プロレス
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雑誌については「週刊プロレス」を、ゲームソフトについては「プロレス (任天堂)」をご覧ください。

プロレスは、リングで観客へ見せることを目的とした攻防を展開している、格闘技を基本としたスポーツパフォーマンスアートエンターテインメントもしくは、その試合を複数展開することにより開催されている興行のことである。プロレスリング(Pro-Wrestling)とも呼ばれている。正式名称はプロフェッショナルレスリング(Professional Wrestling)[1]。興行レスリング、職業レスリングとも呼ばれている[2][3][4][5]。古くは西洋相撲(角力)と呼ばれていた[6]アメリカなどではレスリングとも呼ばれている。メキシコではルチャリブレ[7]ヨーロッパではキャッチ・アズ・キャッチ・キャンと呼ばれている。

試合は投げ技打撃技関節技絞め技フォール技、時には凶器などを用いて行われて試合において闘う者をプロレスラーもしくはレスラーと呼ばれている。

アメリカ、メキシコ、日本などにおいて歴史があり複数のプロレス団体が存在している。この他にカナダオーストラリアイギリスドイツロシアイタリアスペインフィンランドオーストリアニュージーランドなどで盛んとなっている。プロレス団体がない国においてもテレビインターネットを通じて世界中の人にも楽しまれている。
概要

興行会社が試合、その他で構成される興行を開催することで観戦料などの収入を得る。プロレス業界において興行会社は「団体」と呼ばれている。女性のプロレスラーの行うプロレスは「女子プロレス」と区別されている。それ単独での興行は存在しないものの、低身長症のプロレスラーが行うプロレスは「ミゼットプロレス」と呼ばれている。

事業収入を得ないアマチュア組織も存在して、中でも学生の愛好家によるものは学生プロレスと呼ばれる。本来、メキシコを除いてはライセンス制度が無いため厳密にアマチュアとプロを分類することは不可能であるが、強いて分類するなら観戦料徴収の有無で分けることが出来る。アマチュアプロレスは地域の催事ないしは祭事でプログラムの一環として行われることが多く、「アマチュアプロレス」という表現が矛盾していることもありプロではないがプロと同じ形式という意味で「プロスタイルレスリング」、「ノンプロ」との合成語として「ノンプロレス」と表現されることもある。1つの地域に重点を置く地域密着型と都市圏を中心に全国を回る巡業型がある。

勝敗を競う形式を取るがアメリカのWWEはあらかじめ作られた台本に則って行われている「エンターテインメント」であることを明らかにしている。理由としては、筋肉増強剤などの昨今のプロスポーツと薬物の問題が根底にあるが、その他にも、スポーツ委員会よりも興行(娯楽)として登録する方が保険料が低く済み経費削減に繋がることや株式上場の際に経営透明化という観点から業務内容を公開する必要があったためである。1950年代にフランスで活動したロジェ・ドラパルトは、プロレスの持つ競技牲と演劇性を「プロレスは75パーセントのスポーツと25パーセントのスペクタルがなければならない、その逆はない」[8] と例えている。

歴史的に活動が盛んな地域としてはアメリカ、カナダ、日本、プエルトリコ、メキシコが挙げられる。アメリカではプロレスでもレスリングでも「レスリング」と呼ぶが、プロレスのみを指す場合はショー・ビジネスのそれとして「ラスリン」と南部訛りで呼ぶことがある[注 1]
運営
事業内容

