ベインブリッジ級駆逐艦
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ベインブリッジ級駆逐艦

基本情報
艦種駆逐艦
命名基準海軍功労者。一番艦はウィリアム・ベインブリッジ代将に因む。
就役期間1902年 - 1919年
前級?
次級トラクスタン級
要目
常備排水量420トン[1]
満載排水量630.9トン[2]
全長249 ft 9.875 in (76.14603 m)[2]
水線長244 ft 2.875 in (74.44423 m)[2]
最大幅23 ft 5 in (7.14 m)[2]
深さ14 ft (170 in)[2]
吃水6 ft 6 in (1.98 m)[1]
ボイラー水管ボイラー×4缶
主機直立式三段膨張レシプロ蒸気機関×2基
推進器スクリュープロペラ×2軸
出力8,000馬力
速力28.4ノット (52.6 km/h)
航続距離2,150海里 (12kt巡航時)
乗員士官3名+下士官兵72名
兵装・25口径7.6cm単装砲×2基
・5.7cm単装砲×5基(「ローレンス」「マクドノー」は7門[3]
・18インチ魚雷発射管×2基
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ベインブリッジ級駆逐艦 (英語: Bainbridge-class destroyers) は、アメリカ海軍駆逐艦の艦級。アメリカ海軍初の駆逐艦である[1]
来歴

19世紀後半、南北戦争後の混乱から回復したアメリカは海軍の近代化に着手していたものの、当初は本土付近での敵水雷艇の活動が想定されなかったことから、イギリスで誕生していた水雷艇駆逐艦(TBD)という新艦種には興味を示さなかった[4]

しかし米西戦争を受けて、1898年4月、スペイン海軍は駆逐艦を長駆サンティアーゴ・デ・クーバまで回航し、同地を封鎖していたアメリカ艦隊は水雷攻撃に直面することになった。これにより、本土近傍でも水雷攻撃が脅威になりうることが認識され、5月4日、急遽、400トン型駆逐艦16隻の建造が1898年度計画に追加されることになった[1]。これに基いて建造された艦級の一つが本級である[4]
設計

ベインブリッジ級は基本的に海軍の設計によっているが、「ハル」「ホプキンス」はハーラン&ホリングスウォース社、「ローレンス」「マクドノー」はフォア・リヴァー社の設計を採用しており、船体諸元や装備に差異があることから、別の艦級として扱われることもある[1][3]

船型としては、ハル級とローレンス級は列国の駆逐艦と同様にタートルバック状船首を有する平甲板型であるのに対し、ベインブリッジ級は船首楼型としている。これによってハル級・ローレンス級では3メートルであった艦首部乾舷が5メートルまで高められ、凌波性は大幅に向上した。駆逐艦への船首楼の設置は世界に先駆けた新機軸であったが、アメリカ海軍では、1898年進水の水雷艇「ローワン」で既に採用実績があった[5]。また優れた製鋼技術を背景に、甲板や舷側部にはニッケル鋼(高張力鋼)を広範に採用して、軽量化を図った[6]。主機関は直立式三段膨張レシプロ蒸気機関ボイラーは石炭焚きの水管ボイラーで、蒸気圧力は240?250 lbf/in2 (17?18 kgf/cm2)、飽和温度であった。主管は主機械室の前後に分離配置されたため、煙突も2本ずつ前後2組に分散配置されたが、ローレンス級のみは主管を主機室の前方に集中配置したため、4本の煙突が一塊になって立てられている[3][7]

本級では運動性が重視されており、特に海軍の設計による艦では艦尾形状を平たいスプーン状、舵を釣合舵1枚とすることで、22ノットでの旋回径250ヤード (230 m)を達成した[6]。一方で、本級を含む1898年度計画艦の主機関はいずれも出力および信頼性に問題が多く、排水量超過もあり、計画速力に至らない艦が続出した。特に低速運転時の振動は激しく、主機械のフレームが架台から緩んだという報告を受けて、後には14ノット以下での航走が禁止される事態になった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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