『プロジェクトA子』(プロジェクトエーこ)は、創映新社製作のアニメ映画。1986年6月21日に松竹富士系にて公開された。併映は『旅立ち 亜美・終章』。 学園、さらには街、宇宙船を巻き込んでいくバイオレンスギャグ作品で、映画公開後の続編がOVAで制作された。本作は実質的なシナリオライターは存在せず、監督の西島克彦と作画監督の森山ゆうじが1/3ほどのストーリーを練り上げ、森山が絵コンテを描きながらストーリーを進め、西島がチェックを入れる形で制作された。 元は『くりいむレモン』の1本として企画がスタートした。このため初期の脚本では濡れ場が存在している[1]。 音楽はアメリカンサウンドを取り入れロサンゼルスで収録、リッチー・ジトー
概要
タイトルの由来はジャッキー・チェン主演映画の『プロジェクトA』である。
当時ラポート社から発行されていたアンソロジー本には、萩原一至の作品が掲載されている。 200X年。16年前の隕石落下による大破壊から、ようやく復興した東京。ある日、女子高校・グラビトン学園に2人の少女が転校してくる。一人は並外れたパワーを持つ摩神英子(A子)。もう一人は能天気で子供のような寿詩子(C子)。クラスメイトとなった美人で頭脳明晰な大徳寺美子(B子)は一目でC子のことを気に入り、A子といつも行動しているC子を自分のものにしたいと思う。その後、B子は3人が同じ幼稚園だった事、そして当時A子に決闘を申し込んだが、A子が引越ししたために果たせなかった事を思い出す。翌日、B子はC子をかけた決着をつけようと、自分の開発したメカと共にA子を校門前で待ち構え、宣戦布告。A子とB子の戦いが幕を開ける。時を同じくして、巨大な謎の宇宙船が地球に飛来しようとしていた。 巨大宇宙船は大破し、シティタワーに突き刺さった状態で宙ぶらりんになった。キャプテン達は宇宙船を巨大アミューズメントセンターにし、併せて巨大宇宙船の修復をA子達に懇願していた。一方、B子の父大徳寺輝は、宇宙船を乗っ取りそのテクノロジーを我が物にしようと画策、司令長官と共闘し、さらにB子設計の巨大メカ「クインマルガリータ」を使い輝の邪魔をするA子に迫る。 大徳寺輝による宇宙船乗っ取りは失敗し、巨大宇宙船は娯楽施設として繁盛していた。A子達も平穏な生活に戻りつつあったが、そんな時、A子、B子はK君という男性に出会いそれぞれ恋焦がれる。一方、C子は二人から疎外されつつあると寂しい思いをするのであったが… A子、B子、C子達はいつもと変わらぬ生活を送っていた。しかし、宇宙には明らかに異変が起きつつあり、防衛軍は警戒態勢を敷いた。そして遂に巨大宇宙船の大艦隊が地球に来襲する。一方、K君は大徳寺輝の画策で亜弓先生とみ合いをすることになった。それを阻止しようとするA子、B子。乱闘の中、宇宙船から一人の女性がC子の前に現れるのだった。
ストーリー
プロジェクトA子
プロジェクトA子2 大徳寺財閥の陰謀
プロジェクトA子3 シンデレラ?ラプソディ
プロジェクトA子 完結篇
登場人物
摩神英子[2](まがみ えいこ)
声:伊藤美紀声優の伊藤美紀の初主演作品となる。以前の学校で問題を起こし、C子と共にグラビトン学園に転校してくる。過去の隕石落下の影響で人間離れした怪力と肉体的な頑強さを手に入れる。リストバンドは怪力を押さえ込む為の重り。C子とは友情で堅く結ばれている。小説版では父親がスーパーマンであるかのような描写がある。本編でも両親ともに日本人離れした容姿で描かれており、父親は『デイリー・プラネット
大徳寺美子(だいとくじ びいこ)
声:篠原恵美声優の篠原恵美のデビュー作品となる。通称B子。大富豪のお嬢様で、グラビトン学園では生徒会長を務め、全校のマドンナ的存在。高飛車な性格で、C子を巡ってA子と対立する。頭脳明晰で、A子の怪力に対抗すべく自ら開発したパワードスーツを着込み騒動を起こす。A子との関係はC子を巡って当初は極めて険悪であったが、B子の恋愛感情がK君にも移るあたりから、良きライバル関係に近いものになっていった。幼稚園でA子・C子に出会っており、その時にA子に味わわされた屈辱をいまだに憶えている。開発するメカのデザインセンス、ネーミングセンスは共に(作中評価では)最悪であり、一般人やC子にすら古臭くダサいと評されるほどである。角川スニーカー文庫版では同性愛者で、C子を巡ってA子と対立関係になる。設定資料集によると本編終了6年後は大学院に在籍している。さまざまな研究は美学や無茶ぶりが災いして学会からは無視され続けているとのこと。結婚話は断った。