エンターテインメント産業とほぼ同じ事業形態で運営が行われている。
事業形態

球場、体育館、イベントホール、屋外などを会場とし、そこにリングや周辺器材(フェンス、椅子等)を設置して有料で試合を観戦させる「興行」が主な事業である。会場の規模と観客数は団体や興行規模により様々であり、数万人を動員することもあれば、数十人程度の観客を相手にすることもある。WWEのレッスルマニア32では10万人を超える動員に成功している。1つの興行で5試合から10試合を行うことが多い。多くの団体はこのような興行を複数回実施する、シリーズと呼ばれる企画を年間複数回組み、選手と従業員、機材は全国を移動しつつこれを開催する。これを「巡業」と呼ぶ(巡業については後述)。また、経済的あるいは他の事情から巡業を行わないプロレス団体も存在して、団体が所有してリング等を設置している「常設会場」を使用するか、限られた地域にて営業している会場を使用している。
事業収入
観戦料
観戦の際必要になる有料入場券(チケット)の売り上げ。自主興行では事業収入の重要な柱の一つである。価格は3,000円から20,000円程度と幅広く、興行の規模や席種により変動し、10万円以上の値を付けることもあり、
WWEの最大イベントレッスルマニア」では最も高額なリングサイド席で2,000ドルにもなる。地方興行などではコンサート同様にスーパーコンビニで割引優待券が配布されていることもある。一部団体が当日会場のみで発売される小中学生料金は、全席指定である新日本プロレスの様に前売券の残余を発売(この場合は席の指定や連番での購入は不可。前売時点でチケットが完売した場合は発売されない)する場合もあるが、ほとんどの団体は自由席もしくは立見など観戦エリアが指定されている。また、他のスポーツ興行と同様に、法人顧客にある程度まとまった数を販売し、法人が自身の顧客に対して販促の一環として配布したり余れば福利厚生の一環として従業員に配布することもある。なお、ビッグマッチを除き、地方興行ではプレイガイドでの販売数はそれほど見込めないため法人営業力の重要性は高い。また、選手自らチケットを販売(手売り)する事も珍しくなく、主にインディー団体においては、それが選手の収入に繋がっていることもある。なお、人望のあった選手などが重い病気や重度の負傷、リング内外の事故により事実上の廃業、あるいは長期欠場を余儀なくされた時、その選手やその家族のために闘病、療養費用などの一助にしようと選手有志や縁のあった団体などの協力という形で選手のための興行が行われ、観戦料などの収益がその選手に渡されることもある(ガンで引退した冬木弘道引退試合など)。
グッズ販売
プロレス団体がTシャツタオルなどの衣料品、パンフレット等を製作して販売することによって得る収入。会場の売店での販売が中心だがスポーツショップや通信販売で販売を行うプロレス団体も多い。また、会場の特設売店やイベントで選手が購入者へサインを贈る等のファンサービス販促を行うこともある。これらは粗利が高く日銭を稼ぐことが出来るため、零細団体ほど比重が高くなる。グッズが製作できなくなるとプロレス団体は経営的に破綻寸前であることが多い。それ以外にも、ゲームソフトなどのロイヤリティーも含まれる。
コンテンツ販売
試合を収めたDVDの販売、インターネットでの配信を行うプロレス団体もあり、アメリカのインディー団体では映像ソフトにパッケージという目的を持って試合を行う場合もある。近年ではネットによる動画配信からの収入が無視できない規模になっており、例として新日本プロレスは月額制動画配信サイト「新日本プロレスワールド」で10万人超の会員を抱え、大きな収入の柱の一つとなっており[9]、多くの大手団体が月額制動画配信サイトを運営している。また、携帯電話サイトの有料会員向けに待ち受け画像、着声などを配信するケースも増えている。
広告料
リングやパンフレットなどの広告スペース料や冠興行での協賛金など[10]。場合によってはスポンサーとのタイアップ広告が打たれることもある[11][12]
テレビ放映料、PPV販売
試合映像の放映権やPPVを販売して得る収入。かつては地上波テレビ放送が無いプロレス団体では経営が成り立たないと言われていたが[13]UWFがビデオ販売でヒットを飛ばしたことやケーブルテレビ、CSで放送される有料専門チャンネルの増加などから必ずしも地上波での放送がなくとも経営ができるようになった。また、多くの団体ではビッグイベントをケーブルテレビやインターネットでのPPV方式で販売して収入に直結させている。近年ではYouTubeなどの無料動画配信サイトで動画を配信し、そのサイトから支払われる広告料を収入の柱とすることもある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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