この項目では、機械装置について説明しています。その他の用法については「プロペラ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
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やノートページでの議論にご協力ください。プロペラ (propeller) は、飛行機や船などに装備され、原動機から出力される回転力を推進力へと変換するための装置である。
揚力を得るための複数枚のブレード(羽根)、ブレードを支持するとともにシャフトからの出力を伝えるハブ、その他の部品によって構成される。スクリューとも呼ばれる舶用のものについてはスクリュープロペラの記事を参照
回転数を上げることでパワー(推力・速度)を上げることができるが、後述のように空気中でも水中でも限界がある。 真空中では、プロペラが感じる速度は回転速度だけである。しかし流体中では、回転速度と周囲の流れとをベクトル的に合成したものになる。 回転中のブレードの流れに対する相対速度は、先端ほど大きい。揚力を効率よく発生させるために、先端に行くほど各翼素の回転中の迎え角が小さくなるよう、ねじり下げ
理論
航空機のプロペラ「プロペラ機」も参照
レシプロエンジン(ピストンエンジン)かターボプロップエンジンに取りつけて使用される(プロップ = prop はプロペラ propeller のこと)。初期のプロペラは木製だったが、戦争に飛行機が使われだすとブレードの部分を真鍮で覆って自機から発射する弾丸からガードするようになり[注 1]、戦時中の機体にはこの仕様が多くなった。やがて全体が金属製となり、可変ピッチのプロペラが考え出され、より効率的なものへと進歩していった。 ジェットエンジン登場以前、飛行機の推進装置はレシプロエンジンとプロペラの組み合わせが一般的だった。二度の世界大戦を経て航空技術が大きく進歩し、機体の速度が高くなると、飛行速度と回転速度の合成であるプロペラの対気速度、特に先端での速度が音速に近づき始めた(遷音速領域)。ブレードの一部が音速を超えると衝撃波が発生し、効率が大きく低下する。そのため、プロペラ先端での合成速度が遷音速になるような速度の飛行には、プロペラではなくジェットエンジンを使うことが一般的となっている。ジェットエンジンは空気取り入れ口でいったん気流の速さを音速以下に下げるため、ファンやコンプレッサーブレード先端(の合成速度)が超音速となって効率が悪化することはない。 プロペラはエンジンに比べ安価で簡単に交換できることもあり、低コストで性能を向上する手段として機体の購入後にプロペラを交換するユーザーもいる。プロペラと関連機器はダウティ・ロートルとハーツェル・プロペラが大きなシェアを占めている。またベストセラー機であるセスナ 172に採用されたマコーレイ・プロペラ・システムズ
歴史
第一次世界大戦時の戦闘機フォッカー Dr.Iの2枚プロペラ。木製でハブとブレードが一体となった固定ピッチ。
第二次世界大戦時の零式艦上戦闘機の金属製3枚プロペラ。可変ピッチ。
セスナ 172Sの金属製2枚プロペラ。固定ピッチ。
エアバス A400Mの複合材料製8枚プロペラ。可変ピッチ。後退角付き
種類整備中のP-3C。プロペラはフルフェザーとなっている飛行中に右端のエンジンを停止しフルフェザーにしたオーストラリア空軍のAP-3C
ピッチが固定のものと、ピッチを変えられるもの(可変ピッチプロペラ)とに大別できる。可変ピッチのものでも、ピッチの切り替えを手動で行うものと、状態に合わせて自動的にピッチ調節がなされるものとがある。
固定ピッチプロペラ
ブレードのピッチが固定されたもの。木製や初期のアルミ合金製のものなど。竹とんぼや模型航空機用もこの類。
選択ピッチプロペラ
離陸時(低ピッチ)と巡航時(高ピッチ)の2段階や、多段階にピッチを切り替えられるようなもの。
定速(恒速)プロペラ
ピッチでなく回転数を選択するもの。ピッチの調節はプロペラガバナにより回転数を保持するように自動的に行われる。選択した回転数(回転速度)を一定に保つので「定速」と呼ばれる。文献によっては「恒速プロペラ」とも表記する。
可変ピッチプロペラの中には次のような機能を備えたものもある。
リバースピッチ
負の迎え角にすることで逆向きの揚力(つまり後ろ向きの推力)を発生させる機能。着陸直後にピッチをリバースにすることで着陸滑走距離を短縮できる。ジェットエンジンにおけるスラストリバーサと同様の機能。接地よりも地上数十メートル手前でリバースピッチにして急減速する操縦テクニックもある。
初期には機体と同じく木材が使われており、家具メーカーや楽器メーカー(ヤマハ)など木材加工技術を有する企業が製造していた[1]。 後にアルミニウム合金を鍛造したものが主流となった。当初は基本的に中実であったが鋼製の中空ブレードが考案され、次第に中空が基本となった。
フェザリング
フルフェザーとも。エンジンが故障で停止したときやロイター飛行時、地上係留中などプロペラが回転しない状態での空気抵抗を最小にするために、風とブレード面をほぼ平行に(迎え角がゼロ揚力角となるように)して固定する状態。
ブレード第二次世界大戦時の戦闘機 スピットファイアMk. IX(マーク9)のプロペラ。ブレードは4枚だった。Mk. XIV(マーク14)ではエンジンの出力増大に合わせて5枚となった。更に後期のモデル(シーファイア)では3枚×2 = 6枚の2重反転プロペラとなる。
材料