ヘレディタリー/継承
Hereditary
監督アリ・アスター
脚本アリ・アスター
製作ケヴィン・フレイクス[1]
ラース・クヌードセン
『ヘレディタリー/継承』(ヘレディタリー/けいしょう、Hereditary)は、2018年のアメリカ合衆国のホラー映画。監督はアリ・アスター、主演はトニ・コレットが務めた。なお、本作はアスターの長編映画監督デビュー作である。
本作はサンダンス映画祭でプレミア上映された直後から絶賛されており、「直近50年のホラー映画の中の最高傑作[9]」「21世紀最高のホラー映画[10]」と評されている。
ストーリー
プロローグ
ミニチュア模型アーティストのアニー・グラハムは、長年疎遠であった母エレンが亡くなったことをきっかけにグループ・カウンセリングに参加するようになる。アニーはカウンセリングの席で、母が解離性同一性障害を発症していたこと、父が統合失調症で餓死したこと、兄が極度な被害妄想が原因で自殺したことを語る。そして、自身も夢遊病に悩まされていることを告白する。彼女は先天性遺伝による精神疾患が、いずれは自分の子ども達にも発現することを心配していたのだ。
序盤
アニーの息子のピーター(16歳)は友人宅のパーティーに行くため、学校のイベントに参加すると嘘をついて母の車を借りようとしたが、アニーは妹のチャーリー(13歳)も一緒に連れて行くよう強制する。パーティーで一人きりにされてしまったチャーリーは、ナッツ入りのケーキを食べアレルギー発作を起こしてしまう。ピーターは妹を病院に運ぶため、車で夜道を無謀なスピードで疾走する。呼吸困難にもがき苦しむチャーリーが車の窓を開け顔を出したその時、ピーターが路上にあった動物の死骸を避けるためハンドルを切ったことから、道路脇の電柱とチャーリーの頭部が激突してしまう。ピーターはショック状態になり、誰にも事態を報告できないまま、自宅の寝室に戻る。その翌日、頭部のないチャーリーの死体を発見した母の、悲壮な叫び声が響き渡る。
中盤