プレシャス
Precious: Based on the Novel Push by Sapphire
監督リー・ダニエルズ
脚本ジェフリー・フレッチャー
『プレシャス』(Precious: Based on the Novel Push by Sapphire)は、2009年のアメリカ映画。サファイアによる小説『プッシュ』を映画化した作品である。監督はこれが長編第2作目となるリー・ダニエルズ。1980年代後半のニューヨーク・ハーレムを舞台に、過酷な環境下で日々を生きる肥満した16歳の黒人の少女・プレシャスがとある教師に出会い人生の希望を見出していく物語である。アメリカの貧困層に焦点を当て、子供への性的・肉体的な虐待、教育の問題などが取り上げられている。
2009年1月のサンダンス映画祭でプレミア上映され、最高賞にあたる審査賞グランプリと、観客賞など3部門で受賞。5月には第62回カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品された。9月のトロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞。サンダンスでのプレミア上映時のタイトルは『Push』だったが、同時期の2月初頭に全米で劇場公開された『PUSH 光と闇の能力者』(Push)との混同を避けるため、『Precious: Based on the Novel Push by Sapphire』に改題された[2]。
主人公のプレシャス役は新人女優ガボリー・シディベ、彼女の人生を導く女性教師をポーラ・パットンが演じる。プレシャスを虐待する母親役をコメディアンのモニークが演じ、サンダンス映画祭で審査員特別賞、第82回アカデミー賞で脚色賞・助演女優賞を受賞。また、ソーシャルワーカー役でマライア・キャリー、看護師役でレニー・クラヴィッツと、有名アーティストが小さな役で出演していることでも話題である。 撮影は2007年10月24日から2008年1月23日[3]にニューヨークで行われた。 主人公のプレシャス役はオーディションで選ばれたガボレイ・シディベ。この作品が実質のデビュー作となる。彼女もプレシャスと同じハーレムの出身[4]で低所得の家庭に生まれ育った[5]。 マライア・キャリーが演じたソーシャルワーカーのワイス夫人役は、当初イギリスの女優ヘレン・ミレンが演じる予定であった[6]。また、キャリーは普段の歌手としての姿とは別人のようなノーメイクと地味な服装で役に挑んでいる[7]。 サンダンス映画祭で話題になった後、ライオンズゲートが配給権を獲得。また、テレビ司会者として全米で絶大な影響力を誇るオプラ・ウィンフリーと黒人映画のヒットメイカーとして多くの作品を監督・製作しているタイラー・ペリーの2人が映画の宣伝を後押ししている。
目次
1 出演者と配役
2 製作
3 主な映画祭上映
4 脚注
5 外部リンク
出演者と配役
ガボレイ・シディベ - クレアリース・“プレシャス”・ジョーンズ
モニーク - メアリー(プレシャスの母親)
ポーラ・パットン - レイン先生
マライア・キャリー - ワイス夫人
レニー・クラヴィッツ - ジョン
製作