ブーンドックス_(テレビアニメ)
[Wikipedia|▼Menu]

ブーンドックス(The Boondocks)は、アーロン・マッグルーダー同名コミック・ストリップをアニメ化した、アメリカ合衆国のテレビアニメである[1] 。2014年現在、第1シーズンと第2シーズンがネットフリックスにて配信されている。日本ではアニマックス2007年2月19日から放送されていた。
概要

原作者であるマッグルーダーは、ターナー・ブロードキャスティング・システムカートゥーンネットワーク内におけるアダルトスイムの中で放送されているこの作品の制作に携わっている。この作品は、10歳のヒューイと8歳のライリーの兄弟と彼らの祖父であるロバートのフリーマン一家の生活の中で起きる出来事を通して、アメリカ文化や人権問題に対する社会的風刺をしている。ソニー・ピクチャーズ・テレビジョンと関係のあるレベル・ベースがこのシリーズを制作し、現在4シーズンが放送された。

この作品は漫画版と同じ舞台・時間となっている。シカゴ南部から架空の平和な郊外地ウッドクレスト[2] に越してきたフリーマン一家は、様々な方法で今までの生活とは大幅に違う郊外の生活に慣れていく。

本編中ではアフリカン・アメリカン文化・ライフスタイル・人権問題を混ぜ合わせたもので笑いがとられている。

2005年11月6日にMA(15歳以上対象)指定の風刺作品として初回放送され、2006年3月19日に第15話をもって第1シーズンが放送終了した。第2シーズンは2007年8月8日に初回放送が開始された。なお、第2シーズンとして扱われている話のうち2話分は、DVDでのみ視聴可能である。シーズン3は2010年5月2日から8月15日まで放送され、2014年4月21日ンからはシーズン4の放送が開始された。

2014年、原作者であるマッグルーダーが第4シーズン及び最終シーズンの制作に参加しない事が発表され、アダルトスイム側はスケジュールの都合が合わなかったためと説明している[3]

日本においては、CS放送局のアニマックスで第1シーズン・第2シーズンともに放映された。
起源

ブーンドックスは、マッグルーダーの母校であるメリーランド大学カレッジパーク校の学生新聞ザ・ダイアモンドバックに第1回が掲載され、後にザ・ソースという雑誌に移動した。この後、マッグルーダーはブーンドックスのシンジゲート化とアニメ化の両方ができるようにするための準備を始めた。1999年4月、ブーンドックスは新聞デビューを果たす。

それから、ブーンドックスのTVシリーズの制作が始まった。当初、マッグルーダーと映画プロデューサー兼監督であるレジナルド・ハドリンはFOX放送向けにパイロット版を制作・公開したが、全国ネットワーク向けに放送しにくいことがわかり、ハドリンは降板した。しかし契約上の理由から、ソニー・テレビジョンとマッグルーダーはハドリンをエグゼクティブプロデューサーとしてクレジットし続けている。

原作ではヒューイが主人公を務めていたが、TVシリーズはライリーとロバートに焦点が当てられており、ヒューイは各話でナレーションを担当するほか、劇中ではうまく利用されるまっすぐな人間という位置付けとなっている。また、原作ではヒューイの親友だったマイケル・シーザーは登場せず、自己嫌悪的でいつも黒人の悪口を言っては白人を賞賛するオールマイティな黒人アンクル・ラッカスが重点的に登場する。TVシリーズは原作の進行とはあまり連動していなかったが、原作の後半において、マッグルーダーはこの2つを結びつけた。ラッカスを原作に登場させ、原作版のライリーをTVシリーズのデザインにあわせるためにコーンロウヘアにした。

第1シーズン放送中、マッグルーダーは2006年3月から休載。11月になっても復帰してこないため、シンジゲートでもあるUniversal Press Syndicateは打ち切りを宣言した。

