ベロニカとの記憶
The Sense of an Ending
監督リテーシュ・バトラ
『ベロニカとの記憶』(ベロニカとのきおく、The Sense of an Ending)は2017年のアメリカ合衆国・イギリスのドラマ映画。監督はリテーシュ・バトラ(英語版)、主演はジム・ブロードベントとシャーロット・ランプリングが務めた。本作はジュリアン・バーンズが2011年に上梓した小説『終わりの感覚(英語版)』を原作としている。
なお、本作の日本語字幕は牧野琴子が担当している[4]。 アンソニー・ウェブスター(トニー)はロンドンでカメラ店を経営しながら、慎ましく暮らしていた。ある日、元妻のマーガレットに頼まれて、トニーは娘のスージーと一緒に妊婦向けの講義に出ることとなった。スージーを家に送り届けた後、トニーは数日前に受け取った手紙に目を通し始めた。その手紙はサラ・フォードが住んでいた住所から送られてきたものだった。サラはトニーが学生時代に交際していた女性(ベロニカ)の母親であった。手紙を読むに、亡くなったサラはトニーに500ポンドを遺贈する心積もりだったらしい。トニーは40年以上前に数回会っただけのサラがなぜ自分に財産を残したのか分からず、途方に暮れてしまった。 昼食中、トニーはマーガレットにサラと自分の関係について語り始めた。トニーが楽しそうに思い出話をするので、マーガレットは「まるでどちらかと一夜を共にしたみたいね」と冗談を言った。トニーはそれを否定した後、10代の頃の思い出話を始めた。第6学年の頃、トニーはハンサムな青年だったが、自意識過剰なところがあった。ある日、トニーとその2人の親友は転校生のエイドリアン・フィンを自分たちの仲間に迎え入れた。フィンはとても知的な青年で、教師たちと頻繁に議論をしていた。その後まもなくして、クラスメートのドブソンが自殺したという知らせが届いた。ドブソンは恋人を妊娠させたことを苦にして自殺したのだという。アルベール・カミュの哲学を手引きに、トニーたちは自殺の哲学的な意味について議論した。その結果、ドブソンが自死を選んだのは正当ではないという結論が出た。 高校卒業後、フィンはケンブリッジ大学に進学し、トニーはブリストル大学に進学した。トニーは大学で出会ったベロニカと交際を始めた。しばらくして、ベロニカはトニーを家族に紹介した。ベロニカの父親(デヴィッド)と兄(ジャック)はやや不躾な態度でトニーに接したが、徐々に打ち解けていった。ところが、予期せぬ事態が発生した。ベロニカの母親であるサラがトニーに惹かれたらしく、露骨に誘惑し始めたのである。夕食の席で、トニーはケンブリッジに通うジャックにフィンのことを尋ねたが、彼は会ったことがないと答えた。
ストーリー