「プリンセス・ロイヤル」のその他の用法については「プリンセス・ロイヤル (曖昧さ回避)」をご覧ください。
プリンセス・ロイヤル(Princess Royal[1])は、イギリス君主からその長女に与えられる終身の名誉称号である。フランス王室のマダムロワイヤルを模して作られた制度。 この称号は生涯使用され、称号を授けられた王女の存命中は、代替わりした国王に王女がいてもプリンセス・ロイヤルの称号を与えることはできない。例えば、女王エリザベス2世(ジョージ6世の長女)は、生まれてから即位まで、叔母にあたるメアリー王女が1965年に薨去するまでプリンセス・ロイヤルを名乗っていたため、プリンセス・ロイヤルの称号を受けることはなかった。現時点まで、7人のプリンセス・ロイヤルが存在した[2]。現在のプリンセス・ロイヤルは、エリザベス2世の長女アンである。 この称号は、フランス王女でイングランド王チャールズ1世の妃であったヘンリエッタ・マリアが、自分の長女メアリー・ヘンリエッタ(のちにオラニエ公ウィレム2世の妃、イングランド王ウィリアム3世の母)に、母国フランスで国王の長女に与えられる称号マダム・ロワイヤルに倣った称号を与えて欲しいと願ったことで創設された。称号は王家の認証状(Warrant)で授けられ、特許状(Letters Patent)によって授けられるのではない。 プリンセス・ロイヤルの称号は、在位している君主の判断で授けられる。ジェームズ2世の長女メアリー2世、そしてジョージ1世の一人娘ゾフィー・ドロテアは、プリンセス・ロイヤルの資格があったが、2人とも授けられていない。 画像名前(生没年)期間続柄配偶者
概要
歴代プリンセス・ロイヤル一覧
メアリー・ヘンリエッタ
(1631年 - 1660年)1642年 - 1660年チャールズ1世の長女オラニエ公ウィレム2世
アン
(1709年 - 1759年)1727年 - 1759年ジョージ2世の長女 オラニエ公ウィレム4世
シャーロット・マティルダ
(1766年 - 1828年)1789年 - 1828年ジョージ3世の長女ヴュルテンベルク王フリードリヒ1世
ヴィクトリア
(1840年 - 1901年)1841年 - 1901年ヴィクトリア女王の長女ドイツ皇帝フリードリヒ3世