AKT1
Akt1と阻害剤の複合体の結晶構造のリボン図[1]
識別子
略号AKT1
Entrez
AKT2
Akt2と阻害剤の結晶構造[2]
識別子
略号AKT2
Entrez(英語版)208
HUGO392
OMIM164731
RefSeqNM_001626
UniProtP31751
他のデータ
遺伝子座Chr. 19 q13.1-13.2
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AKT3
識別子
略号AKT3
Entrez(英語版)10000
HUGO393
OMIM611223
RefSeqNM_181690
UniProtQ9Y243
他のデータ
遺伝子座Chr. 1 q43-44
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プロテインキナーゼB (英: protein kinase B、略称: PKB)は、グルコースの代謝やアポトーシス、細胞増殖(英語版)、転写、細胞遊走といった複数の細胞プロセスにおいて重要な役割を果たすセリン/スレオニンキナーゼで、Aktとしても知られる。 Akt1
ファミリーのメンバー(アイソフォーム)
Akt2(英語版)は、インスリンシグナル経路において重要なシグナル伝達分子であり、グルコース輸送の誘導に必要とされる。Akt1を欠損しているがAkt2は正常なマウスでは、グルコースの恒常性は影響を受けない一方、マウスの体は小さくなり、これはAkt1の成長における役割と一致している。反対に、Akt2を持たず正常なAkt1を持つマウスでは、軽度の発育不全と糖尿病の表現型(インスリン抵抗性)が生じ、Akt2はインスリンシグナル経路に対してより特異的に機能するという考えと一致している[5]。
Aktのアイソフォームはヒトのさまざまな腫瘍で過剰発現しており、ゲノムレベルにおいても胃腺がん(Akt1)、卵巣がん(Akt2)、膵がん(Akt2)、乳がん(Akt2)で増幅が確認されている[6][7]。
Akt3(英語版)は主に脳で発現しているようであるが、その機能ははっきりしない。Akt3を失ったマウスは脳が小さくなることが報告されている[8]。 Akt1はPI3K/AKT/mTOR経路 Aktは、PHドメイン PIP3を介して正しく膜に配置されたAktは、PDPK1
調節
リン脂質への結合
リン酸化
活性化されたAktは、そのキナーゼ活性によって多数の基質(mTORなど)を活性化または不活性化し続ける。
AktはPI3Kの下流のエフェクター分子であるだけでなく、PI3K非依存的な方法によっても活性化される[14]。非受容体型チロシンキナーゼであるACK1(TNK2)はAktのチロシン176番残基をリン酸化し、PI3K非依存的な活性化を引き起こす[14]。インスリン存在下では、cAMP量の増加によってプロテインキナーゼA(PKA)を介してAktが活性化されることが、研究からは示唆されている[15]。 Aktは通常、ターンモチーフに位置するスレオニン450番残基が翻訳時にリン酸化される。この残基がリン酸化されていないときは、Aktは正しくフォールディングしない。450番残基がリン酸化されず、誤ったフォールディングがなされたAktは、ユビキチン化されてプロテアソームによって分解される。また、IGF-1への応答によってスレオニン308番残基とセリン473番残基がリン酸化されると、ユビキチンリガーゼ(E3リガーゼ)であるNEDD4によって部分的なユビキチン化がなされる。リン酸化されてユビキチン化されたAktはプロテアソームによって分解される一方、その一部はユビキチン依存的に核へ移行し、基質のリン酸化を行う。
ユビキチン化