ヘイディズタウン
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Hadestown
ヘイディズタウン
作曲アナイス・ミッチェル
(英語版)
作詞アナイス・ミッチェル
脚本アナイス・ミッチェル
原作オルペウスエウリュディケー
Orpheus and Eurydice
上演2006 バーモント州バリ
2006 バーモント州バージェンズ
2007 バーモント州/マサチューセッツ州ツアー
2016 オフ・ブロードウェイ
2018 ロンドン
2019 ブロードウェイ
2021 全米ツアー
受賞トニー賞 ミュージカル作品賞
トニー賞 オリジナル楽曲賞
グラミー賞 ミュージカル・シアター・アルバム賞
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『ヘイディズタウン』(Hadestown)は、アナイス・ミッチェル(英語版)作詞・作曲・脚本によるミュージカルギリシア神話オルペウスエウリュディケーを基にしている。少女エウリュディケーは食べ物を探し、神話が予言する気候変動による更なる貧困から逃れるため地獄のような地下世界の工場に向かうが、貧しいシンガーソングライターの恋人オルペウスがエウリュディケーを取り戻そうとし、2人は共に逃亡方法を探す。

2006年、バーモント州バリで初演された。同年、州内のバージェンズでも上演され、翌2007年、バーモント州とマサチューセッツ州でツアー公演が上演された。当時ミッチェルは本作の将来について模索中で、2010年に本作のコンセプト・アルバム『Hadestown』をリリースした[1]

2012年、ミッチェルは演出家のレイチェル・チャフキンと出会い、2人は曲や台詞を追加するなど本作の改訂を開始した。2016年5月6日、チャフキンの演出により、オフ・ブロードウェイのニューヨーク・シアター・ワークショップでこの新版が初演され、7月31日に閉幕した。エドモントンやロンドンでも上演した後、2019年3月、ブロードウェイに進出し、プレビュー公演が上演された。

開幕当初からブロードウェイ・プロダクションは批評家から称賛され、数多くの賞にノミネートおよび受賞した。第73回トニー賞において、ほぼ全ての14部門にノミネートされ、ミュージカル作品賞、オリジナル楽曲賞を含む8部門を受賞した。
あらすじ
第1幕

ギリシアの神のヘルメースが登場人物を紹介する("Road to Hell")。エウリュディケーフェイトたちは厳しい天候や飢饉について語る("Any Way the Wind Blows")。ヘルメースが保護するオルペウスはエウリュディケーに自己紹介をし、結婚してくれるよう頼む("Come Home With Me")。お互い貧しく、エウリュディケーはすぐには信用できない。オルペウスはまた春が来るように曲を書いており、2人はもう困窮しないと語る("Wedding Song")。

オルペウスはプロセルピナの略奪の物語を歌う("Epic I")。ペルセポネーが地上世界にやってきて夏の訪れを祝う("Livin' it Up on Top")。エウリュディケーはオルペウスを本気で愛し始める("All I've Ever Known")。ハーデースは早々にペルセポネーを迎えに来て、ペルセポネーはハーデースの地下工場ヘイディズタウンに戻らなければならないと嘆く。エウリュディケーは工場労働者たちから終わることのない労働に耐えていることを聞きつつも、フェイトたちが歌う称賛やヘイディズタウンによる保護に興味をそそられる("Way Down Hadestown")。再び寒い気候となり、エウリュディケーは食べ物や薪を探し、オルペウスに早く曲を仕上げるよう促す("A Gathering Storm")。オルペウスは作曲を続け("Epic II")、一方ペルセポネーとハーデースは喧嘩をする("Chant")。

ハーデースはヘイディズタウンを安全で治安が良いと思ってくれる人を探しにヘイディズタウンから出掛けていく。ハーデースは絶望の淵にいるエウリュディケーと出会い、ヘイディズタウンに招待する("Hey, Little Songbird")。フェイトたちがやってきて、ハーデースについていくよう促す("When the Chips are Down")。寒さが強まり、空腹もあり、エウリュディケーはハーデースについていくしかないと思う。エウリュディケーはオルペウスへの別れの曲を歌い、フェイトたちは愛よりも私欲を選んだエウリュディケーを批判する観客を非難する("Gone, I'm Gone")。オルペウスはエウリュディケーがいなくなったことを知り、ヘイディズタウンから連れ戻す決心をする。オルペウスは電車を使わずヘルメースの教え通りにヘイディズタウンへ向かう("Wait for Me")。エウリュディケーはヘイディズタウンに到着して契約を済ませ、正式な労働者となる("Why We Build the Wall")。
第2幕

ペルセポネーはハーデースに内緒でスピークイージーを経営し、労働者たちをもてなす("Our Lady of the Underground")。エウリュディケーはヘイディズタウンに来る選択の結果に気付き始める。エウリュディケーは多数の労働者の1人となり、ハーデースの承諾なしで出て行くことはできない("Way Down Hadestown (Reprise)")。エウリュディケーは地上世界の記憶が徐々に薄れ始め、後悔を歌う("Flowers")。

