プロテウス
Proteus
ボイジャー2号の画像(1989年撮影)
仮符号・別名S/1989 N 1
Neptune VIII
見かけの等級 (mv)19.7[1]
分類海王星の衛星(規則衛星)
発見
発見日1989年6月16日
発見者ボイジャー2号
S・P・シノット
軌道要素と性質
元期:1989年8月18.5日
軌道長半径 (a)117,647.0 ± 1.0 km[2]
近海点距離 (q)117,584.6 km
遠海点距離 (Q)117,709.5 km
離心率 (e)0.000531 ± 0.000086[2]
公転周期 (P)1.12231477 ± 0.00000002 日[2]
平均軌道速度320.765626 ± 0.000005°/日[2]
軌道傾斜角 (i)0.524°(海王星赤道面に対して)
0.0258 ± 0.0069°[2]
(ラプラス面
プロテウス[8][9](英語: Proteus、ギリシア語: Πρωτ?α?, Neptune VIII)は、海王星の第8衛星である。海王星の衛星の中では2番目に大きく、また海王星で最も大きな内衛星(英語版)である。1989年に探査機ボイジャー2号によって発見された。ギリシア神話で姿を自由に変えられる海神のプローテウスにちなんで名付けられた。プロテウスは、海王星のほぼ赤道面を公転し、海王星の赤道半径の約4.75倍離れた軌道を公転している。
プロテウスの形状は、直径が 400 km を超える主に氷から成る天体であるにもかかわらず楕円体とは大きくかけ離れており、いくつかの窪んだ面と 20 km の起伏を持った多面体のような形状をしている。表面は暗く灰色じみており、大量のクレーターがある。プロテウス最大のクレーターは、直径が 230 km 以上のファロス (Pharos) である。大きなクレーターに関連して、いくつかの崖や溝、谷も存在している。
プロテウスはおそらく、海王星と共に形成された天体ではない。プロテウスは、海王星最大の衛星トリトンが捕獲されたときに形成された破片が後に合体して形成された可能性がある。 プロテウスは、宇宙探査機のボイジャー2号が1989年8月に海王星をフライバイする2ヶ月前に撮影した画像から発見された[10]。発見は同年7月7日に国際天文学連合のサーキュラーで公表され、S/1989 N 1 という仮符号が与えられた[11]。発見報告においてスティーヴン・P・シノットとブラッドフォード・A・スミスは「21日間にわたって撮影された17フレーム」とのみ伝えたため、発見日はそれだけ前に遡った6月16日以前ということになる[11]。 1991年9月16日に、ギリシア神話における姿を変えることができる海の神プローテウスに因んで、現在の名称が命名された[12]。また Neptune VIII という確定番号が与えられた[12]。 プロテウスは、海王星から海王星半径の4.75倍とほぼ等しい距離を公転している。軌道の離心率は小さく、海王星の赤道からは約0.5度傾いている[2]。プロテウスは、海王星の順行する規則衛星の中では最大である。自転は公転周期と同期しており、これは常に片面を海王星に向けていることを示している[4]。 プロテウスは海王星で2番目に大きな衛星である。直径は約 420 km あり、これは2番目に発見されたネレイドよりも大きい。しかし海王星にとても近く、海王星が反射した太陽光の中に隠れていたため、地上の望遠鏡からは発見されなかった。プロテウスの表面は暗く、その幾何アルベドは約10%しかない。紫色から緑色にかけての波長で反射率が大きく変化しないので、表面の色は灰色じみていることになる[4]。波長約 2 μm の近赤外線波長ではプロテウスの表面の反射率が低くなるため、炭化水素やシアン化物などの複雑な有機化合物が存在している可能性がある。これらの化合物は、海王星の内衛星が低アルベドであることに関与している可能性がある。プロテウスはかなりの量の水の氷を含んでいると考えられているが、分光学的にはそれらは表面から検出されていない[13]。
発見と軌道
物理的特徴