寿詩子(ことぶき しいこ)
声:富沢美智恵通称C子。A子とは親友で、いつも一緒に行動している。前の学校で事件を起こして転校する事になったA子にくっついて、グラビトン学園にやってきた。天涯孤独の身の上で一人暮らしをしていたが、実は異星人のお姫様であり、彼女を探して地球を訪れた異星人に拉致(回収)されてしまう。ムック等に書かれた設定では裕福な老人の養子だったが、その老人もすでに故人であるとのこと。角川スニーカー文庫版では出生の秘密は特に語られなかった。同作では同性愛者で、A子とは恋人同士。設定資料集によると本編終了6年後はA子らと別れた事もあり異星人の宇宙船に入り浸りそのまま住み付き、仕事内容を一切理解しないまま異星人らの高級売春宿のマダムに就任した。セクシーな美女に成長している。
安土亜弓(あづみ あゆみ)
声:向殿あさみA子、B子、C子たちのクラスの担任教師。モデルは「クリィミーマミ」で、怒ると本家の様に毛が逆立つ。
キャプテン・ナポリポリタ
声:池田秀一巨大宇宙船の艦長。その衣装はキャプテン・ハーロックを彷彿とさせる。実は女性。宇宙船墜落後はDとともに再建に四苦八苦する。
D
声:玄田哲章巨大宇宙船から派遣された筋骨隆々な諜報員。実は女性である。腕力は相当なものだがA子には及ばなかった。
B子の子分
真理(まり)
声:郷里大輔/池本小百合B子の手下の1人。北斗の拳に登場するかのような筋肉質の身体をセーラー服に包んでいる。ちゃんとしたセリフは池本が担当し、唸り声や言葉にならない声は郷里が担当している。企画時には男性キャラで「北東野 健」という名で、ムックでは別名として「北東野 拳子」との名前も書かれている。
あさ
声:小粥よう子B子の手下の1人。物語冒頭で真理とともにA子に挑むが、真理の攻撃の巻き添えを喰いあっけなく敗退。
いね
声:鷹森淑乃B子の手下の1人。モデルは西島克彦。B子製作のパワードスーツを着込みA子に挑むが敗退。
うめ
声:林原めぐみB子の手下の1人。B子製作のスーパーロボット「MAX5000」に乗り込みA子に挑むもコクピット機構に致命的欠陥があり何もできないまま敗退。設定には「森沢優17(18との記述も)歳」との書き込みがある。なお、B子の手下四人はあくまでB子の命令でA子に敵対しているに過ぎず、彼女らの個人感情としてはA子に対する敵意は殆どない。
地球防衛軍司令長官
声:大木民夫、一作目パイロット版は岡和男(クレジットはなし)。一作目ではシリアスキャラだったが、二作目で大徳寺輝と共闘するあたりからギャグキャラ化し、終盤ではC子の母星艦隊及び大徳寺財閥のいざこざに巻き込まれ疲労し、まさに矢吹丈のごとく燃え尽きた。なお、アンソロジーコミックのもりやまゆうじ執筆ページにて本名が出ているが公式のものかは不明。
ステーション指令長官
声:ばんばひろふみ
アップル隊隊長
声:ばんばひろふみ
パイロット
声:長江健二
工事現場主任
声:長江健二
オペレーター
声:千倉真理
アナウンサー
声:扇一平・竹内靖夫
ナビゲーター
声:三崎由紀・向井亜紀
副司令長官・ステーション大佐・のら犬
声:山口健副司令は一作目ではシリアスキャラだったが、司令長官同様後にギャグキャラ化し、最後は疲労困憊した司令長官に代わり実質軍の指揮をとっていた。なお一作目と完結篇ではキャラクターデザインがかなり違っており、別人の可能性もある(ただし声は同じく山口が担当)。声:富田晃
アベック
声:善財圭一・長尾理保子
生徒
声:吉川知子・吉川由香
大徳寺輝
声:大塚芳忠(一作目パイロット版のナレーションも担当)A子2 大徳寺財閥の陰謀から登場。B子の父親であり、大徳寺財閥の当主。オーバーテクノロジーの塊である墜落した巨大宇宙船を乗っ取ろうと司令長官と共闘する。
結城桂 (K君)
声:玄田哲章A子3 シンデレラ?ラプソディから登場。口数少ない美青年。偶然出あったA子が夢中になる。また、A子を監視していたB子のほうも夢中になり、2人から奪い合われることになるが、K本人の意中の人はC子である。A子3の最後でC子に告白するも、壮絶な返答で振られる。完結篇では、亜弓先生と見合いして気に入られ、例によって自分の意志を表示できず、母親と亜弓先生に流され翌日に結婚式を挙げることになる。