この項目では、仮説上の惑星について説明しています。2006年まで太陽系第9番惑星として扱われていた惑星については「冥王星」をご覧ください。
その他の仮説上の惑星惑星X、テュケー、仮説上の褐色矮星ネメシスとは異なります。
プラネット・ナイン
Planet Nine
プラネット・ナインの想像図。画像右上が太陽。
その周囲にある環は海王星の公転軌道。
見かけの等級 (mv)>22.5[1]
分類天王星型惑星?
軌道の種類太陽周回軌道
注釈以下の数値は全て推定である
軌道要素と性質
軌道長半径 (a)700 au[2]
近日点距離 (q)約 200 au[2]
遠日点距離 (Q)約 1200 au[1]
離心率 (e)0.6[2]
公転周期 (P)10,000 - 20,000 年[2]
軌道傾斜角 (i)30 ± 20 °[2]
近日点引数 (ω)約 150 °[2]
昇交点黄経 (Ω)113 °[3]
物理的性質
直径26,000 - 52,000 km
半径2 - 4 R?[4]
質量5 - 10 M?[4]
冥王星との相対質量
プラネット・ナイン(英: Planet Nine[2])は、太陽系外縁に存在すると提唱されている大型の天体(おそらく天王星型惑星)の仮称である。軌道の大部分がエッジワース・カイパーベルトの外側を周る太陽系外縁天体の一群を研究する過程で、2014年にその存在が提唱された。2016年1月20日、カリフォルニア工科大学のコンスタンティン・バティギン[5][6][7](コンスタンチン・バトゥイギン(ロシア語版)[8])とマイケル・E・ブラウンは、いくつかの太陽系外縁天体の軌道に関する研究結果から、プラネット・ナインが存在する間接的な証拠を発表した[2]。
この仮説上の天体は、質量が地球の10倍程度,直径は地球の2?4倍程度と予測されており、楕円軌道で太陽を10,000?20,000年かけて公転していると考えられている[9][4]。この天体は、ニースモデルにおいて木星や土星によって外へと弾き出された仮説上の第5巨大惑星(英語版)の可能性もある[2]。その他の仮説としては、別の恒星の周りにあった惑星を捕獲したという説や[10]、自由浮遊惑星を捕獲したという説[11]、また遠方の軌道で形成された後に太陽系の近くを通過した恒星の影響で大きな軌道離心率を持った軌道に引っ張られたという説がある[2][12][13]。
2018年の時点ではプラネット・ナインと思われる天体の観測報告はされていない[14][15]。広視野赤外線探査機 (WISE) やパンスターズの観測データ中からはプラネット・ナインは検出されていないが、太陽系の外縁部に海王星サイズの天体が存在する可能性は否定されていない[9][16]。これらの過去の掃天観測での検出可能性は、プラネット・ナインの位置や特性に依存する。まだ捜索が行われていない空の領域については、WISE の延長ミッションである NEOWISE や、すばる望遠鏡を用いた捜索が進行している[14][17]。 Planet Nine は仮称であり、光学観測などで実在が確認されない限り正式名称は付与されない。確認されれば国際天文学連合 (IAU
名称
2016年のバティギンとブラウンの原論文では、その物体を単に「perturber」(乱す物、摂動を与える物)と呼んでおり[2]、のちの報道向け発表で初めて Planet Nine という仮称を用いた[20]。バティギンとブラウンは他にもヨシャファトやジョージという名前で Planet Nine を呼んでいる。ブラウンはまた「仲間内では 『Phattie』(coolやawesomeを意味する俗語)と呼んでいる」とも述べている[21]。なお、彼らの研究の先行研究にあたる2014年のスコット・シェパードとチャドウィック・トルヒージョの論文中でも、単に「perturber」や「planet-sized objects」(惑星サイズ天体) とだけ呼ばれている[22]。