ヘンリー六世_第2部
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ファースト・フォリオ」(1623年)の『ヘンリー六世 第2部』の表紙の複写.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル 文学ポータル 舞台芸術

『ヘンリー六世 第2部』(The Second Part of King Henry the Sixth or Henry VI, Part 2)は、ウィリアム・シェイクスピアの史劇。1590年から1591年頃の作と信じられている。『ヘンリー六世』三部作(『ヘンリー六世 第1部』・『ヘンリー六世 第3部』・『リチャード三世』を含めて薔薇戦争四部作)の第2作にあたり、この作品の成功でシェイクスピアの劇作家としての評価が確立された。
材源

シェイクスピアが『ヘンリー六世 第2部』で主に材源にしたのは、ラファエル・ホリンシェッドの『年代記(Chronicles)』@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}(1587年出版の第2版)[要出典]で、それが劇に「terminus ad quem(目標)」を与えた。エドワード・ホール(Edward Hall)の『ランカスター、ヨーク両名家の統一(The Union of the Two Illustrious Families of Lancaster and York)』(1542年)も参考にしたようで、研究者たちは他にも、サミュエル・ダニエル(Samuel Daniel)の薔薇戦争を題材としたにシェイクスピアは通じていたのではと示唆している。
創作年代とテキスト

『ヘンリー六世 第2部』は1590年から1591年頃に書かれたものと思われる。フィリップ・ヘンスロー(Philip Henslowe)の日記には1592年3月3日、ストレンジ卿一座(英語版)によって『ヘンリー六世』が上演されたと記されている。また、他の文献には、シェイクスピアの『ヘンリー六世』三部作の他の2作も1592年に上演されたと書かれている。トマス・ナッシュの『Pierce Penniless』(同年8月登録)には、タルボット卿を扱った人気劇について言及していて、これは(他に該当する劇がないので)『ヘンリー六世 第1部』のことだろう。ロバート・グリーンの『A Groatsworth of Wit』(同年9月登録)というパンフレットには、『ヘンリー六世 第3部』の1行がパロディにされている。『第1部』と『第3部』が1592年に上演されていることから、直接の証拠はないものの、『第2部』もその年に上演されたものと推測される。

1594年に出版された『ヘンリー六世 第2部』は書籍商Thomas Millingtonが同年3月12日に出版業組合(Worshipful Company of Stationers and Newspaper Makers)に登録し、その年のうちに印刷したものである。このテキスト(Q1)は普通『ヨーク、ランカスター両名家の争い 第1部(The First Part of the Contention Betwixt the Two Famous Houses of York and Lancaster)』という題名で知られているが、それは短縮した題名で、正式には『The First Part of the Contention Betwixt the Two Famous Houses of York and Lancaster, With the Death of the Good Duke Humphrey: and the Banishment and Death of the Duke of Suffolk, and the Tragical End of the Proud Cardinal of Winchester, With the Notable Rebellion of Jack Cade: and the Duke of York's First Claim Unto the Crown』である。

この版は2度再版されている(「Q2」1600年、「Q3」1619年)。Q3はウィリアム・ジャガード(William Jaggard)の「フォールス・フォリオ」に収められたものである。

19世紀には、『ヨーク、ランカスター両名家の争い 第1部』はシェイクスピア以外の作者もしく作者たちの作で、シェイクスピアはそれを元に『ヘンリー六世 第2部』を書いたと考えられていた。しかし、現代の批評家たちの意見は、『ヨーク、ランカスター両名家の争い 第1部』は、おそらく『ヘンリー六世 第2部』でサフォーク公およびケイド役の役者が、オリジナルを書き留めたか、記憶を頼りに再現した「悪い四折版(Bad quarto)」であろうと見ている[1]
上演史

1592年以来、『ヘンリー六世 第2部』が公演されることはしばらくなかった。王政復古期に、ジョン・クラウンが『第2部』の第4・5幕と『第3部』全幕(『ヘンリー六世』三部作のほぼ半分)を『内乱の悲惨(The Misery of Civil War)』(1680年)に改訂した。1723年には別の改訂版がTheophilus Cibberによって上演された。『ヘンリー六世』三部作のすべてが個別に上演されるようになったのは20世紀になってからで、1906年以来である[2]

2016年には、第3部と合わせてBBCがテレビ映画シリーズ『ホロウ・クラウン/嘆きの王冠』の一篇として製作した。
登場人物王妃マーガレット・オブ・アンジュー

ヘンリー六世

グロスター公(Duke of Gloucester) - ヘンリー六世の叔父。

枢機卿ボーフォート(Cardinal Beaufort)またはウィンチェスター司教(Bishop of Winchester) - ヘンリー六世の大叔父。

ヨーク公(Duke of York)

エドワード(Edward) - ヨーク公の息子。のちのエドワード四世。

リチャード(Richard) - ヨーク公の息子。のちのリチャード三世。

サマセット公(Duke of Somerset)

サフォーク公(Duke of Suffolk)

バッキンガム公(Duke of Buckingham)

クリフォード卿(Lord Clifford)

クリフォード卿の息子(Young Clifford)

ソールズベリー伯(Earl of Salisbury)

ウォリック伯(Earl of Warwick)

スケールズ卿(Lord Scales)

セイ卿(Lord Say)

サー・ハンフリー・スタフォード(Sir Humphrey Stafford)

ウィリアム・スタフォード(William Stafford) - ハンフリーの弟。

サー・ジョン・スタンリー(Sir John Stanley)

ヴォクス(Vaux)

マシュー・ゴフ(Matthew Gough)

アレグザンダー・アイデン(Alexander Iden) - ケントの紳士。

艦隊長(A Sea-Captain)

船長(Master)

副船長(Master's Mate)

ウォルター・ウィットモア(Walter Whitmore)

2人の紳士たち(Two Gentlemen) - サフォーク公とともに囚われた捕虜

ジョン・ヒューム(John Hume) - 神父。

ジョン・サウスウェル(John Southwell) - 神父。

ロジャー・ボリングブルック(Roger Bolingbrook) - 魔術師。

トマス・ホーナー(Thomas Horner) - 武具師。

ピーター・サンプ(Peter Thump)[3] - ホーナーの徒弟。

チャタムの書記(Clerk of Chartam)

セント・オールバンズの市長(Mayor of Saint Albans)

シンコックス(Simcox) - ペテン師。

ジャック・ケイド(Jack Cade) - 反逆者。

ジャック・ケイドの仲間たち

ジョージ・ベヴィス(George Bevis)

ジョン・ホランド(John Holland)

肉屋ディック(Dick the butcher)

織物屋スミス(Smith the Weaver)

マイケル(Michael)他


2人の殺し屋(two murderers)

マーガレット(Margaret) - ヘンリー六世の王妃。

グロスター公爵夫人(Duchess of Gloucester) - エリナー・コバム(Eleanor Cobham)

マージェリー・ジャーデーン(Margery Jourdain) - 魔女。

シンコックスの妻(Wife to Simcox)

悪霊(Spirit)

卿たち(Lords)、貴婦人たち(Ladies)、従者たち(attendants)、伝令たち(heralds)、兵たち(soldiers)、他

あらすじ
第1幕

イングランド王ヘンリー六世と若きマーガレット・オブ・アンジューの結婚から劇は始まる。


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