英語版オープニングテーマを歌うのは、ヒップホップアーティストのアシェル。なお、第2シーズンでは多少のリミックスがなされている。
登場人物
ヒューイ・フリーマン
声:
木内レイコ/英 :レジーナ・キング一部の例外を除き、各話でナレーターを務める。知的な10歳児で、劇中の‘理性の声’として、またアフロセントリズム(en:Afrocentrism)の代弁者として位置付けられている。しかし、信条の異なる弟ライリーや祖父ロバートから脅迫的な言辞を投げかけられたり、嘲弄されたりすることがしばしばある。
ライリー・フリーマン
声:根本圭子/英:レジーナ・キングヒューイの実弟にしてトラブルメーカーである、8歳児。ギャングスタ・ラップにひどく影響を受けており、間違った黒人青年の一般的な例である。本編の大半は彼の身に降りかかる災難であり、その多くはギャングスタ・ラップへの愛やメディアに出てくるほかのストリート・アイコンをまねたいという欲望、そして祖父をも巻き込む荒っぽい数々の悪巧みからくるものである。
ロバート・フリーマン
声:藤本譲/英: ジョン・ウィザースプーンヒューイとライリーの祖父でもあり、後見人でもある。じいちゃんと呼ばれている。孫を愛してはいるが、2人によって引き起こされるたくらみや災難、皮肉が過ぎた発言などを受けて、時々腹を立てることもある。ロバート自身も羽目を外すことがないというわけではなく、女性が好きだが、そういうものに関してはいつも手に余る結果を引き起こす。孫たちへの躾は非常に厳しく、ベルトを鞭にして体罰を加えたりしている。
トーマス・ランカスター・デュボイス:通称トム・デュボア
声:安井邦彦/英:セドリック・ヤーブローフリーマン家の向かいに住む裕福なアフリカ系の検事補。彼の人格は成功した白人のホワイトカラーのステレオタイプとも受け取れる。トムは物怖じする人物で、すぐに怖がる。刑務所の中でアナルレイプ(肛門強姦)をされることを恐れているがあまり、法律に固執していることが、 "A Date With The Health Inspector"におけるヒューイのナレーションによって示されている。また、10歳の頃テレビで見た刑務所が舞台となる映画に恐怖を覚えるという回想シーンがあり、そのせいでちょっとした法律違反でさえをも嫌い、"But what if we get caught? We'll get arrested and anally raped!"という発言もある。検察官としてのトムは皮肉なことに他の黒人男性をトム自身が最も恐れているところへ連れ込む行為をしている、とヒューイは考えている。黒人の遺産に背を向け、白人女性(サラ)と結ばれて混血児(ジャズミン)をもうけ、検察官としてしばしば黒人を有罪にする、といった行動から、トムをその名の通りアンクル・トムのような白人寄りの人物と見ることもできる。しかし、姓のデュボイスは公民権運動の指導者W・E・B・デュボイスにちなんで名付けられたものとみられ、劇中におけるトムの立場は矛盾をはらんだものとなっている。たとえば、ある回で近所の自警団がフリーマン家の警察に対する非協力的姿勢を見咎め、彼らが近隣で頻発していた押し込み強盗の犯人だと決め付けたときも、トムはこれを見過ごさず、馬鹿げた言いがかりだとして自警団に立ち向かった。"The Trial of R. Kelly"という話の中では、R・ケリーを告訴する検察官だったが、ヒューイもトムも失望する結果となった。大学生の頃のトムはバスケットをしていた。またトムは歌手になってCDを出して成功するという夢を持っているが、歌の才能がないことが悩みの種となっている。スティンクミーナーが黄泉からよみがえった際、不意にもそのスティンクミーナーに憑かれてしまうが、多少の暴力もあってかトムからスティンクミーナーは出て行く。
サラ・デュボイス
声:/英:ジル・ティレイトムの妻。異人種間結婚に関しては信じられないほど気にもとめておらず、"The Trial of R. Kelly"でトムが白人との結婚を理由に愚弄され、攻撃された際も、「ああいった白人女性とバカ騒ぎしないでって言ったでしょ」とジョークを交わすほどである。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:37 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef