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出典検索?: "ブロックバスター" 医薬品
ブロックバスター (Blockbuster drug) とは、医薬品産業において使用される用語で、従来の治療体系を覆す薬効を持ち、他を圧倒するシェアや全く新しい市場の開拓、莫大な売り上げにより開発費を回収する以上の利益を生み出す新薬を指す言葉。主に世界最大の医薬品市場であるアメリカ合衆国において繁用されてきた言葉であり、アメリカの製薬企業がブロックバスターを開発することに力を注いできた背景がある。
副作用の隠蔽、論文のゴーストライティングといった問題も同時に語られてきた。 統一的な定義が存在するわけではないが、1剤で年商10億ドル(約1000億円)を超える新薬に対して用いられることが多く、欧州委員会でもこの立場を取っている[1]。ボストン・コンサルティング・グループでは、ピーク時の世界での年間売上げ高が5億ドル以上の医薬品をブロックバスターと呼ぶと定義している[2]。 潤沢な研究開発費と技術革新の進歩も伴って、年商10億ドルを超える新薬は1990年代以降に急増。それに伴う莫大な売上と利益を生み出したことによって、世界の医薬品市場は黄金時代を迎え、有力な商品群と研究ネットワークを持つ製薬会社はメガファーマ(Mega Phama)と呼ばれるようになった。創薬に特化した創薬ベンチャーもナスダックをはじめとする新興の株式市場やベンチャーキャピタル・投資ファンドからの出資による資金調達により、開発資金を以前より集めやすくなった。 世界の大型医薬品売上高トップ10の薬剤(2018年度)は以下のとおり。データはIQVIA社 これら以外で、年商10億ドルを超える新薬の数は100を超える。ブロックバスターには、一種のトレンド(売れ筋の薬効群)があり、高脂血症治療薬、高血圧治療薬が過去には上位を占めていたこともあったが、医薬品は特許期間が切れると、一気に後発医薬品が発売され、新薬の売上げが大幅に減少するため、5?10年単位で薬効群は大きく変化する。近年は抗がん剤や抗リウマチ薬として用いられる、バイオ医薬品(抗体医薬)が主流となりつつある。 なお、日本の製薬企業が創出したブロックバスターとしては、武田薬品工業のアクトス(ピオグリタゾン … 糖尿病薬)やブロプレス(カンデサルタン シレキセチル … 降圧剤)、藤沢薬品工業(現・アステラス製薬)のプログラフ(タクロリムス … 免疫抑制剤)、塩野義製薬のクレストール(ロスバスタチン … 高脂血症薬))、エーザイのアリセプト(ドネペジル … アルツハイマー型認知症薬)、大塚製薬のエビリファイ(アリピプラゾール … 非定型抗精神病薬)、小野薬品工業のオプジーボ(ニボルマブ … がん免疫療法薬)、大日本住友製薬のラツーダ(ルラシドン…統合失調症、双極性障害)[3]などがある。
定義
代表的薬剤
アダリムマブ(ヒュミラ - 関節リウマチ薬) … 254.8億ドル
インスリン・グラルギン(ランタス - 糖尿病治療薬) … 104.1億ドル
エタネルセプト(エンブレル - 関節リウマチ/乾癬薬) … 101.8億ドル
アピキサバン(エリキュース - 抗凝固薬) … 101.2億ドル
リバーロキサバン(イグザレルト - 抗凝固薬) … 91.7億ドル
インフリキシマブ(レミケード - 関節リウマチ/クローン病薬) … 77.6億ドル
ニボルマブ(オプジーボ - 抗がん剤・免疫チェックポイント阻害剤) … 75.4億ドル
インスリンアナログ(ノボラピッド - 糖尿病治療薬) … 73.5億ドル
ペムブロリズマブ(キイトルーダ - 抗がん剤・免疫チェックポイント阻害剤) … 72.1億ドル
シタグリプチン(ジャヌビア - 糖尿病治療薬・DPP-4阻害薬) … 47億ドル