プリムス・ピルス
[Wikipedia|▼Menu]

プリムス・ピルス(ラテン語: prīmus pīlus, プリームス・ピールス)とは、古代ローマローマ軍における階級で、下士官軍団兵の最高位。ケントゥリオ(百人隊長)の筆頭であり、日本語では筆頭百人隊長、首位百人隊長などと意訳されることが多い。ラテン語では、プリミピルス (prīmipīlus) とも呼ばれ、あるいはまれにプリミ・ピリ・ケントゥリオ (prīmī pīlī centriō) などとも表記された(『ガリア戦記』など)。

「プリムス・ピルス」とはラテン語で「第一の槍」という意味である。これは第1の(プリムス)コホルス(歩兵大隊)でトリアリイ(第三戦列)の「槍(ピルス=ピルム)」を受け持つケントゥリア(百人隊)を指揮していたことに由来する。

軍団内の下士官・軍団兵の中で最も階級が高い。定員の2倍の規模を持つ「第1コホルス」を指揮し、軍団長であるレガトゥス・レギオニスの相談役を受け持った。将校に対する兵士の筆頭を務める者として軍団兵から非常に敬意を表された階級である。

プリムス・ピルスを務めた者は退役後、ローマ社会の上流階級の入口である騎士階級の一員として迎え入れられたり、あるいはそのまま将校として軍隊に残り、レギオの事実上の副司令官を務めることもあった。その際には「野営長官(プラエフェクトゥス・カストロルム)」という階級が用意された。

現在の軍隊で言えば最先任曹長と推比されるが、権限などを考慮すると時代考証上大佐に近似すると考えられている。
関連項目

ケントゥリオ(百人隊長)

軍団兵











ローマ軍団/レギオン
役職

指導者

ドゥクス
指揮官

レガトゥス/レガトゥス・レギオニス - トリブヌス/トリブヌス・ミリトゥム
隊長格

プリムス・ピルス - ケントゥリオ - オプティオ - デクリオ
歩兵

ウェリテス - ホプロマクス

軍団一覧

 共和政起源

第1軍団ゲルマニカ - 第2軍団サビナ(アウグスタ) - 第3軍団キュレナイカガッリカ) - 第4軍団マケドニカスキュティカ) - 第5軍団アラウダエ - 第6軍団フェッラタ - 第7軍団パテルナ (クラウディア・ピア・フィデリス) - 第8軍団アウグスタ - 第9軍団トリウムパリス(ヒスパナ) - 第10軍団エクェストリス(ゲミナ) - 第11軍団カルディア - 第12軍団ウィクトリクス

 帝政前期・中期

第1軍団(Legio I)
ゲルマニカ - アディウトリクス - イタリカ - マクリアナ・リベラトリクス - ミネルウァ - パルティカ
第2軍団(Legio II)
アディウトリクス・ピア・フィデリス - アウグスタ - イタリカ - パルティカ - トライアナ・フォルティス
第3軍団(Legio III)
アウグスタ - キュレナイカ - ガッリカ - イタリカ - パルティカ
第4軍団(Legio IV)
マケドニカフラウィア・フェリクス) - スキュティカ
第5軍団(Legio V)
アラウダエ - マケドニカ
第6軍団(Legio VI)
フェッラタ - ウィクトリクス



カテゴリ


記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:8798 Bytes
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef