ヘレナ_(モンタナ州)
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座標: 北緯46度35分45秒 西経112度1分37秒 / 北緯46.59583度 西経112.02694度 / 46.59583; -112.02694

ヘレナ (: Helena) は、アメリカ合衆国モンタナ州州都。同州西部、ロッキー山中に位置する。市域人口は25,780人(2000年国勢調査)だが、周辺地域を含めると67,636人に達する。

アメリカ西部の多くの都市同様、ヘレナもまた、19世紀後半のゴールドラッシュによって人が集まってできた町である。1864年ジョージア州などから西部へとやってきた4人組によって砂金が発見され、町が建設された。

別名を Queen City という。
目次

1 歴史

1.1 4人のジョージア人


2 地理

2.1 気候

2.2 市内および周辺の名所


3 交通

4 人口動静

5 メディア

6 脚注

7 外部リンク

歴史

1864年10月30日に「4人のジョージア人」と呼ばれる4人組によって「ラスト・チャンス・クリーク」(Last Chance Creek)で砂金が発見され、ヘレナの町は創設された。ヘレナのメインストリートは「ラスト・チャンス・ガルク」(Last Chance Gulch) と呼ばれ、ダウンタウンの歴史地区を曲がりくねりながら、もとの川筋に沿って通っている。

町ははじめ「4人のジョージア人」のひとり、ジョン・クラブの名を取って「クラブタウン」と名付けられた。しかし、砂金目当てに次々と人がやってくると、町名変更の機運が高まった。そこでジョン・サマービルは生まれ故郷であるミネソタ州セント・ヘレナ (St. Helena) の名をつけることを提案した。しかし多くの砂金採掘夫たちには hel-E-na のアクセントが気に入らず、これを「地獄」を意味する hell にかけて HEL-e-naと発音していた。「地獄」の「ヘル」とは当然「聖」の「セント」とは相容れないため、「セント」が落ちて「ヘレナ」のみが残って町の名前となった。

1888年までには、およそ50人の億万長者がヘレナの町に住んでいた。この頃人口当たりの億万長者の数は世界一であった。ラスト・チャンス・ガルクからは現在の36億米ドル相当の砂金が20年以上にわたって採掘された。ラスト・チャンス砂金採掘場はアメリカ西部で最も有名な採掘場であった。

現在では、当時の採掘場跡の多くは地下に埋もれている。
4人のジョージア人

「4人のジョージア人」と呼ばれる、ジョン・コーワン、D.J. ミラー、ジョン・クラブ、ロバート・スタンレーの4人組は、実際はコーワンのみがジョージア州出身であり、ミラーはアラバマ州、クラブはアイオワ州、スタンレーはイギリスと皆出身地が異なる。しかし砂金採掘において「ジョージア・スタイル」を取っていたため、このように呼ばれていたものと考えられている。

「4人のジョージア人」には異説もある。ジョージア州のある系譜学者 ⇒[1]は、前述のジョン・コーワン、コーワンの甥フランク・コーワン、ヘンリー・ハスク、ビル・パーマーで、4人ともジョージア州出身で互いに知り合いである、という説を立てている。コーワンが両方の説に含まれていることから、7人でヘレナのラスト・チャンス砂金採掘場で採掘を行っていた可能性もある。
地理

ヘレナは、北緯46度35分45秒西経112度1分37秒(46.595805, -112.027031)[1]に位置している。

アメリカ合衆国統計局によると、ヘレナ市は総面積36.3 km2 (14.0 mi2) である。市の全域が陸地であり、水地域はない。
気候

ヘレナは高緯度にあり、かつ内陸で標高が高いため、夏は冷涼で、冬は非常に寒い。またロッキー山脈の東麓であり、偏西風の風下になるため、1年の大半は降水量が少ない。ケッペンの気候区分では乾燥帯ステップ気候に属するが、気温では亜寒帯である。
市内および周辺の名所

ヘレナにはゴールド・ラッシュ時代の歴史的な建築物が多く、重要な観光資源となっている。また、周辺にはロッキー山脈の大自然や原野が広がっている。 モンタナ州会議事堂

モンタナ州会議事堂

タワー・ヒル (Tower Hill)

