ヘル・イン・ア・セル
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ヘル・イン・ア・セル(Hell in a Cell)は、アメリカプロレス団体WWEで行われる様々な試合形式のうちの一つであり、最も危険で残酷な試合形式として知られている。
概要

通常のケージ・マッチ(金網デスマッチ)で使用されるケージに天井が設置されているのが大きな特徴であり、エプロンとケージの間には場外乱闘の為の狭いスペースが設けられている。WWEで使用される通常のケージよりもサイズはいくらか大きくなっている。勝敗はフォール、ギブアップで決まり、ケージ内から脱出しても勝利とはならない。ケージが存在する以外にはハードコアマッチと同じルールで反則裁定なし、かつエニウェアフォールが適用され、天井の上で試合が決着する事もある。ケージの入り口となっているドアには鍵がかけられるが、ケージ内にいるレスラーにこじ開けられたり、レスラーのセコンドが鍵を開けてしまうケースも多々ある。

ヘル・イン・ア・セル戦の最大の見せ場はレスラー同士の天井での攻防であり、特にキング・オブ・ザ・リングジ・アンダーテイカーマンカインドを天井から落下させた瞬間はWWE史上に残るショッキングな場面として知られている。

プロレスには多種多様な試合形式が存在するが、それらの中でも最も危険な試合形式と言われており、「Devil's playground(悪魔の遊び場)」とも呼ばれる。また、ジ・アンダーテイカーは史上初のヘル・イン・ア・セル戦に出場した上に、史上最多8度のヘル・イン・ア・セル出場を果たし、前述のようにマンカインドを天井から落下させるなど衝撃的な活躍をし続けているため、ヘル・イン・ア・セルは「Deadman's playground(デッドマンの遊び場)」とも呼ばれている。
歴史

1997年10月5日に開催されたバッド・ブラッドでのショーン・マイケルズジ・アンダーテイカー戦が最初の試合である。現在ではヘル・イン・ア・セルの見せ場となっている天井での攻防と落下はこの最初の試合から行われており、マイケルズが天井から降りる為にケージにぶら下がっている所でテイカーに腕を攻撃されて実況席のテーブルに落下している。なお、この試合の終盤にケインがWWFに初登場し、ジ・アンダーテイカーにツームストーン・パイルドライバーを浴びせた。

1998年6月28日に開催されたキング・オブ・ザ・リングでのジ・アンダーテイカー対マンカインド戦はWWE史上に残る伝説の試合となった。試合開始直後からテイカーとマンカインドの天井での攻防が始まり、追い詰められたマンカインドは天井から落とされて地上に設置されていた実況テーブルに落下した。この時点でマンカインドは重傷を負っていたが、再び自分の意思で天井に登ってテイカーと対峙。しかしすぐにテイカーのフィニッシュ・ムーブであるチョークスラムを浴び、その衝撃でケージが破れ、地上のリングに落下した。その時凶器として自分で用意したイスが顔面に落下し、下唇が裂けた。その後リング上でマンカインドは猛烈な反撃を試みるが、最後はリングにばら撒かれていた画鋲の上にチョークスラムを浴び、ツームストーン・パイルドライバーで敗北した。

1999年3月28日に開催されたWrestleMania XVでのジ・アンダーテイカー対ビッグ・ボスマン戦では、試合終了後にボスマンがケージの上から吊られたロープで首を吊られる演出があった。

2000年12月10日に開催されたアルマゲドンではヘル・イン・ア・セル史上初の6人同時に対戦するArmageddon Hell in a Cellが行われた。出場者はカート・アングル、ジ・アンダーテイカー、ザ・ロックストーン・コールド・スティーブ・オースチントリプルHリキシといずれもWWFを代表するトップレスラーである。この試合ではリキシが天井から場外のトラックの荷台に転落している。試合はカートがロックをピンフォールして、WWF王座を防衛している。

2002年5月19日に開催されたジャッジメント・デイでのトリプルH対クリス・ジェリコ戦は2リーグ分裂後初のヘル・イン・ア・セル戦で、トリプルHが天井の上でジェリコにペディグリーを見舞い勝利、現在のところ唯一天井の上で試合が決着した試合である。この試合から2009年現在までヘル・イン・ア・セルでの天井の攻防が行われていない。(試合終了後のアピールで天井に登る事はある。)

2004年6月13日に開催されたバッド・ブラッドでのトリプルH対ショーン・マイケルズ戦は47分26秒というヘル・イン・ア・セル史上最長の試合時間を記録している。

2006年9月17日に開催されたアンフォーギヴェンでのD-ジェネレーションXミスター・マクマホンシェイン・マクマホンビッグ・ショー戦は史上初のハンディキャップ形式のヘル・イン・ア・セルとなった。この試合より、金網檻が新型に変更された。金網の目が以前より細かくなるなど幾つかの変更点が見られるが、最大の特徴は天井が以前の物よりかなり高く設定されているのが大きな特徴である。おそらくは空中技を出し易くさせると共に、将来的に天井上での攻防を防止するものであると推測される。
試合結果

1997年10月5日 Badd Blood: In Your House
ショーン・マイケルズ vs ジ・アンダーテイカー●(ケインのテイカーへの襲撃による)

1998年6月15日 RAW
ジ・アンダーテイカー"ストーンコールド" スティーブ・オースチン vs マンカインドケイン

1998年6月28日 King of the Ring 1998
ジ・アンダーテイカー vs マンカインド

1998年8月24日 RAW
マンカインド vs ケイン

1999年3月28日 レッスルマニアXV
ジ・アンダーテイカー vs ビッグ・ボスマン

2000年2月27日 No Way Out 2000
WWF王座戦○トリプルH(c) vs カクタス・ジャック●トリプルHがWWF王座を防衛

2000年12月10日 Armageddon 2000
WWF王座戦○カート・アングル(c) vs ザ・ロック● vs "ストーンコールド" スティーブ・オースチン vs トリプルH vs ジ・アンダーテイカー vs リキシカート・アングルがWWE王座を防衛

2002年5月19日 Judgment Day 2002
トリプルH vs クリス・ジェリコ

2002年10月20日 No Mercy 2002
WWE王座戦○ブロック・レスナー(c) vs ジ・アンダーテイカー●ブロック・レスナーがWWE王座を防衛

2003年6月15日 Bad Blood 2003
世界ヘビー級王座戦○トリプルH(c) vs ケビン・ナッシュ● 特別レフェリー ミック・フォーリートリプルHが世界ヘビー級王座を防衛


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