ベンゾジアゼピン離脱症候群
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ベンゾジアゼピン離脱症候群
概要
診療科精神医学
分類および外部参照情報
ICD-10F13.3
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ベンゾジアゼピン離脱症候群(ベンゾジアゼピンりだつしょうこうぐん、Benzodiazepine withdrawal syndrome)は、ベンゾジアゼピン系薬の服用により身体的依存が形成されてから、用量を減量するか、断薬することによって生じる一連の離脱症状。その症状は頻繁に深刻な睡眠障害、易刺激性、不安と緊張の増加、パニック発作、手の震え、発汗、集中困難、混乱と認識困難、記憶の問題、吐き気やむかつき、体重減少、動悸、頭痛、筋肉の痛みと凝り、多くの知覚変化、幻覚てんかん発作精神病[1]、インフルエンザ様症状[2]、また自殺[3]といった特徴がある(#兆候と症状節の完全な一覧を参照)。さらに、これらの症状は単純に直線的に着々と減少するのではなく、重症度が日々あるいは週ごとに変化し、一進一退することで有名である[4][5]

発生する症状は、潜在的に深刻な状態であり、複雑でしばしば長期化しうる[6][7]アルコールバルビツール酸系の離脱症候群と、ベンゾジアゼピン系の離脱症状は類似している[8]。長期間の使用は、3か月以上の日常的な使用と定義され[9]、その患者らに離脱症状が出現する割合は15%から44%の間だと推定されている[10]。このような使用は依存のリスクの増加[11]、用量の増加や効果の減少、特に高齢者における事故と転倒のリスクの増加[12]、また認知的[13]、神経学的および知的な障害[14]に結びつくため望ましくない。短時間作用型の睡眠薬の使用は入眠障害には有効だが、離脱の影響によって睡眠の後半は悪化する[15]

症状の重症度は、重篤なものになりえ[6]、特に長期的な使用や高用量からの離脱、突然あるいは急速すぎる減量では、発作のような致命的なものになる[16]。しかし徐々の減量や、また比較的低用量・短期的な使用からであっても[17](動物実験では1回の大量投与の後でも[18][19])重篤な離脱反応が起きることもある。離脱時には、致命的となる可能性のある振戦せん妄の兆候の評価が必要である[20]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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