この項目では、プリンストン大学について説明しています。(プリンストン)高等研究所については「プリンストン高等研究所」をご覧ください。
プリンストン大学
ラテン語: Universitas Princetoniensis
旧称カレッジ・オブ・ニュー・ジャージー
(1746年 - 1896年)
モットーDei Sub Numine Viget(ラテン語)[1]:51
モットー (英語)Under God's Power She Flourishes[1]:51
種別国立大学
設立年1746年
資金約227億ドル(2015年)[2]
学長
プリンストン大学(プリンストンだいがく、英語: Princeton University)は、ニュージャージー州プリンストンに本部を置くアメリカ合衆国の私立大学。1746年創立。学生数は学部生約4800名、大学院生約2000名である。特に、プリンストン大学ウッドロー・ウィルソンスクール(SPIA, 旧WWS)は、ハーバード大学ケネディスクール(HKS)、コロンビア大学国際公共政策大学院(SIPA)などと共に国際公共政策分野における世界最高峰の公共政策大学院の一つである。また、プリンストン高等研究所(IAS)をはじめ、物理学・数学分野の研究では世界最高峰のレベルであり、これまでに約20人のノーベル物理学賞受賞者を輩出している。
アイビー・リーグの中でも特に伝統のあるビッグスリーの1つ。アメリカ全土で認可された大学としては4番目に古く[7]、US Newsランキングにてほぼ毎年全米一位にランクされ続けている世界屈指の名門大学である。2019年12月現在、2人のアメリカ合衆国大統領、68人のノーベル賞受賞者、15人のフィールズ賞受賞者、5人のアーベル賞受賞者、13人のチューリング賞受賞者、209人のローズ奨学生、126人のマーシャル奨学生(英語版)を輩出している。2021年度の入試では全出願者の約4%が入学を許可された[8]。
特に物理・数学の分野で世界トップレベルの研究を行っており、同大学の30-40人のノーベル賞受賞者(卒業者を含む)の内、約20人が物理学賞の受賞者である。Times Higher Educationの分野別世界大学ランキングでも、物理科学 (Physical Sciences) 部門で「世界ランキング1位」を最多で獲得しており、2020年度も3年連続となる単独の世界ランキング1位であった[9]。現在では、フェルマーの最終定理を証明したことで著名な数学者であるアンドリュー・ワイルズ教授が教鞭を執っていることでも有名。同大学が発行する数学誌Annals of Mathematics(英語版)は数学専門誌のなかでも最高峰に位置する。また、社会科学・人文学でも著名な教授が多い。経済学部では2002年度にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンや2008年に同賞を受賞したポール・クルーグマンが在籍し、また人文学においては、93年にノーベル文学賞を受賞したトニ・モリソンが、2006年度まで文学やパフォーミングアーツの授業を教えていた。海外の文学者の招聘にも熱心であり、村上春樹は同大の客員研究員、客員講師などを歴任し、名誉博士号を授与されている。 1746年にニュージャージー大学として設立され、1896年に現在の名称となった。かつては男子校であったが、1969年からは男女共学となった。USニューズ&ワールド・レポートが毎年行っている米国大学ランキングでは、2001年度以降20年間で18回「1位」にランキングされ、2020年度も単独で9年連続となる1位であった。TIMESによるThe Times Higher Education Supplementの世界大学ランキングでも常に最上位にランクされている。学生の教育と最先端研究との両立を成功させている数少ない大学といわれている。大学を中心に、周りでは様々な研究機関が設置されている、全米でも有数のアカデミック・ハブである。なおハーバード大学やイェール大学がプロテスタント清教徒会衆派にその設立がさかのぼるのに対して、プリンストン大学はプロテスタント長老派にさかのぼり、隣接する牧師養成機関であるプリンストン神学校と創立の起源を同じくしている。 伝統のリベラル・アーツ教育を守っており、メディカルスクール、ロースクール、ビジネススクールなど専門職大学院を設置していない(神学、公共政策、工学、建築、金融などの専門職大学院プログラムはある)。 黒いリスがキャンパスを駆け回っているなど、構内と周辺の自然環境が保たれており、近くの森に生息する周期ゼミが17年に一度大量発生すると、キャンパス中がセミの声に包まれるという[注釈 1]。 2010年代、労働省から男女間の賃金格差が生じていることを訴えられる。2012年から2014年にかけフルタイムの教授職にあった女性106人が受け取った給与が、男性教授の給与と比べて少なかったことが根拠となった。2020年、大学は女性教授に未払い分の賃金を支払うことで和解。和解は訴訟が長期にわたることによるリスクを回避するもので、和解に当たり大学が法の精神を順守していたというスタンスを変更することはなく、男女格差の責任を認めることもなかった[10]。 有効な投資を数多く行っているため財政は安定して良好。本校の学費は2011年度のアイビーリーグの中では一番安い[11]。生徒に積極的に奨学金(Scholarship)を出すなど、学費補助(Financial Aid)をしており、このことにより、現在は学部生の60%が何らかの学費援助を得ており、2014年卒業のクラスにおける学費援助額の平均は$36,650となっている[12]。またアイヴィー・リーグでは初のNo Loanシステムを実行したため、卒業後のローン返済に悩まされる学生がいなくなった。2011-2012年度の学部生の学費は年間$37,000である。寮費($6,596)、書籍代($3,600)等を含めると$52,670かかる[13]。
概説
財政