ヘルメット
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この項目では、主に日常生活で使用している頭部防具について説明しています。

オートバイ用については「ヘルメット (オートバイ)」をご覧ください。

自転車用については「ヘルメット (自転車)」をご覧ください。

登山用については「ヘルメット (登山)」をご覧ください。

「ヘルメット」のその他の用法については「ヘルメット (曖昧さ回避)」をご覧ください。
さまざまなヘルメット。

ヘルメット(英語: Helmet)または保護帽(ほごぼう)は、頭部を衝撃などから保護するためにかぶる防護帽もしくはのこと。
概要

古来のヘルメットはおもに戦闘に使われるのことだった。現代でも軍隊警察などで敵の攻撃から身を守るために使用されている。現代では強化プラスティックなどで安価・軽量なヘルメットを作ることが可能になり様々な場所で使用されている。落下物や飛翔物、あるいは転落・転倒の危険がある場所では安全上の理由から着用が推奨されている。やはり安全上の理由からスポーツや車両類の運転でもよく使用される。

江戸時代以前の武士がかぶっていたや、他にも剣道なぎなたに用いられるも広い意味でヘルメットの一種といえる。で傷付けられることから頭部を保護する目的と、装飾をもって威容をあらわす目的がある。
歴史「ウルのスタンダード」に描かれた兵士

青銅器時代から兵士の頭部を保護するための革や青銅製のヘルメットが使われていた。「ウルのスタンダード」と呼ばれるモザイク画には革製と思われるあご紐付きのヘルメットを被ったシュメールの兵士たちが描かれている。古代のヘルメットと言えばギリシアローマ馬毛で飾られた前立付きのヘルメットが有名だが、この種のヘルメットはアッシリアの浮彫にも見ることが出来る。

ミノア文明のヘルメット。紀元前1600年 - 紀元前1500年頃。

ミケーネ文明のヘルメット。紀元前14世紀

コリント式兜(英語版)。紀元前500年 頃。

古代ギリシアカルキディケー式兜。紀元前500年 頃。

古代ギリシアのピロス式兜。紀元前450年 - 紀元前425年 頃。

ボイオーティアのヘルメット。紀元前4世紀。

古代ギリシアのイリュリア式兜(英語版)。紀元前4世紀。

フリュギア式兜またはトラキア式兜。紀元前4世紀。ローマ帝国時代ころまで使われた。

ガリア地方、ケルトのヘルメット。紀元前350年 頃。

アッティカ式兜。紀元前350年 - 紀元前300年 頃。ヘレニズム期を通じて使われ、ローマ帝国時代頃まで使われた。

古代ローマのヘルメット。1世紀頃。

古代ローマのヘルメット

モンゴルのヘルメット

en:bascinetと分類されるヘルメット。15世紀初期。中世ヨーロッパで使われたヘルメット。

オスマン帝国のヘルメット。16世紀。

16世紀のen:close helmet。騎士が全身を甲冑で護っていた時代の、頭部から首まで覆うヘルメット。

ピッケルハウベ。プロイセンやドイツの象徴的なヘルメット。

産業用保護帽(作業用ヘルメット)危険な工事現場ではヘルメットは不可欠である.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、ハードハットに関連するメディアがあります。
概要

落下物などから作業者の頭部を保護するために着用[注 1]する、合成樹脂を主なる原料に製作された帽子のうち、所定の検定を通過したものに対していう。通常は、単に保護帽、若しくは安全帽・保安帽とよばれ、英語ではSafety helmetと称する[1]。保護帽は、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならず(労働安全衛生法第42条)、保護帽を製造・輸入した者は、登録型式検定機関が行う型式検定(サンプル抽出したものを検定する)を受けなければならない(労働安全衛生法第44条の2)。

その構造としては、“殻”の部分である「帽体」と「内装体」から成り、内装体はさらに、保護帽を着用者の頭周サイズに合わせるための「ヘッドバンド」、保護帽の頭部への当たりを良くしたり衝撃吸収の役目をもつ「ハンモック」、保護帽の脱落防止の役目をもつ「あご紐(特に、耳の部分にあたるV字の紐を「耳紐」と呼ぶが、通常はセットで扱う)」、そして墜落時保護用(後述)のものには乗車用安全帽に同じく、帽体と内装との間に衝撃吸収ライナー(発泡スチロール製)が入れられる。

加えて、帽体内部には検定試験(後述)に合格した証として「労・検ラベル」が貼付され、型式・検定取得年月・合格番号・製造業者名・製造年月・検定区分 が表示されている。ハンモックに合繊テープを使用している型式の一部においては「環ひも」も存在するが、これは内装組み立ての際、補助的に使われるパーツである。

ちなみに、保護帽の規格では環ひもについて「調節できないこと」としているが、これは使用者が勝手に環ひもの内径を変えることによる危険を防止するためのものである。環ひもを緩めると被りは深くなる反面、頭頂部と帽体との距離は近接することになるが、そのような状態で物体が帽体に衝突すると、その衝撃でハンモックが「伸びきる前」に頭部が帽体と接触するという事故が生じて大変危険である。

一方、国家検定上の区分としては、物体の飛来・落下による危険を防止する「飛来・落下物用」、墜落・転落による危険を防止する「墜落時保護用」、電気による危険を防止する「電気用」の三種類に分類されるが、現在の墜落用保護帽は飛来落下物用も兼ねるのが普通である。併せて、近年では 折り畳めることや子供向けであることを特徴とした製品が、国家検定も取得し販売されるなどしており、これまで専ら作業現場で使用されるものでしかなかった保護帽の防災用品としての地位も築きつつある。

保護帽は、メーカーや加工業者に名入れ(ロゴマーク・社名など)を依頼したり、使用者自身がラベルに記名・貼付した状態で使用することが一般的である。また使用者が事故に遭ったりしたときのために、保護帽に名前血液型を予め書いて着帽する。名入れはシルクスクリーンによって行われるほか、作業者の職階表示を兼ねたライン(周章)を貼付したり、玉掛作業員を判別しやすくするための緑十字(帽体上面に120?150mm四方)の表示を行ったり、デザインステッカーを貼付するといった加工も行われ、保護帽の納入後に使用者側で 新規入場者教育修了証・担当業務・保有資格などのラベルを貼付することもある。

また、ヘルタイと呼ばれるヘルメット専用の色つきの帯を取り付けて色ごとに所属を表すこともある。そのほか保護帽に取り付けて使用できるオプション品として、防暑(または防寒)タレ・送風機・陽よけ(麦わら帽の“縁”だけのもの)などの季節用品、保護眼鏡・防災面・耳栓・イヤーマフといった保護具、ホイッスル・ペンホルダー・LEDライトのように、身近にあると便利な作業用品も用意されている。


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