ブロードバンドインターネット接続(ブロードバンドインターネットせつぞく、英語: Broadband Internet access; BIA)とは、大容量通信ができるインターネット接続サービスを指す。
米国連邦通信委員会(FCC)は2024年3月よりブロードバンドを下り100Mbps/上り20Mbpsの実効速度を有するものと定義している[1]。一方、米国会計検査院(英語版)(GAO)の聞き取りでは小規模事業でも下り100Mbps/上り25Mbpsが最低限必要だと述べられている[2]ほか、電子フロンティア財団は上り下り共100Mbps程度まで増速せよという意見を出している[3]。なおFCCは将来的にブロードバンドの定義を下り1Gbps/上り500Mpsへと引き上げる予定となっている[4]。
日本では上り下り30Mbpsを超高速ブロードバンドと定義している(#速度の定義参照)。また1Gbps級のブロードバンドはギガビットブロードバンドと呼ばれており、イギリスがその普及を進めている(後述)。
ブロードバンドの対義語はナローバンドであり、ナローバンドは低容量なダイヤルアップ接続やISDNやPHSなどを意味する。低容量なADSLなどもナローバンドと呼ばれている[5]。ブロードバンドとナローバンドの間はミドルバンドと呼ばれている。 1980年代の高速回線は、回線料金や接続料金が高価(月額数十万円以上)な、通信速度512kbpsから1.5Mbps程度・特殊なケースで6Mbpsから数十Mbpsデジタル回線(光ファイバー)であったため、大企業やコンピューター関連企業、さらには先進的な大学・研究機関が利用するものであった。 それ以外の法人・団体や個人などは、時間従量制のアナログ電話回線モデムやISDNによる低帯域(数十kbps?128kbps程度)ダイヤルアップ接続サービスを利用していた。 1990年代、既存のツイストペアケーブル通信線路を用いて、音声信号ではなく、高周波数かつ高帯域の電気信号により通信を行うDSLや、ケーブルテレビの同軸ケーブルを用いた通信サービス(DOCSIS)が開発された。 2000年代には、光ファイバーを直接・間接にユーザ個宅まで引き込むFTTH・FTTxも敷設を開始した。光ファイバーで放送を行う光放送が登場してケーブルテレビと競合し、ケーブルテレビも徐々にFTTHへと転換して通信業者とCATV事業者の差が埋まっていった。 2010年代にはFTTHによる家庭向け10Gbpsのサービスが登場した。また、低速なISDNとADSLは保守コストの問題から終了が発表され[6][7]、デジタルケーブルテレビも同軸ケーブルの設備の老朽化[注 1]が進み[8][9][10]、代わりに光回線が普及していった。 2020年代には光回線がユニバーサルサービス化される予定となっている。
概略