50.9 ± 0.3光年
(15.61 ± 0.09 pc
物理的性質
最小質量0.472 ± 0.039 MJ
(150 M?
他のカタログでの名称
Dimidium
Template (ノート 解説) ■Project

ペガスス座51番星bは、太陽以外の恒星の周囲を回る惑星として初めて発見された、太陽系外惑星である[注 1]

主星であるペガスス座51番星の直近を公転する、典型的なホット・ジュピターである。2017年には大気中から水の痕跡が発見された[1]。なお、2019年にはペガスス座51番星bを発見した2名には、ノーベル物理学賞が授与された[2]
性質ペガスス座におけるペガスス座51番星の位置。赤い〇印が付けられた場所。

地球からの距離は、およそ50光年ほどである。

ペガスス座51番星bは、木星の半分ほどの質量を持つ惑星である。主星から0.05 auという、非常に恒星から近い位置を公転している。そのため惑星の表面は、約1000 ℃に加熱されていると考えられている。このような天体は、発見当時の惑星形成理論では説明がつかない異常な惑星であった。しかしペガスス座51番星bの発見以後、同様の惑星がかに座55番星うしかい座τ星で発見された。また天文学者は惑星形成理論を修正して、恒星系のより外側で誕生した惑星が、その後、次第に内側へ移動してきたという理論を組み立てた。

ペガスス座51番星bは発見当初、地球型惑星であろうと推定されていたが、現在では、木星のような巨大ガス惑星であろうと考えられている。それは、直近に有る恒星から噴き出す恒星風によって、この惑星の大気が吹き飛ばされないための充分な質量を持っているからである。ペガスス座51番星bは、恒星によって灼熱状態に加熱されているため、質量は木星の半分ほどであるにもかかわらず、熱膨張のために、その半径は木星より大きいと予想されている。また、大気は高温のために赤く発光し、珪酸塩の雲が漂っていると考えられている。

なおペガスス座51番星bは、主星から受ける強力な潮汐力のせいで自転周期と公転周期が一致し、主星に常に同じ面を向けていると考えられている。これはちょうど月が地球に同じ面を向けているのと同様の状態である。
発見NASAによる、太陽系外惑星発見を歓喜するポスター。

ペガスス座51番星bの発見について、スイスのジュネーブ天文台ミシェル・マイヨールディディエ・ケローにより、1995年10月6日に『ネイチャー』誌で報告された[3]。なお、両氏はこの業績によって2019年にノーベル物理学賞を受賞した[2]

この報告を受けて、追試を行い、1995年10月12日に、サンフランシスコ州立大学ジェフリー・マーシーと、カリフォルニア大学ポール・バトラーが確認した。

スイスのグループはペガスス座51番星のスペクトルの変化を調べ、恒星が70 (m/s)の振幅で視線方向に振動していることを発見した。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:21 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef