ブーリ
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18世紀のアイスランド語写本『NKS 1867 4to』にあるこの挿絵の中で、ブーリが雌牛のアウズンブラによって塩分を含んだ氷の塊から舐め取られている。

ブーリ[1](またはブリ[2]古ノルド語: Buri)は、北欧神話において最初に生まれたとされるである[3]

彼は、ボルの父であり、オーディンの祖父である[3]

ブーリは、ギンヌンガ・ガップの中に貯まった塩分を含む氷を舐め続けた雌牛のアウズンブラによって作り出された。この物語を唯一現在に伝えているのが、スノッリ・ストゥルルソンが書いた『散文のエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』である[3]

Hon sleikti hrimsteinana er saltir varu. Ok hinn fyrsta <dag> er hon sleikti steina, kom or steininum at kveldi manns har, annan dag manns hofud, tridja dag var tar allr madr. Sa er nefndr Buri. Hann var fagr alitum, mikill ok mattugr. Hann gat son tann er Borr het. — ⇒Normalized text of R大意:アウズンブラがしょっぱい氷の塊を舐めていると人間の形が現れてきた。1日目に頭髪が、2日目に頭が、そして3日目に全身が現れた。彼はブーリと呼ばれた。美しい顔立ちであり、貴く強かった。後にボルと呼ばれる息子を得た。


ブーリは、『詩のエッダ』にはどこにも言及されず、スカルド詩の全ての文献に1度だけ言及される。『散文のエッダ』第二部『詩語法』の中で、スノッリ・ストゥルルソン12世紀のスカルド詩人、ごちゃまぜ詩人ソルヴァルド(Torvaldr blonduskald)による詩の、次の節を引用している[4]

Nu hefk mart
i midi greipat
burar Bors,
Bura arfa. — ⇒Finnur Jonsson による版   大意:今や私はブーリの跡取りのボルの息子(オーディンのこと)の蜜酒の中の多くを奪い取った。

脚注[脚注の使い方]^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』で確認した表記。
^ 『北欧の神話 神々と巨人のたたかい』(山室静著、筑摩書房〈世界の神話 8〉、1982年、ISBN 978-4-480-32908-0)で確認した表記。
^ a b c 『エッダ 古代北欧歌謡集』229頁。
^ 「『詩語法』訳注」13頁。

参考文献

谷口幸男「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」『広島大学文学部紀要』第43巻No.特輯号3、1983年。

V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6










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