プラレール
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基本レール(直線レールと曲線レール)

プラレール(英語: Pla-rail)は、タカラトミー(旧・トミー)のTOMYブランドより発売・販売している鉄道玩具である。姉妹品に、自動車玩具のトミカ、小型版プラレールのカプセルプラレール(発売はタカラトミーアーツ)がある。2019年に誕生60周年を迎えた。
概要

トミー時代からの主力商品であり、発売から長年愛されるロングセラー商品である。同社の自動車玩具であるトミカと組み合わせて遊べるように設計されており、トミカと互換性を持たせた商品も発売されている。年に一度、主要都市等で開催されるイベント「プラレール博」は、「トミカ博」と共にトミー(現・タカラトミー)の重要なイベントのひとつであり、多くの来場者を集めている。

「青いプラスチック製のレールの上を、単2乾電池または単3乾電池1本で走る3両編成の列車」が製品の基本構成である。ただし、3両編成に当てはまらないものも発売されている[注釈 1]。主に「鉄道が好きな15歳までの子供」を対象として作られているが、生産が長期にわたるため大人のファンも多数存在しており、市販されていないマニアックな車種を製品化したガレージキットが発売されたこともある。

プラレールの特徴である「単2電池で走る3両編成」は「電動プラ汽車」から確立され[注釈 2]2000年初期まで受け継がれた[1]

1971年からシリーズの見直しとして「電動プラ電車」と「電動超特急ひかり号」を除く車両は絶版となり、湘南電車がモデルの「かいそくでんしゃ」、151系がモデルの「とっきゅう」、そして当時はまだ現役であった「D51きしゃ」が加わった。この年は「D51きしゃ」「EF15でんききかんしゃ」は廃止にならなかったため、「モーターなし」と「フリーデザイン」の設定は全廃された[2]

1980年代国鉄が資金難に陥り始め,新車があまりデビューしなかったのでギミックを取り入れた製品を多く開発しており(新製品も発売はしていたが,「通勤特急」などに代表される165系金型の塗り替え品など、明らかに手を抜いているのがわかるような製品が多く発売された。)、1983年には車内のチャイムを搭載した「メロディープラレール」、1984年には運転体験製品の先駆けとなる「R/Cプラレール」を発売したが、時期尚早だったことや価格が高かったこともあり,数年で生産中止になってしまった[3]。その後、サウンドやギミックを装備した車種は2000年代以降数多く発売されることとなる。

トミカと同じく製品の品番入れ替えが不定期に行われており、音・ライト・カメラなどギミックを搭載した車両もある。キャラクター関係では「きかんしゃトーマス」シリーズや「チャギントン」シリーズ、完全オリジナルである「ハイパーガーディアン」シリーズ、実在の新幹線車両がロボットに変形する「シンカリオン」シリーズなども展開されている。

プラレールは、実際の鉄道現場で運行トラブル対処などの訓練用に用いられる場合もあり[4]、タカラトミーが発行しているカタログで紹介されたことがある。JR東海では2004年東海道新幹線の運転士見習いの研修用に導入し、2006年からは乗務員の訓練にも取り入れられた[4]。JR東海特注の地上信号機の模型も存在する[4]東京メトロ2011年にプラレールを導入しているほか[4]伊豆急行でも2019年にプラレールを導入した訓練を行っている[5]

2019年に60周年を迎えた。
沿革 電動プラ汽車セット(1961年発売)

1958年 ‐ 最初期プラレールのルーツとなった「ハイウェーセット」がとみやま商事株式会社(トミー)より発売される。

1959年 - 「ハイウェーセット」の車両を連結式の列車にした、プラレールの元祖となる、手転がし式の「プラスチック汽車レールセット」が発売。

1961年 - 初の電動式である、「電動プラ汽車セット」発売。この時早くも、前述した定義による編成となった。

1964年 - 東海道新幹線開業により、「夢の超特急ひかり号セット」(手転がし式)、「電動超特急ひかり号セット」(電動式)を発売。なおこの当時は、車体色が赤と白の2色だった。

1967年 - 国鉄103系を模した「電動プラ電車セット」発売。当時は全4色だった。この商品は改良を重ねながら1994年まで継続販売される。1999年にセット品として5色が復刻され、2005年には40周年記念セットとして赤と緑の2色が復刻された。

1971年 - 国鉄181系を模した「プラレールとっきゅう」発売。中間車は「超特急ひかり号」の流用だった。

1972年 - 都電8000形を模した「ちんちんでんしゃ」発売。プラレール史上初の2両編成車両。走行中に「チンチン」と音がなるギミック付き。

1973年 - 「C12ロータリーじょせつしゃ」発売。わずか1年の短命商品だったが、40周年を迎えた1999年に復刻された。

1975年 - 国鉄165系を模した「東海型急行電車」発売。限定品もあり実際の車両と同様カラーバリエーションも豊富。2019年12月をもって生産を終了した。

1975年 - 営団地下鉄千代田線6000系を模した「ちかてつシルバーでんしゃ」発売。この商品は改良を重ねながら、「地下鉄電車」に改称され2003年まで継続販売される。

1977年 - 国鉄485系を模した「L特急」発売。2018年まで発売されていた。また、セットのみの販売などで実際の車両と同様カラーバリエーションが多い。

1978年 - 国鉄C12形を模した「C12蒸気機関車」発売。「C12ロータリーじょせつしゃ」から機関車だけが単品販売されたものであり、現在も発売されている。

1979年 - 「ブルートレイン」発売。牽引機の変更などの改良を加えられながら販売されていた。

1979年 - 国鉄0系新幹線をライト付き車両に模した「ライト付きひかり号」発売。ヘッドライトを点灯しながら走行するプラレールの始祖。

1983年 - 「おどり子号」、「新幹線リレー号」、「通勤特急」発売。「おどり子号」と「リレー号」は当時最新鋭の国鉄185系電車を、「通勤特急」は阪急電鉄6300系を模したものだったが、すべて前述の「東海型急行」の型を使用しており、あまりにも実際の車両とかけ離れていたため不評で、短命に終わる。「通勤特急」は関西地区限定で販売されており、地域限定車種の元祖といえる。

1984年 - コントローラーを使う遠隔操作シリーズの元祖と言える「R/Cぼくはうんてんしゅシリーズ」発売。0系新幹線、200系新幹線、485系電車、165系電車、営団6000系、EF65 + 24系客車の6種。わずか3年で生産中止になった。

1985年 - 国鉄205系を模した「通勤電車」発売。初期製品は二段窓だった。

1985年 - 新幹線100系を模した「ニュー新幹線」発売。当時の大ヒット商品となる。

1987年 - 「ニュー新幹線」を改良した「2スピード新幹線」発売。この年発売の商品から、手転がし可能な2代目動力に変更された[6]

1992年 - 「きかんしゃトーマス」シリーズ発売。現在は継続して発売される。

1995年 - 派生型製品「超特急ヒカリアン」のシリーズ展開が開始。発売初期から2001-2002年版までトミカ・プラレールカタログに掲載された。

1997年 - 10月14日を「プラレールの日」に制定。これを記念して都電6000形を模した「特別限定復刻版ちんちんでんしゃ」発売。以後毎年10月14日には限定復刻版が発売されるようになる。

1998年 - トミー運営の「プラレールファンクラブ」が発足。後に「トミプラクラブ」に統合。

1999年 - プラレール40周年。各地でイベントが開催され、さまざまな限定復刻版商品が発売される。

2000年 - 小型CCDカメラを搭載した「TVで遊ぼう! 僕はプラレール運転手」発売。


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