プロセス神学(プロセスしんがく、英語:process theology)は、アメリカで発生した「プロセス哲学」と結びつける形で、世俗神学
に対抗するものとしての神学を再建する神学者たちのグループの神学である。プロセス神学はホワイトヘッドのプロセス哲学という前提に深い関連がある。
ホワイトヘッドは世界は動的なもので、つねに変化しているものであって、生成が本質存在を含有しているという理念を中心に思想体系を形成した。ホワイトヘッドは神でさえ生成に従属していると考えた。
チャールズ・ハートショーンはホワイトヘッドの理念をさらに発展させて、生成は本質存在、無限、永遠と共に神の属性の一つであるとし、神もまた有限で時間的なものであるとした。ハートショーンは神はプロセスそのものであると言い切った。
このような考えを前提として、デヴィッド・レイ・グリフィン、ノーマン・ピッテンガー、ダニエル・デイ・ウィリアムス、シュバート・オグデン、ジョン・コブ・ジュニアなどの英語圏の急進的神学者が提携し、プロセス神学のグループを形成した。
日本在住の神学者としては、福音主義神学とプロセス神学の関係を研究しているステパノ・フランクリンがいる。
参考文献
ハーヴィ・M・コーン著、松田一男訳『現代世界神学』聖恵授産所、1985年
関連項目
ステパノ・フランクリン
表
話
編
歴
現代神学(プロテスタント)
キリスト教神学の概要
自由主義神学
創始者
J・ゼムラー(提唱者)。カント 。ヘーゲル 。F・シュライアマハー(近代神学の父)。J・C・ホフマン(救済史的研究)
リッチュル学派
A・リッチュル(道徳的宗教)。A・ハルナック 。W・ヘルマン 。J・カフタン
チュービンゲン学派
(古自由主義神学)
D・シュトラウス 。K・ラハマン 。H・ホルツマン 。F・C・バウア 。H・グンケル 。W・ブセット 。W・ヴレーデ 。J・ヴァイス 。W・ハイトミュラー
宗教史学派
J・ヴェルハウゼン 。H・グレスマン 。O・アイスフェルト 。G・フォン・ラート 。M・ノート 。A・アルト
様式史研究
R・ブルトマン 。M・ディベリウス 。E・ケーゼマン 。G・ボルンカム 。高等批評 。本文批評 。史的イエス 。非神話化 。二資料仮説 。生活の座
編集史研究
H・コンツェルマン 。バートン・L・マック 。荒井献 。田川建三 。Q資料
新正統主義
カール・バルト 。E・ブルンナー 。D・ボンヘッファー 。R・ニーバー 。ユニオン神学校
救済史学派
オスカー・クルマン
存在の神学
P・ティリッヒ
世俗神学
H・コックス 。T・アルタイザー 。W・ハミルトン(神の死の神学)
希望の神学
J・モルトマン
歴史の神学
J・B・メッツ 。グスタボ・グティエレス
プロセス神学
A・ホワイトヘッド 。C・ハートショーン 。D・R・グリフィン 。S・T・フランクリン
関連項目