ヘブライ文字
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Unicodeのブロックについては「ヘブライ文字 (Unicodeのブロック)」をご覧ください。

ヘブライ文字

ヘブライ文字とラテン文字による看板。
類型:アブジャド (アルファベットとして使われることもある)
言語:ヘブライ語イディッシュ語ラディーノ語およびユダヤ・アラビア語群 (ユダヤ諸語参照)
時期:紀元前200年頃-現在
親の文字体系:原カナン文字

フェニキア文字

アラム文字

ヘブライ文字



Unicode範囲:U+0590-U+05FF
U+FB1D-U+FB40
ISO 15924 コード:.mw-parser-output .monospaced{font-family:monospace,monospace}Hebr
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。
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音素文字の歴史


青銅器時代中期-原シナイ
前19-15世紀

ウガリット 前15世紀


原カナン 前14世紀

フェニキア 前11世紀

古ヘブライ 前10世紀

サマリア 前6世紀


アラム 前9世紀

ブラーフミー 前6世紀
インド系

チベット 7世紀

クメール 7世紀

ジャワ 9世紀
他多数


ヘブライ 前3世紀

シリア 前2世紀

ナバテア 前2世紀

アラビア 4世紀

ペルシア 7世紀

ウルドゥ 11世紀

ターナ 18世紀



パフラヴィ 前2世紀

アヴェスタ 4世紀


ソグド

突厥 5世紀

ウイグル 8世紀

(契丹小字 10世紀)

(女真小字 12世紀)


モンゴル 13世紀

満洲 16世紀

シベ 20世紀


トド 17世紀

ワキンダラー 20世紀




ギリシア 前9世紀

エトルリア 前8世紀

ラテン 前7世紀

ルーン 2世紀

オガム 4世紀

ゴート 4世紀



コプト 300年

グルジア 4世紀

アルメニア 405年

グラゴル 862年

キリル 10世紀



イベリア 前6世紀


南アラビア 前9世紀

ゲエズ 前5–6世紀


メロエ 前3世紀
カナダ先住民 1840年
注音 1913年

ヘブライ文字(ヘブライもじ、ヘブライ語: ?????? ????‎ アレフベート・イヴリー、ヘブル文字とも)とは、主にヘブライ語を表記するための文字である。ほかにイディッシュ語などの表記にも用いられる。

現代のヘブライ文字は、アラム文字より派生したアブジャドの一種で、右書き(右から左に)で書く。ヘブライ語の話者はヘブライ文字をアレフベートと呼ぶ。22文字の子音文字からなる表音文字で、うち k、m、n、p、? の5つの文字に非語末形と語末形(ソフィート)の区別があるため、27文字になっている。
歴史
古ヘブライ文字の時代詳細は「古ヘブライ文字」を参照

音素文字がどのように発明されたかは正確には明らかではないが、エジプトシナイ半島から発見されたワディ・エル・ホル文字と原シナイ文字やパレスチナの原カナン文字などの文字の存在から、紀元前2000年ごろに発明されたと考えられる[1]。充分な資料のある初期の音素文字には楔形のウガリット文字や、碑文に用いた南アラビア文字古代北アラビア文字がある。そのうち、紀元前11世紀半ばには22文字からなる幾何学的な字形の文字が発達し、右から左へ安定して書かれるようになった。これをフェニキア文字と呼ぶ[2]

フェニキア文字は周辺のヘブライ語、モアブ語、アラム語などにも用いるようになった。これらの文字は時代を経るごとに形状が徐々に地域的な独自の変化を遂げるが、この時期のヘブライ文字を古ヘブライ文字 (Paleo‐Hebrew script)、ないし原始ヘブライ文字あるいは古代ヘブライ文字 (Ancient Hebrew script) などとも称する。この文字で書かれた出土資料として、古いものにはゲゼル・カレンダーなどがあるが、充分な資料が現れるのは紀元前9世紀以降である[3]
帝国アラム文字の借用

紀元前7世紀頃から新アッシリア帝国で行政言語としてメソポタミア全土で使用されるようになったアラム語は、続く新バビロニア帝国、ペルシア帝国においても行政言語・共通語の役割を担い、周辺の諸言語にも多大な影響を残している。その文字であるアラム文字(帝国アラム文字)は、古ヘブライ文字と同様にフェニキア文字から発達したものであるが、字形は速く書けるように曲線的で筆記体的な形に発達し、紀元前5世紀ごろには語末で特別な字形が発達した。この状態はエレファンティネ・パピルスのアラム語文書に見ることができる[4]

ユダヤ人はバビロン捕囚以降に、それまでの古ヘブライ文字にかわってアラム文字を受容した[4]。このアラム文字に遷移した後のヘブライ文字を方形ヘブライ文字 (Square Hebrew script) または単に「方形文字」と称する。
方形ヘブライ文字の展開

ヘレニズム時代にはいると、中東の行政言語はギリシア語が帝国アラム語にとってかわった。その後もアラム語とアラム文字は使いつづけられたが、字形は統一されなくなり、地方ごとの変種が生じた。ヘブライ文字が独自の形を取るようになったのもこのときのことで、紀元前3世紀以降に独特の字形の発達を見ることができる[5]

ハスモン朝が成立する紀元前2世紀から紀元前1世紀に制作がはじまったと考えられるクムラン出土の死海文書などを見る限り、紀元前後のユダヤ人の文字は聖典、俗文書を問わずほぼアラム文字系である方形ヘブライ文字に移行したようであるが、死海文書中では神名である「YHWH」など若干の単語を古ヘブライ文字で書き分けている例が見られる[3]


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