オルペウスはヘイディズタウンに到着し、エウリュディケーを連れ戻すと誓う("Come Home with Me (Reprise)")。ハーデースがやってきて、エウリュディケーは自らの意思で契約したのだと語ると、エウリュディケーは悔しながらもこれを認める("Papers")。ハーデースは労働者たちにオルペウスを攻撃するよう命じ、フェイトたちはオルペウスに望みを捨てるよう語る("Nothing Changes")。オルペウスはエウリュディケーを自由にする方法を見つけると誓い、労働者を引き付けてペルセポネーの興味を引く("If It's True")。

ペルセポネーはオルペウスの決意に感激し、ハーデースにエウリュディケーの解放を嘆願する("How Long?")。労働者たちは約束されたはずの自由に疑問を持ち始める。ハーデースはオルペウスに完成した曲を歌う機会を与えつつ、その後殺すと脅す("Chant (Reprise)")。オルペウスが歌うと、ハーデースにペルセポネーへの愛を思い出させる("Epic III")。ハーデースとペルセポネーは仲直りし、オルペウスとエウリュディケーはどんな苦境でも一緒にいることを約束する("Promises")。オルペウスはハーデースに出て行っても良いか尋ねると、ハーデースはまだ認められないと語る。ハーデースはもしオルペウスを殺しエウリュディケーを留まらせると彼らは殉教者となり、2人を行かせると労働者たちも自由を求め始め自身の支配力を失うというジレンマに陥り、フェイトたちはハーデースをからかう("Word to the Wise")。ハーデースはある条件付きでオルペウスとエウリュディケーを出て行かせることにする。その条件とは、オルペウスは先に行かなくてはならず、もしエウリュディケーがついてきているか確認するために振り向けば、エウリュディケーはヘイディズタウンに戻され永遠に出て行くことができない("His Kiss, the Riot")。

ヘルメースはオルペウスとエウリュディケーにこの条件について説明し、自由を求める労働者たちと共に出て行く。ペルセポネーとハーデースはやり直す決意をする("Wait for Me (Reprise)")。オルペウスは地上世界に近づくが、エウリュディケーがついてきているか心配で振り向いてしまい、エウリュディケーはヘイディズタウンに連れ戻される("Doubt Comes In")。ヘルメースはこの悲恋を語り継ぐことにし、「愛の歌と共に春は再びやってくる」と語る("Road to Hell (Reprise)")。カーテンコールの後、出演者たちはグラスを掲げてオルペウスに敬意を表する("We Raise Our Cups")。
使用楽曲

出典:[2]
ニューヨーク・シアター・ワークショップ

このプロダクションの楽曲は新曲または2010年のコンセプト・アルバム『Hadestown』に収録されていたものである。ただし「"Any Way the Wind Blows"」はのちのミッチェルのコンピレーション・アルバム『Xoa』に収録されるものである。


第1幕


"Any Way the Wind Blows"† ? フェイトたち、エウリュディケー

"Road to Hell"‡ ? ヘルメース, カンパニー

"Come Home With Me"†‡ ? オルペウス, エウリュディケー

"Wedding Song"† ? エウリュディケー, オルペウス

"Epic I"†‡ ? オルペウス, カンパニー

"Livin' it Up on Top"‡ ? ペルセポネー, オルペウス, ヘルメース, カンパニー

"All I've Ever Known"‡ ? エウリュディケー, オルペウス

"Way Down Hadestown" ? ヘルメース, ペルセポネー, オルペウス, エウリュディケー, フェイトたち, ハーデース

"Epic II" ? オルペウス

"Chant"‡ ? オルペウス, ペルセポネー, ハーデース, エウリュディケー, カンパニー

"Hey, Little Songbird" ? ハーデース, エウリュディケー

"When the Chips are Down" ? フェイトたち, エウリュディケー

"Gone, I'm Gone" ? エウリュディケー, フェイトたち

"Wait for Me" ? オルペウス, ヘルメース, カンパニー

"Why We Build the Wall" ? ハーデース, カンパニー


第2幕


"Our Lady of the Underground" ? ペルセポネー, カンパニー

"Way Down Hadestown II"‡ ? ヘルメース, エウリュディケー, フェイトたち

"Flowers"† ? エウリュディケー

"Come Home With Me II"†‡ ? オルペウス, エウリュディケー, フェイトたち

"Papers"† ? ハーデース, ヘルメース, オルペウス

"Nothing Changes"† ? フェイトたち

"If It's True"† ? オルペウス, ヘルメース

"How Long?"† ? ペルセポネー, ハーデース

"Chant" (reprise)‡ ? ヘルメース, オルペウス, ハーデース, ペルセポネー, エウリュディケー, フェイトたち

"Epic III" ? オルペウス, ハーデース, カンパニー

"Lover's Desire"† ? Instrumental

"Word to the Wise"‡ ? フェイトたち

"His Kiss, The Riot" ? ハーデース

"Promises"‡ ? オルペウス, エウリュディケー

"Wait for Me" (reprise)‡ ? ヘルメース, ペルセポネー, ハーデース, エウリュディケー, フェイトたち

"Doubt Comes In" ? フェイトたち, オルペウス, エウリュディケー

"Road to Hell" (reprise)‡ ? ヘルメース

"I Raise My Cup"† ? ペルセポネー


† オリジナル・キャスト・レコーディングには含まれない
‡ 原曲
カナダ、アルバータ州エドモントンのシタドル・シアター


第1幕


"Road to Hell I" ? ヘルメース, カンパニー


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