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クマのプーさん
Winnie-the-Pooh
アーネスト・ハワード・シェパードによる1926年のプーの絵
作者A.A.ミルン
国 イギリス
アメリカ合衆国
言語英語
ジャンル児童文学
シリーズクマのプーさん
初出情報
初出第1章-『イヴニング・ニュース』1925年12月24日・クリスマス特集号(挿絵:J. H. ダウド)
「イーヨーの誕生日」-『ロイヤルマガジン』1926年8月号、『ニューヨーク・イヴニング・ポスト』1926年10月9日号
刊本情報
刊行 イギリス メシュエン社(Methuen Publishing) 1926年10月14日 挿絵:E.H.シェパード
アメリカ合衆国 ダットン社(E. P. Dutton) 1926年10月21日
シリーズ情報
前作ぼくたちがとてもちいさかったころ
次作プー横丁にたった家
日本語訳
訳者石井桃子
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『クマのプーさん』(英: Winnie-the-Pooh)は、1926年に発表されたA・A・ミルンの児童小説。クマのぬいぐるみでハチミツ好きの「プー」と、森の仲間たちとの日常が10のエピソードによって描かれている。
1928年には同様の構成をもつ続編『プー横丁にたった家』も発表された。『クマのプーさん』のシリーズはこの二つの物語集と、その前後に発表された二つの童謡集『ぼくたちがとてもちいさかったころ』『ぼくたちは六歳』の計4冊からなっており[1][注釈 1]、挿絵はいずれもE.H.シェパードが手がけている。
A.A.ミルンはこの作品を自身の息子クリストファー・ロビン・ミルン(英語版)
が持っていたテディ・ベアから着想した。この児童小説とそのキャラクターは発表当時からひろく人気を集め、多数の言語に翻訳されて、いまなお世界中で読み継がれている。1960年代からはディズニーによって一連のくまのプーさんシリーズのアニメーションが作られ、原作の知名度に大きく貢献した。ディズニー版では「Winnie the Pooh」とハイフンが脱落した表記が使われており、日本では「くまのプーさん」の表記が作品・キャラクター双方で用いられている。
成立「ウィニー・ザ・プー」の名前の元となったカナダマニトバ州ウィニペグから来た熊の「ウィニー」と、元の飼い主のコルバーン中尉
『クマのプーさん』は1926年、作者A.A.ミルンが40代のときに刊行された。ミルンはすでに風刺雑誌『パンチ』の副編集長および同誌で活躍するユーモア作家としてのキャリアを経ており、1924年に子供向けの著作としてはじめて手がけた童謡集『ぼくたちがとてもちいさかったころ』(When We Were Very Young)[2]が高い評価を受けていた[3]。
この童謡集は当時3歳だった自分の息子クリストファー・ロビン・ミルン(英語版)のためにつくった童謡をあつめたもので、のちに「プー」となる彼のテディベアも「エドワード・ベア」の名称で「テディ・ベア」という詩のなかで顔を見せている(この詩の初出は『パンチ』1924年2月号)[4][注釈 2]。