シビック・センター (Civic Center)

セントヘレナ大聖堂 (Cathedral of Saint Helena)

モンタナ歴史社会博物館 (Montana Historical Society Museum)

ラスト・チャンス・ツアートレイン (Last Chance Tour Train) - 上記博物館前から出発し、ダウンタウンの歴史地区をめぐるガイド付きのツアー

大陸分水嶺 (Continental Divide)

ヘレナ山市立公園 (Mt. Helena City Park) - 高さ5,460フィート(1,664m

スプリング・メドウ湖州立公園 (Spring Meadow Lake State Park)

ヘレナ湖 (Lake Helena)

ヘレナ国有林 (Helena National Forest)

ビッグベルト山地 (The Big Belt Mountains)

ゲート・オブ・マウンテンズ・ウィルダネス (The Gates of the Mountains Wilderness)

ミズーリ川 (The Missouri River)

キャニオン・フェリー湖 (Canyon Ferry Lake)

エルクホーン山地(The Elkhorn Mountains)

グレート・ディバイド・スキーエリア (Great Divide Ski Area) - ヘレナ北西郊のゴーストタウン、マリスビル (Marysville) の近くにある。乾燥しているため州の他地域と比べて雪が少ないので、しばしば「The Rock」と呼ばれる。

交通

市の玄関口となっている空港はダウンタウンの北東約3kmに位置するヘレナ地域空港である。ソルトレイクシティ国際空港ミネアポリス・セントポール国際空港からの便がある。

市内を州間高速道路I-15が通っている。北はグレートフォールズを通り、カナダ国境を越えてカルガリーエドモントンへと通ずる。南はソルトレイクシティラスベガスサンディエゴへと通じている。

アムトラックモンタナ州北部を通るため、ヘレナには駅はない。また、グレイハウンドの便もなく、同社と提携しているリムロック・トレイルウェイズのバスが州内各都市へと通じている。
人口動静

2000年現在の国勢調査で、ヘレナ市は人口25,780人、世帯数11,541、6,474家族が暮らしている。人口密度は710.5人/km2 (1,840.7人/mi2) である。334.4軒/km2 (866.3軒/mi2) の密度で12,133軒の住宅が建っている。

同市の人口構成を人種別に見ると白人94.78%、アフリカン・アメリカン0.23%、ネイティブ・アメリカン2.10%、アジア人0.78%、太平洋諸島系0.07%、その他の人種0.38%、及び混血1.66%である。人口の1.67%はヒスパニックまたはラテン系である。

同市の11,541世帯のうち、18歳未満の子供がいる世帯は27.1%、結婚・同居している世帯は42.5%、未婚・離婚女性が世帯主である世帯は10.4%、非家族世帯は43.9%である。単身世帯は37.5%、65歳以上の老人1人暮らしの世帯は11.3%である。世帯の平均構成人数は2.14人、家族の平均構成人数は2.83人である。

同市の人口構成を年齢別に見ると18歳未満22.4%、18-24歳11.1%、25-44歳26.6%、45-64歳26.0%、65歳以上13.9%となっている。年齢の中央値は39歳である。性比は女性100人あたり男性91.0人である。18歳以上では女性100人あたり男性は87.6人である。

同市の世帯の収入の中央値は34,416米ドルであり、家族の収入の中央値は50,018米ドルである。収入の中央値を性別で見ると男性34,357米ドルに対して女性は25,821米ドルである。同市の1人当たり収入 (per capita income) は20,020米ドルである。人口の14.5%及び家族の9.3% は貧困線以下である。18歳未満の16.4%及び65歳以上の8.3%は貧困線以下の生活を送っている。
メディア

ヘレナの地元新聞紙は『インディペンデント・レコード』(Independent Record) という。日刊および日曜版、1日約14,000部を刊行している。また、『クイーン・シティ・ニュース』 (Queen City News) という、ヘレナ市の別名を冠した無料の週刊新聞もある。
脚注^US Gazetteer files: 2010, 2000, and 1990, United States Census Bureau, (2011-02-12), ⇒http://www.census.gov/geo/www/gazetteer/gazette.html 2011年4月23日閲覧。


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