ヘビー級
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ヘビー級(ヘビーきゅう、: heavyweight)は、ボクシングなどの格闘技で用いられる階級の1つ。ヘビーは「重い」の意。
ボクシング

男子プロボクシングでの契約ウェートは、200ポンド (90.719kg) 以上。全17階級中最重量級の階級。

女子は多くの団体で175ポンド (79.3kg) 以上がヘビー級となっているものの、WBOでは男子と同じ200ポンド (90.7kg) 以上、WBCではライトヘビー級を廃止したため168ポンド (76.204kg) 以上となった。

アマチュアボクシングでは、男子81 - 91kg、女子81kg超をヘビー級と定めており、男子ではさらに上にスーパーヘビー級が創設された。

初代世界王者はジョン・L・サリバン。後にジョー・ルイスモハメド・アリマイク・タイソンらを輩出した。この階級の世界王座最多防衛記録はジョー・ルイスアメリカ合衆国)の25度で、これは全階級を通じての最多記録。歴代の世界王者は米国の選手が多くを占めていたが、特に旧ソ連勢の躍進が目覚しく、2007年6月2日にシャノン・ブリッグスがWBO王座から陥落して以降、2015年1月17日にデオンテイ・ワイルダーがWBC王座に就くまでの約7年の間、アメリカ人は4団体のヘビー級世界王者から遠ざかっていた。またヘビー級は世界最強の男としてのキャッチフレーズもあるために王者がひとりに限られることが前提。その結果、独立傾向のある主要団体でさえ王者が分裂するのを好ましく思わない風潮があり、各団体が一致して統一戦および統一防衛戦が行われることが多く、ファイトマネーも他の階級からすればまさに桁違いである。

2020年代に入り、ヘビー級と一部の重量帯が重なる新階級を導入する動きがあり、WBCでは2020年11月に200 - 224ポンド (90.719 - 101.604kg) を契約体重とする「ブリッジャー級」を新設したほか、WBAも2023年11月にブリッジャー級と同じ契約体重の「スーパークルーザー級」を新設した。
日本プロボクシングでの状況

過去から現在、日本人の平均的な体格は欧米人と比べて劣っていた。近年はバスケットボールユース代表にも、190cm台が珍しくなくなる[1]など、体格は向上してきているが、ことボクシングにおいては、ヘビー級選手の慢性的な不足に悩まされている。ボクシングが、日本国内でそれほど大きな人気を集めていない事情も手伝って、体格に恵まれた選手は大相撲プロレス柔道バスケットボールバレーボールラグビーユニオンなど、他の格闘技やスポーツに流れる傾向にあるためである。

過去にはJBCでもヘビー級王座が設けられていて、1957年片岡昇が初代王者についたが、挑戦者が現れずコミッショナー預かりとなった。

1977年には逆輸入ヘビー級ボクサーとしてコング斉藤が国内デビューを果たし話題にもなったが、相手の無気力ボクシングやミドル級相手にKO負けなど評価は芳しくなかった。

1990年代にも、西島洋介山が「日本国内唯一のヘビー級選手」として注目されたものの、日本以外の試合を含めて実質はクルーザー級の選手だった[2]

日本のジム所属選手では輸入選手のオケロ・ピーターOPBF東洋太平洋ヘビー級王座を獲得し、世界王座にも挑戦している。日本人では高橋良輔が、そのピーターが持っていたOPBF王座に挑戦している。しかし、選手不足は解消されていないため、国内では試合機会が恵まれず、竹原真敬のように国内ライセンスを放棄して海外に活躍の場を求める選手も少なくない。

2009年9月度よりスーパーミドル級からクルーザー級までの3階級がJBCでも新設されると同時にヘビー級ランキングも空位として再設置された[3][4]。同年12月にはプロテストも開催され[5]、3人が合格した[6]

2011年には西日本ボクシング協会がヘビー級新人王トーナメントを初開催し、樋高リオが初代ヘビー級新人王に就いた。加えて同年にはK-1でヘビー級タイトルを獲得した藤本京太郎のボクシング転向もあり、国内ヘビー級が活気付くようになった。


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